歴史が好きで経験豊かな「車中泊旅行家」が、「黒壁スクエア」へのマイカーアクセスと、その駐車場事情を分かりやすく紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊歴史旅行ガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づきまとめた、『一度は訪ねてみたい日本の歴史舞台』をクルマで旅するためのガイドです。

~ここから本編が始まります。~
長浜城下町の一画にある「黒壁スクエア」には、歴史ファンも喜ぶ”おいしい周り方”がある。

黒壁スクエア DATA
黒壁スクエア
〒526-0059
滋賀県長浜市元浜町12番38号
☎0749-65-2330
10時~17時
黒壁ガラス館 定休日なし
駐車場あり
「黒壁スクエア」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.10.19
2009.02.26
2019.01.19
2020.06.29
2022.11.06
2026.03.19
「黒壁スクエア」での現地調査は2026年3月が最新です。
黒壁スクエア

PR-TIME
これまでなかったバッテリー内蔵で、電源なしでも最大12時間まで利用できるスグレモノの冷凍冷蔵庫を割引価格でご紹介。これなら冷凍のお土産も買って帰れちゃう!
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集
黒壁スクエアとは

「黒壁スクエア」は「長浜城」を取り囲んでいた城下町の、町人エリアに残る伝統的建造物群をリノベーションしたエリアの総称で、単独の施設ではなく、京都の祇園や倉敷美観地区と同じく、『町全体が観光スポット』になっている。

「黒壁スクエア」の名前は、その中核施設である「黒壁ガラス館(旧・第百三十国立銀行長浜支店)」の外壁が、昔から黒漆喰で塗られていたため、地元では「黒壁」の名で親しまれていたことに由来している。

「(旧・第百三十国立銀行長浜支店)」のリノベーションから始まった、この『長浜の町おこし』は、周辺の古い町並み一帯に派生し、現在はガラス工芸店、吹きガラスなどの体験工房、美術館・ギャラリー、そしてカフェや食事処に土産店など、多くの店舗や施設が軒を連ねている。

年間約200万人近い観光客が訪れるまでに成長した、この滋賀県随一の人気観光スポットで、『何が買えて何が食べられるか?』に興味のある人は、こちらの公式サイトで確認を(笑)。
そのような入れ替わりや変化の激しいコンテンツは、本来当事者がPRするのが筋だし、たとえやりたくても、広報からタイムリーに情報提供が得られない個人の解説サイトが、その流れの速さについていけるはずがない。
長きにわたって、より多くの人に読んでいただくことを主眼とするホームページは、SNSと違って『本日のクチコミ』みたいなワケにはいかない。
ただ、間違いなく云えるのは、
「長浜城」と同じく「黒壁スクエア」も、大人にとっておもしろいのは、その「誕生のあらまし」だ。
黒壁スクエア 誕生のあらまし

出典:日系ビジネス
※写真はイメージで長浜商店街ではありません。
多くの地方都市がそうであったように、1980年代の長浜市内でも、かつての賑わいの中心であった商店街は、次々に誕生する大型スーパーや量販店などの郊外型大型店舗に押され、空洞化が進行していた。
それに輪をかけるように、明治時代の建造物である「旧:第百三十国立銀行長浜支店」に、ついに解体の話が持ち上がった。
しかし今、地域の象徴的存在を失えば、さらに町が衰退するという強い危機感を持つ地元の有志や商工関係者が結束し、この歴史的建造物を保存すべく、1988年に第三セクターの「黒壁株式会社」が誕生する。

「黒壁株式会社」は、守リ抜いた建物をリノベーションし、ガラス工芸の展示・販売、さらに工房や体験施設を組み合わせた「黒壁スクエア」を開業。
「ガラス文化」を軸にする、町おこしをスタートさせた。
それが当時の時流にジャストフィットし、「黒壁スクエア」は「町おこし」の成功事例として一躍有名になる。
普通はここで『めでたし、めでたし』となるのだが、何かどこか引っかかることはないだろうか…
そう、それは『なんで長浜がガラスなんだ?』という話。

