「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊で訪ねた名湯レポート
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国の温泉地の車中泊事情や温泉情緒、観光、グルメにいたる魅力を再評価し、「車中泊旅行者の目線」から紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

~ここから本編が始まります。~
湯村温泉は、城崎温泉とは対象的な温泉情緒を持つ、”昔ながら”の温泉地

「湯村温泉」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2011.02.26
2013.09.14
2015.11.28
2018.12.02
2020.02.09
2026.04.19
※湯村温泉での現地調査は2026年4月が最新です。
湯村温泉 車中泊旅行ガイド

湯村温泉の日帰り入浴施設
湯村温泉の主な見どころ
湯村温泉の駐車場

「湯村温泉」は、兵庫県北部の日本海にほど近い「但馬」地方にある古くからの温泉地だが、京阪神から高速道路が通じていないため、お世辞にも行きやすい場所にあるとは云えない。
それは同じ「但馬」にある「城崎温泉」と比べれば一目瞭然。1泊2日の場合、この移動時間の差はかなり大きい。
そのため、いわゆる温泉目当てでこの地を訪れるのは、そこそこの温泉好きか、リピーターが大半だ。
ただ「但馬」を旅する人の中でも、とりわけ「ロード・トリップ」と呼ばれる車中泊によるクルマ旅を楽しんでいる人にすれば、「湯村温泉」はけして悪くない立地にある。
「舞鶴自動車道+北近畿豊岡自動車道路」で但馬に入り、日本海沿岸を周って「鳥取自動車道+中国自動車道」で戻る、あるいはその逆を辿れば、「湯村温泉」はちょうど旅の中間地点に当たる。
湯村温泉って何がいいの?
単刀直入に云うと、「湯村温泉」の魅力のキーワードは「昔ながら」だ。
近畿地方の有名な温泉地は、「南紀白浜温泉」「南紀勝浦温泉」「有馬温泉」「城崎温泉」と、和歌山県と兵庫県に集中しているが、「湯村温泉」は兵庫県にあるとはいえ、知名度で云えばこの4つに比べると明らかに低い。
その理由に立地が大きく影響しているのは否めないが、それ以上に「湯村温泉」は宣伝が苦手なようだ(笑)。
温泉地としての歴史と由緒、さらに湯量を比べれば、どちらかと云えば「城崎温泉」よりも「湯村温泉」のほうがランクは高いと思うのだが、「城崎温泉」はうまく現代人のニーズにマッチした温泉町へと脱皮したが、「湯村温泉」はそれに”乗り遅れた”感がある。
車中泊で行く湯村温泉
居心地度・総合評価 4.0
続いて筆者の「湯村温泉」に対する総合評価をご紹介。
湯村温泉 車中泊旅の
ワンポイント・アドバイス
湯村温泉の歴史とお湯
開湯伝説:
平安初期の嘉祥元年(848年)、慈覚大師(円仁)によって発見されたと伝えられているが、そのいっぽうで、奈良時代の木簡に温泉に関する記述が見つかっており、実際にはさらに古い時代から存在していた可能性も指摘されている。
荒湯(あらゆ):
温泉街の中心にある元湯で、毎分470リットルの高温の湯が湧出しています。古くから庶民が卵や野菜を茹でるなど、生活に密着した場として愛されてきました。
98度の熱湯が湧き出ており、この源泉で温泉卵、野菜、山菜などを茹でる「荒湯体験」が有名です。
重曹成分によりアクが抜け、野菜の色が鮮やかになり、まろやかな味になります。
泉質としては、「ナトリウム – 炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉」
ph7.29で、アルカリ性も強くないので、肌への負担も少なく、入りやすい温泉
肌に優しい弱アルカリ性(重曹成分含む)の「美人の湯」として知られています。無色透明で、肌の古い角質を落とす「すべすべ感」と、高い保温効果による「湯冷めしにくさ」が特徴です。
湯村温泉の源泉は、中心となる「荒湯(あらゆ)」を共有する「共同(共有)」が基本です。
基本は共同管理: 約98度の「荒湯」や「株湯」など、地区の共有財産として管理されています。
配湯システム: 荒湯から各旅館や一般家庭へお湯を引き湯(配湯)しており、湯村温泉街全体に温泉が行き渡っています。
慈覚大師(円仁)とは
慈覚大師(円仁・えんにん、794~864)は、平安時代初期の天台宗の僧で、比叡山延暦寺の第3代座主。最澄に師事し、唐へ渡って10年間修行して本格的な密教(「新密」)を持ち帰り、日本天台宗の確立と発展に貢献しました。
15歳で比叡山に登り、最澄の弟子となりました。
838年(承和5年)、遣唐使船で唐へ渡り、五台山や長安で約10年間にわたり仏教を学び、最新の経典や密教の教えを修得しました。
松島・瑞巌寺、平泉・中尊寺、山形・立石寺など、全国の多くの寺院を創建・再興したと伝えられています。
慈覚大師円仁が実際に湯村温泉を開いたという「史実」は確認されておらず、
伝説・伝承の可能性が高いと考えられています。
円仁は主に
比叡山(京都)
唐(中国)
関東・東北
などで活動しており、
但馬地方(現在の兵庫北部)との直接的な関係は薄いです
温泉の由緒を高めるための後世の語りであることが多いです。
湯村温泉の日帰り入浴施設
薬師湯
リフレッシュパークゆむら
滝風呂や洞窟風呂、酒樽風呂などがあり、家族旅行でも楽しい(※水着が必要)
・年中楽しめる室内温水プールもあり、雨の日でも安心(※水着が必要)
・但馬ビーフを堪能できる「レストラン楓」併設
佳泉郷 井づつや:贅沢な露天風呂や大浴場が自慢の宿。
湯村温泉 朝野家:大浴場や露天風呂、貸切風呂などが利用可能。
湯村温泉 三好屋:四季折々の景色を楽しめる露天風呂がある。
湯村温泉郷 御宿コトブキ:情緒ある温泉を楽しめる。
とみや:アットホームな雰囲気で温泉を楽しめる。
湯村温泉の主な見どころと楽しみ方
クルマを停め、寛ぎながら長居ができるような場所はない。町営駐車場にクルマを停めて、温泉街を散策後、日帰り温泉で汗を流して移動するのが基本。
温泉街の散策だけなら約1時間、荒湯で温泉卵を作ったり、夢千代館に立ち寄って、日帰り温泉に行っても半日まではかからない。
モデルコース

