車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年10月現在の「道の駅 おくとろ」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 おくとろ」は、瀞峡と丸山千枚田の観光時に使える、和歌山県の温泉が併設する道の駅。
道の駅 おくとろ DATA
道の駅 おくとろ
〒647-1604
和歌山県東牟婁郡北山村下尾井335
☎0735-49-2324
営業時間
観光センター:9時~17時
おくとろ温泉:11時~20時30分
年中無休
「道の駅 おくとろ」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第15回
登録日/1999年8月27日
2011年にリニューアルし、レストランと売店が温泉横に移転。
「道の駅 おくとろ」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2021.02.12
2023.08.19
※「道の駅 おくとろ」での現地調査は2023年8月が最終です。
道の駅 おくとろ【目次】
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集
「道の駅 おくとろ」のロケーション
周囲を奈良県と三重県に囲まれた「道の駅 おくとろ」は、住所を見るまで、”よもやここが和歌山県とは!”と驚く(笑)、日本で唯一の飛び地「北山村」を通る国道169号の道の駅だ。
「中国吹田インター」から「五條」まで高速道路を走り、途中で国道168号より道のいい国道169号に乗り換え、「大台ヶ原」をかすめるように「上北山村」を通り抜けて、約155キロ・ノンストップで3時間…
中高年には片道5時間は見ておきたい、とても1泊2日じゃ行く気にならない、紀伊半島内陸部の秘境に、「道の駅 おくとろ」は位置している。
だがそれゆえに、周囲に一級品の見どころが揃っているとも云える。
その筆頭が世界遺産の「熊野本宮」になるわけだが、「新宮」と「那智」を合わせた「熊野三山」を本気で周れば、大半の観光客はさすがに疲れて、粘りが効かなくなるはずだ。
そのため、巨岩・奇石が並ぶ国の特別名勝に指定された「瀞峡」や、1601年(慶長6年)には、すでに2240枚の田があったとされる「丸山千枚田」にまで手が届かず、後ろ髪を引かれつつ、この地を後にする…
いずれにしてもリピートしないと、紀伊半島内陸部の名所を見尽くすことは至難の業だが、「道の駅 おくとろ」が両者にリベンジを果たす際の、”旅の宿”に適しているのは間違いない。
大阪在住の筆者でさえ、紀伊半島のほぼ全域に足を伸ばすまでに、15年近い歳月を要している。紀伊半島内陸部は、気分的には北海道よりも手強いね(笑)。
「道の駅 おくとろ」の施設
漢字で「奥瀞」と書く「道の駅 おくとろ」は、瀞峡上流の「おくとろ公園」の中にあり、公園内にはマップに「北山観光センター」と書かれた道の駅の駅舎と、温泉・レストラン・コンビニそして、コテージ風の宿泊施設がある「おくとろ温泉やまのやど」、さらに18サイトのオートキャンプ場がある。
こちらが「おくとろ温泉やまのやど」と、❶と記したその駐車場。
2011年のリニューアルで、道の駅にあったレストランと売店が移設され、売店はコンビニのヤマザキストアになっている。
営業時間
●コンビニ:9時~20時
●レストラン:ランチタイム11時~14時(LO/13時30分)・ティータイム14時30分~16時30分(LO/16時)・ディナータイム17時~20時(LO/19時30分)
●温泉:11時~20時30分(受付最終20時)
駐車場の路面はフラットで車中泊はできるが、24時間トイレからは離れている。
いっぽうこちらが、マップ❷の本来の道の駅の駐車場になる。
❶と同様にフラットで24時間トイレとゴミ箱にも近く、車中泊に適している。
建物の左側が24時間トイレで、多目的トイレがウォシュレットになっている。
右側のかつての駅舎は「北山村観光センター」に名前を変え、日本で唯一の筏下りの受付を行っている。
なおオートキャンプ場は、筆者が訪ねた時は利用者が見当たらなかったが、公式サイトを見る限り、今も営業を休止しているようだ。
「道の駅 おくとろ」の車中泊好適度
「道の駅 おくとろ」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:屋外に設置されており、24時間利用可能
缶・ビン・ペットボトル:同上
ゴミ箱は、まとめて自動販売機コーナーの裏に置かれている。
前述したように、さすがに京阪神からでも、ここから翌日自宅まで帰りつくのは厳しいので、可燃ゴミを引き取ってもらえるのはありがたい。
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 おくとろ」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
おくとろ温泉
道の駅に併設
☎0735-49-2575
おとな700円
11時~20時30分(受付最終20時)
年中無休
コンビニ
ヤマザキショップが併設(営業時間は 9時~20時)。
スーパーマーケット
大きなスーパーは、20キロ以上離れた熊野市内まで行かないとない。
「道の駅 おくとろ」のアクセスマップ
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最後に番外編として、「道の駅 おくとろ」から約18キロ・25分ほどのところにある、三重県の「道の駅 熊野・板屋 九郎兵衛の里」についても言及しておこう。
「道の駅 熊野・板屋 九郎兵衛の里」は、2017年に「熊野市紀和B&G海洋センター」の隣に、既存の「紀和コミュニティセンター」の改修と同時に開業した、真新しさが残る道の駅だ。
「丸山千枚田」までは約5キロ・10分ほど、「瀞八丁」にも約8キロ・10分ほどと、観光名所には「道の駅 おくとろ」よりもむしろ近い。
駅名となっている「板屋九郎兵衛」は、江戸時代に住民から親しまれた庄屋の人物名らしいが、このあたりが観光オンチな三重県らしい(笑)。
この伝説の紹介が、道の駅にあるのは大いに結構なのだが、筆者なら駅名は「道の駅 ニア瀞峡」とか、いっそのこと「道の駅 丸山千枚田」にして、そこを目当てにインターネット検索する、マスコミと県外からの観光客に、見つけてもらいやすくする。
いくら税金を使ったのか知らないが、今の「道の駅 熊野・板屋 九郎兵衛の里」は、地元の住民を喜ばせただけで、生産性は皆無に等しく、スレた都会人の目には、高い”票集め”としか映らない(笑)。
そしてこちらが売店。可燃物のゴミ箱が置いてあるのは嬉しいが、旅人には食品類が極端に少ないのが辛いところだ。
というのは、
日帰り温泉は、クルマで約5キロ・15分ほどのところに「湯元山荘 湯ノ口温泉」があるのだが、ここは買物が不自由で、コンビニは「道の駅 おくとろ」のヤマザキストアが最寄りになる。
そこまで行くんだったら…もう(笑)。
新しさと観光地までの近さで選ぶならここだと思うが、リアルな車中泊クルマ旅の”宿”としては、「道の駅 おくとろ」に軍配はあがるだろう。
まことに残念なことだが、三重県の行政はこの記事に書いている通り、「道の駅」というものが分かっていない(笑)。
道の駅 熊野・板屋 九郎兵衛の里
〒519-5413 三重県熊野市紀和町板屋82
☎0597-97-0968
10時~17時
年中無休