「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊で訪ねた名湯レポート
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国の温泉地の車中泊事情や温泉情緒、観光、グルメにいたる魅力を再評価し、「車中泊旅行者の目線」から紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

~ここから本編が始まります。~
有馬温泉は行く価値ありの温泉地だが、車中泊地は別にするのが得策。

「有馬温泉」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.12.04
2014.12.02
2015.12.12
2016.11.25
2026.01.18
※有馬温泉での現地調査は2026年1月が最新です。
有馬温泉 車中泊旅行ガイド 序章

有馬温泉の歴史と概要

「有馬温泉」は、「白浜温泉」(和歌山)・「道後温泉」(愛媛)とともに「日本三古湯」として「日本書紀」にその名を連ねる『古湯の中の古湯』だ。
その歴史は、国造りの神様「大己貴命=大国主命」と「少彦名命」がこの地を訪れた際に、傷ついた三本足のカラスが湯溜まりで傷を癒しているのを見て、そこが”霊泉”であることに気づいたことから始まると伝えられている。
いっぽう史実では、飛鳥時代の631年に「舒明天皇」、647年に「孝徳天皇」がこの地に行幸し、温泉の整備や宿泊施設(温泉行宮)を整えたとの記録が残る。
年号でお気づきのように、「孝徳天皇」は645年の有名な「乙巳の変(我々が習った頃は大化の改新)」によって即位し、都を奈良の「明日香宮」から、大阪城の隣にあった「難波宮」に遷都した実在の天皇だ。

その後も様々な人物が「有馬温泉」を訪れ、やれ「三名泉」だの「三古泉」だのと書き残しているが、要は昔から有馬のお湯は、皇族・貴族・武士・文化人らに愛され続けてきた。

中でも、とりわけ愛着の深かった人物が、”太閤”こと「豊臣秀吉」だが、これ以上は話が長くなるので、続きを以下の記事にまとめている。
折しも2026年は、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」が放送される。
大河ドラマで「豊臣秀吉」が大きく取り上げられるのは、1996年放送の「秀吉」以来だけに、「有馬温泉」にも再び脚光が当たるかもしれない。

こちらはさきほどの「秀吉」の坐像と、有馬川を挟んで向かい合うように立っている「寧々」の像で、晩年は「北政所」と呼ばれた「秀吉」の正室だ。

出典:NHK
「豊臣兄弟」では、2023年放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」で、ヒロインの「寿恵子」を演じた「浜辺美波」が演じている(笑)。
さて、「どうする家康」「べらぼう」で数字を落とした「大河ドラマ」でも、再び視聴率回復の女神様になれるだろうか…
有馬温泉って何がいいの?

最大の答えはこの「金の湯」にある。
正しくは茶褐色に濁った「金泉」だが、その理由を知れば、誰もが「ほ~!」となるのは間違いない。
金泉の正体は、約600万年前の太平洋(南海トラフ付近)の海水

出典:有馬温泉
「有馬温泉」は、活断層である有馬高槻構造線の西端にあるため、地下深くまで岩盤が割れており、その割れ目から温泉が噴出していることは早くから分かっていた。
『周辺に火山がないのに、地中深くのマントル近くで熱せられた高温・高濃度の温泉が湧き出す、日本でも特異な温泉』のひとつなのだが、近年になってその「金泉」の元が「瀬戸内海」ではなく、太平洋(南海トラフ付近)の海水であることが解明し、再注目を浴びている。

研究によると、「フィリピン海プレート」が日本列島のある「ユーラシアプレート」に沈み込む際に海水が巻き込まれる。
「太古の海水」は、強い圧力を受けると鉱物と結合し、岩石の一部に変化する。
その岩石がマントルで熱せられると水蒸気が分離し、実に600万年の時を経て、「有馬」の地表に噴き出てくるというのだから驚きだ。
「金泉」の正式名は「含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉」で、鉄分と塩分を豊富に含み、空気に触れると赤褐色(茶褐色)になる特徴がある。
海水よりも高濃度の塩分が、肌に膜を作ることで保湿を持続させ、鉄分が体を芯から温め、カルシウムイオンやメタケイ酸も豊富で、冷え性、関節痛、皮膚疾患、疲労回復などに効果が期待できるという。
本来「有馬温泉」は、この特別なお湯を味わってみたい人にお勧めなわけで、極端に云えば、『それも知らずに有馬温泉に行ってどうするの?』という話。
一緒に行った家族や友人に話せば、尊敬の眼差しで見られるかもね(笑)。
有馬温泉はどこにあるの?

出典:有馬温泉 角の坊
さて。
少しは「有馬温泉」の見方が変わってきたところで、遠方から来られる旅人のために、大まかにその場所を説明しよう。
『関西の奥座敷』と呼ばれ、六甲山の北側に位置する「有馬温泉」は、大阪市内からクルマで1時間足らずのところにある。
具体的なマイカーアクセスルートは、
❶大阪方面から
近畿道 → 中国道 → 西宮山口JCT → 阪神高速7号北神戸線 → 西宮山口南IC → 有馬温泉。
❷神戸・姫路方面から:
中国道 → 西宮北IC → 県道82号線、98号線を経由。または、阪神高速7号北神戸線 → 有馬口IC → 県道51号線を経由。
ここまではカーナビが案内してくれるからいいとして、渋滞時(特に大型連休)は、芦屋から有馬へ抜ける「芦有ドライブウェイ(有料)」の利用がスムーズで、渋滞回避に有効だ。

ちなみに筆者は中国自動車道・吹田インターの近くに住んでいるが、うちから行く場合は、約30キロの道のりを、中央環状線と国道176号で「宝塚」に出て、そこから「有馬街道」を走り、約1時間で行くことができる。
なお高速道路を利用する場合、上記のルートだと高速料金が平日なら3000円(ETC割引だと1350円)になるが、中国自動車道の「西宮北インター」で下車すれば、曜日・時間帯にかかわらず1130円で済む。
10キロほど余計に走るが、平日の高速料金差が大きすぎるのでご注意を。
同じように「有馬温泉」をガイドしてくれるなら、こういうことを書いてくれるサイトを頼りにしたくなるのは、筆者だけだろうか(笑)。
車中泊で行く有馬温泉「居心地度」チェック!

次に、筆者が気になるのはこの話。
なぜなら今は、車中泊旅行者は温泉地であまり歓迎されているとは云えないからだ。
いくら名湯も、居心地が悪ければ、行動には注意が必要になる。
判定結果は以下の通り。
正直これは、けしていい数値ではなく、結論を云ってしまえば、『有馬温泉はお宿に泊まるか、日帰りで楽しむほうが無難』な温泉地だ。
有馬温泉 車中泊旅のワンポイント・アドバイス

そして「居心地」を踏まえた、「有馬温泉 車中泊旅」のワンポイント・アドバイスがこちらになる。
●共同浴場の「金の湯」・「銀の湯」には、お得な共通割引券がある。
●温泉街の「湯本坂」には、「有馬温泉」ならではのグルメとグッズが揃う。
●車中泊は可能だが、好適地と呼べるところは見当たらない。だが、近くに道の駅はある。
●滞在はワンデイが妥当。神戸や淡路島と抱き合わせて観光するのがお勧め。
有馬温泉 車中泊旅行ガイド

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