観光交流センター駐車場に駐車
↓
夢千代館の前から天神通へ
夢千代館(立ち寄るなら行きが◯)
「夢千代日記」の中で描かれている、昭和20~30年代の懐かしい湯村温泉を再現
↓
荒湯
↓
ふれあい足湯
↓
夢千代像
荒湯の目の前にある「森下橋」を渡ると、夢千代像
↓
清正公園
湯村温泉の温泉街を見渡せる
およそ5分の山登りで絶景を見ることができる
アクセス
①荒湯から70メートルほど東にある湯村橋のすぐ南に小路がある。
②小路に入り10メートル弱ほど歩くと「清正公園」の看板があるので、右手の階段を登り、すぐに左に曲がる。
③道なりに進む。
④分かれ道がありますが、どちらから進んでも清正公園に到着します。
左の方が近道ですが、急な階段を登る。一方、右手だと距離は長くなりますが緩やかな上り坂。
どちらから進んでも5分ほど
↓
薬師湯
夢千代日記
未だに1981年に放送された
1981年といえば、あの「北の国」が初めて放送された年だが、いくら「吉永小百合」様が主演だったとはいえ、両者の知名度の差は歴然としている。
『夢千代日記』の舞台: 1981年にNHKドラマ『夢千代日記』のロケ地となったことで全国的に知名度が高まり、現在もドラマゆかりのスポットが観光名所となっていま
「夢千代日記」(吉永小百合主演)は、NHKで1981年2月15日から3月15日に第1作(全5話)が放送された。以降、続編、新と計3シリーズが制作。直近では2024年11月にNHK BSで再放送され、2025年1月には「続・夢千代日記」も再放送。
実際に現地に足を運んで見ると、そういうものに頼らなくても「いいところ」はたくさんある。
それをいい意味で磨き上げて行けば、「城崎温泉」にけして引けは取らない。
湯村温泉の町営駐車場
北駐車場か、観光交流センター駐車場がオススメ
北駐車場だと、温泉街中心部まで500メートルほどかかりますが、春木川沿いの遊歩道を散策しながら温泉街まで歩けますし、料金もリーズナブルですので、川沿いの景色を楽しむならオススメ
もっとも便利なのは、「湯村温泉」の中心にある日帰り温泉「薬師湯」に隣接した駐車場で、「荒湯」まで徒歩約3分にところにある。
湯村温泉観光交流センター駐車場
普通車
1時間まで200円
以降、100円/1時間
1日最大600円
※薬師湯利用者は2時間まで無料
その他では国道9号線沿いの「全但バス湯村営業所」の近くに「東駐車場」が、同じく国道9号線沿いの「JAたじま温泉支店」の京都側に「北駐車場」がある。
東駐車場
普通車
1日250円
※「荒湯」まで徒歩5分
北駐車場
普通車
2時間まで250円
以降、100円/1時間
入庫から24時間最大600円
※「荒湯」まで徒歩8分
湯村温泉の車中泊スポット
あえて「湯村温泉」の中で車中泊をする理由は見当たらない。
道の駅がいい人には、「道の駅 山陰海岸ジオパーク浜坂の郷」がお勧め。
但馬特産の和牛や、浜坂で手に入るカニなどの魚介類をアウトドアでいただくなら、草太園地キャンプ場がお勧め。
草太園地キャンプ場
オートキャンプ可能。1張1泊1,000円
開設期間 4月1日〜11月30日まで
受付場所 健康公園事務所(草太園地とは別の場所ですので事前に場所をご確認下さい)
受付時間 13:00〜17:00
(チェックイン13:00、チェックアウト12:00)
ごみ処理料(ごみ袋1枚) 55円
※管理人は常駐しません。
<休園日>
毎週木曜日(但し祝祭日は休園日なし)
※臨時休園日あり
但馬 車中泊旅行ガイド

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