ここで思い出すべきは、「黒壁スクエア」の目的は『古い町並みを生かして町おこしをすること』で、地場産業の維持・復活ではなかったということ。
もともと長浜には、陶磁器も江戸時代からのガラス産業もない。
つまり商材は『一番成功確率が高いと思われるもの』でよく、それが当時はガラスだったというわけだ。
この時、「背水の陣」に立つ「黒壁株式会社」が考えたのは、
●他の観光都市と競合しないもの
●視覚的に魅力があるもの
●展示・販売・体験がしやすいもの
だったというが、確かにガラスはその要件を満たすだけでなく、重厚な黒壁の洋風建築にもマッチする。
さらに、全国に作家・職人がいるガラス工芸は、外部から人材を招聘でき、地元に素地がなくても成立するうえ、街全体をギャラリー化することもできる。

そのあたりの思考性は、「浅井家」を滅ぼして新たな北近江の領主となった「秀吉」が、難攻不落だが発展性の見込めない「小谷城」ではなく、水陸の交通の便に優れた琵琶湖湖畔の「今浜」を、ゼロから整備して「長浜城」と城下町を築き上げたこととよく似ている。
少し余談になるが、

出典:浜縮緬工業協同組合
「長浜」の伝統的な地場産業は、江戸時代から続く「浜ちりめん」と呼ばれる高級絹織物だ。

出典:NHK
「浜ちりめん」は、2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう」で、花魁(おいらん)を見事に演じた「小芝風花」が主役を演じる、同じNHKのドラマ「あきない世傳 金と銀」に登場するので、ご覧の方はピンと来ているかもしれない。
ドラマに登場する「花ちりめん」の産地「江州波村(さばなみむら)」は、現在の長浜市に隣接する、滋賀県の米原市あたりになるという。
黒壁スクエアの”おいしい周り方”

さて。
ここからは、”筆者なり”の「黒壁スクエア」の周り方を紹介しよう。
”筆者なり”ということは、すなわち歴史絡み(笑)になるわけだが、「黒壁スクエア」に行くなら、その前にぜひ本来の「長浜城」の魅力を知っておいていただきたい。
前述したように、「黒壁スクエア」は「長浜城」の城下町の一画にあり、もともと関係の深い土地柄だ。
なお「黒壁スクエア」の駐車場については後述するが、「長浜城」のある「豊公園駐車場」は、普通車446台を収容し、3時間まで無料で利用できる。

「長浜城歴史博物館」から「黒壁カラス館」までは約1キロ、歩いて15分ほどだが、そこまでの道中にも見どころがあるので、筆者はここにクルマを停めたまま、以下のルートでアクセスしている。

「黒壁スクエア」へは「長浜駅」を超えても行けるが、「黒壁ガラス館」へは遠回りになる。

近道は、JRの線路を人道トンネルでくぐるこの道だ。
お勧めの散策ルートと見どころ

さきほどの人道トンネルを抜けると、❶の「豊国神社」がすぐ見えてくる。
❶豊国神社

「豊臣秀吉」を祀る「豊国神社(豊國神社)」は、生まれ故郷である名古屋の「中村公園」、「大阪城公園」、そして亡くなった京都の「東山」など、全国各地にあるが、「秀吉」に強い恩義を感じている「長浜」では、京都にならって逸早く建立されている。
しかし徳川幕府の政権下では、「秀吉」を神格化することが許されず、「豊国神社」は京都とともに取り壊されてしまうのだが、1920年(大正九年)に再建された。
「長浜」には、城下町整備の折に商人を集める施策として、「羽柴秀吉」から『地租税免除の朱印状』が発行され、それが幕末まで続く大きな恩典になった経緯がある。
❷黒壁スクエア

「豊国神社」の前の道をまっすぐ進むと、❷の「黒壁ガラス館」の四つ角に出る。
このあたりが、ガラス関係のショップやミュージアムが集まる「黒壁スクエア」の中心で、いちばん観光客で賑わう場所だ。
上のマップでは、その後「北国街道」を右方向に進み、「親子丼」で有名な「鳥喜多」を目指しているのだが、時間があるなら、逆に「北国街道」を左折して、「長浜城」の遺構が残る「大通寺」まで足を伸ばしていただきたい。
大通寺 ※マップ番外編

