和歌山県・湯浅の見どころ&無料観光用駐車場 車中泊好適度をクルマ旅のプロがチェック! 2023年6月

和歌山県のお勧め車中泊スポット

車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年6月現在の和歌山県・湯浅の見どころ&車中泊(RVパークsmart 湯浅町観光用駐車場)に関する情報です。

「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド

この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

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~ここから本編が始まります。~

「日本遺産」に認定された醤油発祥の地「湯浅」は、RVパークを併設する無料の観光用駐車場を構えた、車中泊歓迎の観光スポット。

湯浅 醤油

湯浅の筆者の歴訪記録

※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。

2022.01.29
2023.05.19

※湯浅での現地調査は2023年5月が最新になります。

湯浅の見どころ&車中泊事情

湯浅のロケーション

「日本遺産」湯浅の見どころ

湯浅の車中泊事情は想像以上

湯浅町観光用駐車場の
最寄りの温泉&周辺買い物施設

湯浅町観光用駐車場のアクセスマップ

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湯浅のロケーション

湯浅

醤油発祥の地との伝承が残る、和歌山県・有田郡にある湯浅町は、今やイメージ的には、「紀中エリア」の中核をなす観光スポットになっている。

紀中マップ

だが下の記事に記載している通り、大阪からアクセスの良い「紀北エリア」と、白浜・勝浦の2大温泉地を抱える「紀南エリア」に挟まれた「紀中エリア」は、相も変わらず観光客にスルーされがちで、日本遺産に認定された「湯浅」にしても、まだ”知る人ぞ知る”の域を出てはいないと思う。

日本遺産・湯浅の見どころ

湯浅

しかし訪ねてみると、「湯浅」は想像していたより興味深い町だった。

湯浅

「湯浅」に今も残る、醤油と味噌の醸造に携わる古い町家と蔵が織りなす町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

湯浅

そのため町全体がレトロな雰囲気を保持しており、都会から来る穴場の旅先を好む人たちを喜ばせてきた。

2015年(平成27年)。

そんな古風な町に、政府がスポットライトをあてる。

湯浅 角長

「湯浅」が育んできた営みが、歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化・伝統を語り継いでいくことを目指す、文化庁の「日本遺産」のひとつに認定されたのだ。

タイトルは、『「最初の一滴」醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅』。

その内容は、このわずか1分16秒の動画の中に、見事なまでに集約されている。

動画に登場する角長(かどちょう)は、1841年(天保12年)に創業し、歴史的景観を現在に色濃く残しながら、伝統的な建造物で醤油醸造を続けていることが高く評価され、重要文化財(建造物)に指定されている。

湯浅 角長 職人蔵

指定を受けているのは、主屋・仕込蔵・醤油蔵・麹室(こうじむろ)・穀蔵(こくぐら)などの11棟だが、見学できるのは写真中央の「職人蔵」と、その右に建つ「醤油資料館」になる。

いずれも年中無休で、料金は無料。

開館時間は9時~17時(12時~13時は休憩時間)だが、見学人数が50人までとなっており、団体の予約があると入館できない場合がある。

週末や連休時は電話で事前確認するか、予約をするほうがいいだろう。

☎0737-62-2035

とここまでは、はっきり云ってどこにでも書いてある(笑)。

だが、ここから先は違う。

筆者が「角長すげぇ~な!」と唸ったのは、「醤油資料館」の2階でのみ見られる、オリジナルの「濁り醤(にごりびしお)」のドキュメントを見てのこと。

濁り醤

「濁り醤」とは、鎌倉、室町時代の「湯浅たまり」の製法を忠実に再現し、圧搾も加熱もせず、麹が原料を分解してできた汁のみを取り出す、まさに”天然醸造醤油”だ。

現在の醤油づくりに比べると、効率も保存性も低いため、極端に云えば”あえて作る必要はない”。

ただ江戸時代の天保12年に創業した、「角長」にしか再現できない醤油というのが、大将のこだわりらしい。

映像には、苦労の末に完成した「濁り醤」を、麻布十番にある得意先の料亭に渡し、実際の料理に使ってみるシーンがあるのだが、料理長の「この醤油は煮魚に使うのが一番いい」という言葉が、グッと来た。

濁り醤

もちろん、買って帰って即実践(笑)。

筆者は醤油にそれほど詳しくないのだが、以前に醤油の良し悪しは薄めるほどよく分かる、という話を聞いたことがある。

さすがはプロの料理人。即座に特性を見抜き、角長の苦労に報いた。

さて。

筆者が『「湯浅」は想像していたよりも興味深い町である』と書いた理由は、醤油以外にもある。

湯浅

平安時代の「湯浅」は、熊野古道の「紀伊路」の途中にあり、聖地・熊野に詣でる人々から、宿所や休息所にあてられることが多かったと云われている。

紀伊路は、鳥羽離宮(現在の城南宮)から淀川を下り、摂津の窪津に上陸した後、河内国・和泉国を通って和歌山県に入り、和歌山市・海南市・有田市・湯浅町・御坊市を経て、中辺路、大辺路との分岐点がある田辺市に通じていた。

その時代の有名なエピソードが、1159年(平治元年)に京の都で起きた「平治の乱」だ。

「平治の乱」は、「平清盛」が熊野詣のために紀州に下向した留守を狙って、京都で「源義朝」が挙兵し、「後白河上皇」を幽閉した事件だが、その時湯浅にいたとされる「清盛」を励ましながら、手勢を集めてともに上洛し、「源義朝」討伐で手柄を挙げたのが、当時湯浅を支配していた「湯浅宗重」だった。

