【2023年3月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 宇陀路大宇陀」の車中泊に関する記述です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 宇陀路大宇陀」は、桜の名所「又兵衛桜(本郷の瀧桜)」に近い、奈良の春旅にお勧めの道の駅。
道の駅 宇陀路大宇陀 DATA
道の駅 宇陀路大宇陀
〒633-2164
奈良県宇陀市大宇陀拾生714-1
☎0745-83-0051
喫茶軽食コーナー:7時~18時
物販コーナー:8時~18時
年中無休
「道の駅 宇陀路大宇陀」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第12回
登録日/1997年4月11日
「道の駅 宇陀路大宇陀」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2011.04.09
2023.03.30
※「道の駅 宇陀路大宇陀」での現地調査は2023年3月が最新です。
道の駅 宇陀路大宇陀【目次】
「大和高原」と呼ばれる標高約800メートルの高原地帯に位置する宇陀市は、古事記や日本書紀にその名の記載があり、古代には朝廷の軍事的拠点で大和と伊勢を結ぶ東西交通の要衝として栄えた土地で、現在も多くの歴史遺産があり、城下町や伊勢本街道の宿場町の風情が残る。
とはいえ…
奈良の観光エリアからは外れており、京阪神に住む人でも、普段はあまり馴染みのないところだと思う。
だが、桜の季節は別だ。
まず「道の駅 宇陀路大宇陀」から約2キロ・クルマなら3分ほどのところにある「本郷川砂溜工」には、樹齢300年とも云われる枝垂れ桜の銘木で、”又兵衛桜”の通称で知られる「本郷の瀧桜」がある。
又兵衛桜
「又兵衛」とは、かつて黒田官兵衛・長政親子に仕え、その後は浪人となるものの、最後は「大阪の陣」で豊臣家配下の武将として華々しい活躍を遂げた「後藤又兵衛」のこと。
定説では「大坂夏の陣」で討死したことになっているが、講談や軍記が日本各地に広まって読まれ、敗戦を生き延びたという伝説が各地に残っている。
「宇陀」はその地のひとつで、「後藤又兵衛」はこの地で僧侶となって一生を終え、「本郷の瀧桜」は後藤家の屋敷跡に立っていると伝えられてきた。
幹周約3m、高さ約13mの見事な「本郷の瀧桜」の背景には桃の花も咲き、満開の見頃には、5~6万人の写真家や観光客で大賑わいとなる。
加えて、「道の駅 宇陀路大宇陀」から約12キロ・20分ほどのところには、桜とボタンで有名な「長谷寺」がある。
長谷寺
日本最大級の「木造・十一面観音」を本尊とする「長谷寺」は、753年創建と伝わる真言宗豊山派の総本山。
「牡丹寺」の別名で名高い古刹だが、同時に「花の御寺(みてら)」の異名も持ち、広い境内に約1000本のソメイヨシノや山桜が咲き誇る。
奈良の桜といえば、千本桜で知られる世界遺産「吉野山」がメジャーだが、近畿在住の方はもとより、遠方から来られる旅人で日程に余裕のある人には、宇陀から山の辺の道に通じる橿原に足を伸ばしてもらうのもお勧めだ。
「道の駅 宇陀路大宇陀」からは、長谷寺経由で日本最古の「大神(おおみわ)神社」がある橿原方面にも行きやすい。
「道の駅 宇陀路大宇陀」の施設
「道の駅 宇陀路大宇陀」は中規模サイズの道の駅で、34台が駐められるという駐車場には、若干の傾斜がある。
ただ前述してきた周辺のロケーションと、コンビニが隣接していて、日帰り温泉まで1キロほどで行ける利便性を考慮すれば、多少の傾斜はここでの車中泊の弊害にはなるまい。
トイレにはウォシュレットが設置されており、可燃物のゴミ箱も屋外にあって24時間利用できる。
またここには、大きな足湯もある。
「道の駅 宇陀路大宇陀」で特筆すべきは、こちらの情報案内を兼ねた喫茶軽食コーナーで、朝は7時でから営業しており、モーニングセットが食べられる。
喫茶軽食コーナーに隣接する売店は、土産物が中心だ。
売店とは別に野菜の直売所がある。
ただ都会人のハートをくすぐるような品揃えではなかった。
野菜や果物は「道の駅 吉野路大淀iセンター」のほうがよく揃っている。
なお、1キロほど離れた「大宇陀あきののゆ」が併設していたRVパークは、温泉施設の経営母体が代わったため、2022年6月末で閉鎖されてしまったようだ。
「道の駅 宇陀路大宇陀」の車中泊好適度
「道の駅 宇陀路大宇陀」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:屋外にあり、24時間利用可能
缶・ビン・ペットボトル:同上
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 宇陀路大宇陀」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
大宇陀温泉あきののゆ
※道の駅から約1キロ・クルマで5分
☎0745-83-4126
平日:大人750円
土日祝:大人800円
10時~21時 (受付最終20時30分)・木曜定休
コンビニ
ローソンが隣りにある。
スーパーマーケット
約350メートルのところに「スーパーもりかわ」がある。