マップには収まりきれなかったが、「大通寺」は「黒壁ガラス館」から約450メートル・徒歩で5.6分のところにある。
「大通寺」は真宗大谷派(東本願寺)の別院で、重要文化財の本堂は、「豊臣秀吉」が築いた伏見城の殿舎を移築したものと伝えられており、桃山時代の豪華な装飾や狩野派の障壁画が見られる。

また「大通寺」の「台所門」は、「長浜城」の「大手門」を移したものと云われている。
ただこちらは扉金具に天正16年の銘があることから、「山内一豊」が城主時代のものである可能性が高いという。

ちなみに2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟」のドラマ館は、その「大通寺」の総会所に設けられている。
❸鳥喜多

そろそろお腹も空く頃だと思うので(笑)、1931年(昭和6年)創業の長浜の行列店「鳥喜多」をご紹介。
筆者にとっては、「鳥喜多」がこの散策コースのメインスポットと云ってもいいほど、この店の「親子丼」と「かしわ鍋」のうまさは際立っている。

「生玉子の黄身がドン!」と、センターに鎮座している親子丼を初めて見たが、玉子を割ってマゼマゼしても、しっかりつゆの味がノッている。
かといって、生玉子のついてない部分の味が濃いかと云えばそうでもなく… 何やら不思議な味付けだが、これが実に美味だ。
気になるプライスは、2026年3月時点で850円。それでも観光地にすれば良心的なほうだろう。
ただし、女子でもペロリと平らげられる量なので、男子は単品だけだとたぶん物足りないと思う。

実は「親子丼」以上にウマいと感じたのは、こちらの「かしわ鍋」650円だ。
レンゲにのったショウガを溶かして食べると、サッパリ感がさらにアゲアゲ。
俄然食欲も湧いてくる。
ただし「かしわ鍋」は単品だと、アッという間に食べ終わる(笑)。
そこで小ライス350円を一緒に頼んで、最後に「茶漬け」というか「雑炊」でいただいたのだが、これが実にウマかった!

青年男子なら「親子丼」+「かしわ鍋」+「小ライス」でオーダーしても完食できると思うので、ぜひお試しを。

昼:11時30分~13時30分
夜:16時30分~18時30分
火曜定休
予約不可鳥喜多
☎0749-62-1964
公式サイトなし。食べログはこちら。
❹JR長浜駅

JR長浜駅前には、城主だった秀吉と、後にその「懐刀」となる「石田三成」の、ちょっとマニアックな銅像がある。
それは両者の出会いのエピソードとされる「三献の茶」をイメージしたもので、歴史に興味のある人には、それなりに感慨深いはずだ。
「三献の茶」とは…
「三成」が「羽柴秀吉」に初めて出会った際に出したお茶のこと。
汗をかいた様子の「秀吉」を見て、一杯目は大きな茶碗にぬるいお茶をなみなみと、二杯目は先ほどよりも少し熱いお茶を茶碗に半分ほど、三杯目は小さな茶碗に熱いお茶を入れて出した気配りが、後日家臣に登用されたきっかけとなったという。
黒壁スクエアの駐車場

最後は、「黒壁スクエア」の最寄りの駐車場「黒壁直営駐車場(お旅所駐車場)」について。
「豊公園」から歩くのが辛い人には、ここがベストなのは確かだが、普通車の収容台数は約30台で、車高も2.4メートル程度までになる。
料金は平日が30分150円、土日祝は30分200円、営業時間は8時から20時だ。
平日の10時までなら入庫できるかもしれないが、後は運次第(笑)。
今は周辺にコインパーキングも増えているが、間違いなく無難なのは、前述した「豊公園駐車場」だろう。
琵琶湖きってのデートコースと云える「黒壁スクエア」には、思っているよりずっと多くの若者たちがやって来る(笑)。
湖北 車中泊旅行ガイド

琵琶湖 車中泊旅行ガイド

車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門
この記事がよく読まれています。




