その後「宗重」は平家の有力武将のひとりとなり、「湯浅」の地名が歴史上の文献に登場するようになる。

湯浅 甚風呂

そしてもうひとつ筆者が興味を抱いたのが、「甚風呂」だ。

湯浅 甚風呂

正式名は「銭湯跡歴史資料館」で、幕末から1985年頃まで公衆浴場だった建物を改修し、明治・大正・昭和期に使われていた古民具を中心に展示している。

ただ個人的には、展示されている古民具やレトロな電化製品そのものより、

それがどこから集められてきたものなのか?のほうが気になった。

正直なところ、いわゆる「蔵出し」というのは、倉敷や倉吉、あるいは喜多方でも角館でも見られるわけで、特別珍しいものではない。

湯浅 甚風呂

だが交通の要衝にあった「湯浅」の町は、明治以降も商業都市として発展を続け、醤油運搬のための海運業や、醤油に関連する工業製品の製造により、豪商を生み出している。

湯浅 甚風呂

骨董品に混じって、こういうものが展示されているというのは、そのことと無関係ではないようにも思える。

ちなみに江戸時代に紀州みかんや塩鮭で富を築いた「紀伊國屋文左衛門」も、湯浅の出身だ。

そのあたりの関連性が展示物にリンクされてくると、「甚風呂」は”やれレトロだ、ノスタルジーだの云った世俗的な資料館”から脱却し、ワンランク上の”蔵出し館”になれるのではあるまいか。

それは前述した醤油における「濁り醤」と同じく、特別な付加価値になりえる。

今の「湯浅」は醤油が強すぎて、他のコンテンツを持て余しているようだが、今後の進展が楽しみだ。

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湯浅の車中泊事情は想像以上

湯浅

筆者は「湯浅」が「日本遺産」に認定される前の、2012年に一度現地を訪ねているのだが、その時は現在の立派な観光用駐車場はなく、一般観光客には北の町の「老人憩いの家」の隣に用意された、この駐車場が開放されているだけだった。

料金は無料だったが、収容台数はわずか6台。それでも余裕で駐められた(笑)。

湯浅観光マップ

だが2023年に再訪してみると、「老人憩いの家」から川を挟んだすぐ近くに、このように広くて素晴らしい「湯浅町観光用駐車場」ができていた。

湯浅町観光用駐車場

観光名所「伝建地区」まで徒歩2分とアクセスも抜群で、お土産屋と食事処を兼ねた「湯浅美味いもん蔵」が目前にある。

湯浅町観光用駐車場 トイレ

「湯浅町観光用駐車場」の一番奥にある24時間トイレ。

湯浅町観光用駐車場 トイレ

もちろん中には、ウォシュレットが完備している。

湯浅美味いもん蔵

さらにトイレは「湯浅美味いもん蔵」のピロティーにもあり、こちらにもウォシュレットが用意されていた。

2017年に整備された「湯浅町観光用駐車場」は、「日本遺産」認定以降にできているのだが、こちらの収容台数は62台。

言い換えれば「日本遺産」に認定されれば、それほどの集客力が期待できるという証である。

RVパークsmart 湯浅町観光用駐車場

さらに2022年3月、その一画に「RVパークsmart」が加わった。

といっても用意されている区画は、たったの2つ。

確かに1つでも100でも、「ある」か「ない」かと問われれば、「ある」と云えるわけだが、そんな数で需要に応えられているかどうかは大いに疑問。

キャンピングカーの中には、それで助かる車両もあるのだろうが、ここは炊事施設もゴミの引き取りもなく、枠内にイスもテーブルも出せないので、普通車にはまったくメリットがないのと同じだ。

車中泊だからといって、この看板の「車中泊スペース」という表示に惑わされ、RVパークを無理に使う必要はない。「道の駅」と同じように振る舞えば大丈夫。

RVパークsmart 湯浅町観光用駐車場
利用料金:2,500円
利用可能時間:16時~翌9時
利用可能台数:2台

野口オートキャンプ場

なお電源が使いたいが、運悪くRVパークが満車だった場合は、「湯浅御坊道路」で約20キロ・20分ほどの御坊市に、”キャンピングカーの聖地”と呼ばれる、30Aの電源サイトを構えた「野口オートキャンプ場」がある。

道の駅 明恵ふるさと館

次は湯浅町の近くにある2つの「道の駅」についてだが、まず約10キロ・クルマで20分のところにある「道の駅 明恵ふるさと館」は、駐車場に傾斜があり、あまり車中泊には適していない。

天気が良ければ、それよりは約18キロ・クルマで30分と遠くはなるが、素晴らしい景観が見られる「道の駅 白崎海洋公園」のほうがいいだろう。

こちらにもオートキャンプ場があり、電源が利用できる。

ただし「道の駅 白崎海洋公園」は利便性が悪いので、買物と入浴を済ませてから行かれることをお勧めする。

湯浅町観光用駐車場の最寄りの温泉&周辺買い物施設

湯浅温泉 湯浅城

湯浅温泉 湯浅城
☎0737-63-6688
おとな500円
12時〜23時(受付最終22時)
不定休
※宿泊施設なので、利用時は事前に一度電話で当日利用が可能かどうかを確認するほうが確実だ。

コンビニ
1.4キロのところにローソンがある。

スーパーマーケット
「マツゲン 湯浅店」まで約0.5キロ。

マツゲン湯浅店

ここには100円ショップの「Seria」と、コインランドリーの店もある。

湯浅町観光用駐車場のアクセスマップ

マップをグーグルナビに切り替える方法
スマートフォンでご覧の方は、「拡大地図を表示」をタップし、画面が切り替わったら下の「ナビ開始」をタップするとナビゲーションが始まります。 高速道路か国道にするかを選びたい場合は、「ナビ開始」ボタンの左にある「経路」をタップすると表示されます。
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