25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、岩手県にある「歴史公園 えさし藤原の郷」に関する情報です。
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この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
行って驚く!「歴史公園 えさし藤原の郷」は、大河ドラマファン必見の、”聖地”と呼ぶに相応しい屋外ロケセット。

「歴史公園 えさし藤原の郷」 DATA
歴史公園 えさし藤原の郷
〒023-1101
岩手県奥州市江刺岩谷堂小名丸86-1
☎0197-35-7791
おとな1000円
3月~10月:9時~17時
11月~2月:9時30分~16時
ペット同伴禁止
広い無料駐車場あり
筆者の「歴史公園 えさし藤原の郷」の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2021.04.15
2025.05.29
「歴史公園 えさし藤原の郷」の現地調査は2025年5月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2026年3月に更新しています。
歴史公園 えさし藤原の郷

「歴史公園 えさし藤原の郷」とは

正直なところ、東北地方在住者を除けば、筆者と同じシニア世代でも、『それって、なんなの?』という人のほうが多いと思うが、「歴史公園 えさし藤原の郷」は、岩手県奥州市にある『平安時代の建物や街並みを再現した歴史テーマパーク』だ。
それだけだと、「な~んだ」で終わってしまうかもしれないが(笑)、

実はここは、あの世界文化遺産「平泉」の始まりから終わりまでを描いた、NHK大河ドラマ「炎立つ」の撮影のためだけにつくられた、驚くほどスケールの大きなロケセットの、”再利用施設”だ。

早い話が、京都太秦の「東映映画村」も驚く、”大河ドラマ版・スペシャルオープンセット”で、さすがにこれを見たら「HNKさん、ちょっとやりすぎでは。受信料取りすぎでしょう!」と思ってしまうほどの、規模とクオリティーを備えている(笑)。

ゆえにその後も数々の大河ドラマのロケに使われており、「炎立つ」を知らない世代でも十分楽しめるところだと思う。
だが問題は、
「炎立つ」は、そこまでお金をかけてまで作る価値がある作品だったのか…
だと思う。
この件については、ひとりの受信料を払っている日本国民として、「その価値あり!」と断言する。
ということで、ここからはその理由を含めて話を進めていこう。
大河ドラマ「炎立つ」

出典:Amazon
「炎立つ」は、1993年7月から1994年3月まで放送された32作目の大河ドラマで、原作は「高橋克彦」、脚本「中島丈博」。
主演は「渡辺謙」と「村上弘明」のダブルキャストで、その他の主な出演者は、「渡瀬恒彦」「里見浩太朗」「古手川祐子」「佐藤浩市」「野村宏伸」「時任三郎」「紺野美沙子」ほか。
奥州藤原氏の開祖「藤原経清」の生涯を描いた第一部、初代「藤原清衡」が奥州の覇者になるまでを描いた第二部、そして奥州藤原氏滅亡へと到る第3代「藤原秀衡」と、第4代「藤原泰衡」の時代を描いた完結編の三部構成となっており、「平泉」の歴史が本当によく分かる秀作だ。
以下のNHKのサイトでは、その予告映像を見ることができる。
実は筆者は、このドラマを見るまで、6度「平泉」に足を運んでいたのだが、なかなかその”真髄”に迫ることができずにいた。

「平泉」には「中尊寺」と「毛越寺」以外、ほとんど建物らしきものが残されていないので、現地に行っただけでは全容がさっぱり見えてこない。

出典:中尊寺
つまり「平泉」というところは、ありふれた観光ガイドを見て、中尊寺の「金色堂」を拝んだところで、所詮は「川の水面」を見ているだけに過ぎず、『世界遺産としての価値を理解する』までには至らない。

この中世の楽園都市を理解するには、『平泉という深い川の底』を流れる、奥州藤原氏が「浄土思想」に行き着いた経緯を知ることが不可欠で、それには「炎立つ」の第一部で描かれた「前九年の役」と、第二部で描かれた「後三年の役」を見るのが最善策であることに、「歴史公園 えさし藤原の郷」に来て初めて気がついた。

