「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 あらぎの里」は、あらぎ島に歩いて行ける好立地にあるが、車中泊に適しているのは、4キロほどのところにある「道の駅しみず」。
「道の駅 あらぎの里」 DATA
道の駅 あらぎの里
〒643-0511
和歌山県有田郡有田川町三田664-1
☎0737-25-0088
営業時間
10時~17時30分
※11月~2月は17時まで
火曜日定休
「道の駅 あらぎの里」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第28回
登録日/2008年8月8日
「道の駅 あらぎの里」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2023.05.18
※「道の駅 あらぎの里」での現地調査は2023年5月が最新になります。
道の駅 あらぎの里【目次】
「 あらぎ島」の概要と正確なアクセスルート及び駐車場
この記事にアクセスの方は既にご存知かもしれないが、まずは「あらぎ島」の紹介から始めよう。
「あらぎ島」は江戸時代の1655年(明暦元年)に、有田川に沿って扇形に開発された54枚の棚田で、「日本の棚田百選」のひとつに数えられている。
また2013年には、周囲の景観とともに「蘭島及び三田・清水の農山村景観」として、国の重要文化的景観にも選定されている。
大部分を山間地が占める、有田川上流域の厳しい自然環境の中で、そこに根付いた人々によって営まれてきた、独特の地形をいかした農林業や紙漉きが、独自性の高い文化的景観を育んでいることが選定理由とされているが、確かに「なるほど」と頷きたくなる光景がそこにはある。
風景写真愛好家にとって、理想はその棚田が四季折々に見せてくれる光景を追うことだが、大阪在住の筆者にとって、さすがに「あらぎ島」は遠かった!(笑)。
近畿自動車道「吹田インター」から「あらぎ島」までは約140キロ・2時間、阪和自動車道の「有田インター」からでも、約32キロ・40分はかかる。
それだけにリピートするのは面倒で、他に動機になり得るものが欲しいところだ。
実はそれも含めて、筆者は和歌山県「紀中エリア」の車中泊旅行ガイドをまとめている。「あらぎ島」に興味のある方には、のちほど合わせてご覧いただければ幸いだ。
ちなみに「あらぎ島」の歴史と、「蘭島及び三田・清水の農山村景観」の見どころは、「有田川町 教育委員会社会教育課」が発信している以下のサイトに、「さすがは地元!」と感心するほど詳しく、また分かりやすく記されている。
そちらには、「あらぎ島」のライブ画像もリンクされているので、行かれる前にご覧いただくと、現時点の棚田の様子も分かるのでお勧めだ。
「あらぎ島」へのアクセスと専用駐車場について
この話も上記のサイトに詳しく紹介されているが、ここでは筆者の経験をあわせて紹介したい。
というのは、「あらぎ島」の展望台の横には健常者用の駐車場はなく、そこからは見えないが、すぐ近くに広々とした専用の駐車場が用意されている。
だが、そのことを筆者は知らなかった。
「あらぎ島」はそこそこメジャーな観光地なので、有田インターからの一本道になる、国道480号から分かりやすい誘導路があるだろう…
と、よく調べもせずに、グーグルナビを頼りに出かけたのだが、それが大失敗のもとだった(笑)。
ただ筆者はこれまでも何度かグーグルナビには苦い思いをさせられているので、間一髪やばい道に進む前に気づいて、事なきを得ている。
万一、筆者と同じ過ちを犯してしまった時は、グーグルナビが指示する曲がり角を無視して、もう少し国道480号を高野山方面に直進すると、このサインが出てくる。
なんや、あるやんか! ちゃんとした案内表示が(笑)。
だが、もっといい道が別にある。
それは「道の駅 あらぎの里」のすぐ手前の三叉路だ。
ここにも案内表示があるのだが、見た目の道幅が狭く、「クルマで行けるのかな?」と疑いたくなるが、通ってみるとそうでもない。
そして「あらぎ島」に行く途中にあるカフェの向かい側に、未舗装ながらトイレまで用意された、さきほどの無料駐車場が用意されている。
なお、「蘭島及び三田・清水の農山村景観」をゆっくり見たいという人は、「道の駅 あらぎの里」の奥の未舗装の駐車場にクルマを駐めて、そこから歩くことも可能だ。写真の奥の白いガードレールの道が、マップのグリーンの道になる。
これで無事に「あらぎ島」の展望台には辿り着けると思うが、次に知りたいのは車中泊事情だと思う。
ロケーション的には、誰が見たって「道の駅 あらぎの里」で車中泊をするのが妥当に思えるわけだが、果たしてどうだろう…
「あらぎ島」の車中泊事情
ご覧の通り、「あらぎ島」に通じる国道480号沿いには、車中泊に使えそうな3つの道の駅がある。