ここではボランティアの語り部さんが、その歴史を紙芝居で教えてくれる。

もっとも”受講者”は、筆者ひとりだけだったけどね(笑)。それだけにおばちゃん大喜びで、特別延長大サービスだった。
ただ、だからとって「平泉」に行く人に、「歴史公園 えさし藤原の郷」まで足を運べとは云わない。
今はいい時代で、30年以上前に放送された大河ドラマでも、「NHKオンデマンド」か、「U-NEXT」のNHKオンデマンドパックで、いつでも視聴することが可能だ。
料金は月額990円だが、U-NEXTでは無料トライアル期間を利用することもできるので、この大河ドラマを見て行けばOK。
と云っても35話あるので、1ヶ月で見るのはなかなかに忙しい(笑)。
それを乗り越え、満を持してまとめ上げたのが、こちらのオリジナル記事になる。
ここまでの話を整理すると、
世界遺産「平泉」の真髄に触れるには、大河ドラマ「炎立つ」を見てから行くのがベスト。そしてその「炎立つ」が撮影された野外のロケセットが、今も岩手県の江刺に残されており、そこでは近年の大河ドラマも撮影されている。

さて。
「歴史公園 えさし藤原の郷」はロケセットなので、「平泉」には既にないものや、簡単には見れないものが再現されている。

上の2枚の写真は「金色堂」のレプリカだが、できた時代はこの状態で「中尊寺」の境内に建っていた。

しかし今はこの「覆屋」の中にあるので、外からは見ることができないし、写真撮影は”もってのほか”だ。
国宝ゆえにその管理は超厳しい(笑)。

いっぽうこちらは世界遺産構成要素のひとつで、宇治の「平等院」を模して造営されたという「無量光院」のレプリカ。

だが実際の「平泉」では、発掘調査後の更地しか見られない。
大河ドラマの聖地と呼ばれる所以

ネットを見回しても、今のところ「歴史公園 えさし藤原の郷」を”大河ドラマの聖地”と呼んでいるのは、当サイトしか見当たらないのだが(笑)、以下の数字をご覧いただければ、そのことに納得がいくと思う。

「歴史公園 えさし藤原の郷」でロケが行われた歴代の大河ドラマで、分かっているのは以下の通りで、もしかしたらまだ漏れがあるかもしれない。
1990年代
●炎立つ(1993)
●花の乱(1994)
●秀吉(1996)
●毛利元就(1997)
2000年代
●北条時宗(2001)
●義経(2005)
●天地人(2009)
2010年代
●龍馬伝(2009年)
●平清盛(2012年)
●軍師官兵衛(2014年)
●真田丸(2016年)
●おんな城主 直虎(2017)
2020年代
●麒麟がくる(2020)
●鎌倉殿の13人(2022)
●光る君へ(2024)

どうです?
大河ドラマファンなら、ここは筆者ならずとも、一生に一度は訪ねてみたいと思うミュージアムでしょ(笑)。
「歴史公園 えさし藤原の郷」のロケーションとアクセス

「歴史公園えさし藤原の郷」は、「藤原清衡」が「平泉」を整備する前に居住していた、「江刺柵」の跡地に造られているのだが、「平泉」の「中尊寺」からは国道で約30キロ・40分と、思っているより離れたところにある。

「江刺」は「清衡」の父や一族が殺された因縁の地で、「後三年の役」でも激しい戦場となり、多くの戦死者が出た場所であったため、「清衡」は山に囲まれた盆地で、争いに巻き込まれにくい「平泉」を安住の地に選び、そこに「中尊寺」を建立したと云われている。
また「平泉」は当時の幹線道路である「奥大道」沿いにあり、北の津軽・蝦夷地方面と、南の多賀城・京都方面を結ぶ交通の要衝でもあった。

大河ドラマ「炎立つ」の視点に立てば、ドラマ全体の主役とも云える「清衡」にゆかりの深い、「江刺」が良かったのかもしれないが、この頃はまだ「平泉」が世界遺産に登録されていなかっただけに、せめて「平泉」の郊外に造っておけば、今とはまったく認知度も集客も違っていただろう。
ロケセットなので遠く離れた「江刺」にこだわる必要はなかったと思うが、「道の駅 平泉」を見れば分かるように、観光ビジネスに鈍感な「平泉」の行政が、首を縦に振らなかったのかもしれない(笑)。
『大河ドラマの聖地』として、毎回ここに「ドラマ館」を設置し、定期的に時勢に応じたリバイバルフェアをすれば、今のようなコンテンツでなくても、集客できるように思えるだけに、もったいない気がした。
このあたりは、商魂逞しい高知県や愛知県を見習ったほうが良さそうだ。
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