ここで最優先に考えることは、どの時間帯に「あらぎ島」に行きたいのかだ。
早朝や夕方の光景が見たいなら、一番近くにある「道の駅 あらぎの里」に泊まるのがベストであることに間違いはない。
だが、日中となると事情が変わる。
なぜなら「あらぎ島」の界隈には、抱き合わせられる観光地が見当たらないからだ。
「どうせ見るところがないのなら、そのあたりで1日のんびり過ごすか」という人には、「道の駅 あらぎの里」から約4キロ・クルマなら5分ほどのところにある、「道の駅しみず」のほうがいいと思う。
ここは2022年の7月に、「W.A.S. river side nature terrace」としてリニューアルされている。
それはそれでいいのだが、肝心の道の駅は2023年5月時点では”手つかずのまま”というよりは、放ったらかしに近い状況で、営業もしていなかった(笑)。
ただ「道の駅しみず」は、プールや日帰りバーベキューエリアがあり、もともと長居がしやすい環境だ。
駐車場はフラットで広く、車中泊そのものに支障はない。
トイレは駐車場から多少離れているものの、ウォシュレットが完備している。
敷地も広く、まともに運営できれば、大化けする可能性を秘めたロケーションだけに、現在は「もったいない物件」のひとつだと思う。
余計なおせっかいだが…
キャンプの市場性をよく知る人間なら、ここでグランピングはまずやらない。
グランピングをする人間は、自然はどちらかといえばホドホドで良く、それよりもリゾートチックなゴージャスさと利便性を施設に期待している。
つまり、こういうのが好き(笑)。
日の当たらない屋根の下にあるテニスコート跡をキャンプ場にしても、普通は誰も喜ぶまい。
だが、このほうが嬉しい人はいる。
ライダーやサイクリストはもちろんだが、夕方来て朝には立ち去りたい車中泊の旅人も、仮に雨が降っても困らないこのロケーションは歓迎だ。しかもこの広さがあれば、オフ会もできるだろう。
また”災害時に役立つ、全天候性で車中泊OKの日本初の避難所”と謳えば、マスコミも喜んでやってくる。
加えて、何もない河原をマニアックな聖地に仕立て上げた、素晴らしいお手本が御坊市にあるのだから、役場の担当者は一度「野口オートキャンプ場」まで話を聞きに行くといい。
相乗効果で、驚くほどキャンピングカーが来てくれるかも(笑)。
なお、有田方面まで引き返して車中泊をするのなら、「道の駅 明恵( みょうえ)ふるさと館」より、無料で24時間利用できる「湯浅観光用駐車場」のほうが、翌日の観光だけでなく車中泊にも適している。
「道の駅 明恵ふるさと館」には、これといった特徴はなく、トイレはウォシュレットになっているものの、可燃物のゴミ箱は見当たらない。
そのうえ駐車場の大半が傾斜しており、車中泊に適しているとは思えなかった。
「道の駅 あらぎの里 」の施設
さて。
車中泊旅行者にとって、「あらぎ島」から一番近い「道の駅 あらぎの里」の泣き所は、この傾斜がある駐車場だ。
駐車場はトイレも近いここにもあるが、やはり同様に傾斜がある。
ショートステイでただ寝るだけという人は、気にならないかもしれないが、キャンピングカーのように車内で食事をしたい場合は、ちょっと厄介だと思う。
ちなみに「道の駅 あらぎの里」の食堂は、3月から10月は17時30分まで営業している。メニューは定食を含めてどれもヘルシーで、値段はほとんど1000円以下と中高年にはありがたい。
ただ売店は雑貨が多く、弁当・惣菜類は見当たらなかった。
到着時間が遅かったので、もしかしたら完売してしまったのしれない。
最後は24時間トイレだが、ウォシュレットを完備していて、清掃もよく行き届いていた。可燃物のゴミ箱がないのは残念だが、この道の駅のスタッフは接客も丁寧で、総じて印象は悪くない。
ただ「あらぎ島」に来る人の大半が立ち寄ると思うので、明るい時間帯から駐車場に居座るのは、けして居心地の良いものではないだろう。
「道の駅 あらぎの里」の車中泊好適度
「道の駅 あらぎの里」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横に設置
「道の駅 あらぎの里」の最寄りの温泉&買物施設
しみず温泉 健康館
約3キロ・クルマで5分。
☎0737-25-1126
おとな700円
11時~20時
水曜・木曜 定休
コンビニ
10キロ圏内にはなし
スーパーマーケット
コンビニ程度の「清水ショッピングセンター」まで約3キロ。
「道の駅 あらぎの里」のアクセスマップ
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「アラ還」からの車中泊


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