「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド

この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。

~ここから本編が始まります。~
「道の駅 奥津温泉」は、居心地が良く、思わず長居がしたくなる道の駅だが…

「道の駅 奥津温泉」 DATA
道の駅 奥津温泉
〒708-0503
岡山県苫田郡鏡野町奥津463
☎0868-52-7178
9時~17時
水曜 定休
標高約390メートル
「道の駅 奥津温泉」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第15回
登録日/1999年8月27日
1998年に「ふれあいセンター奥津温泉」としてオープン。
「道の駅 奥津温泉」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2013.09.15
2025.09.15
2026.01.17
「道の駅 奥津温泉」での現地調査は2026年1月が最新です。
道の駅 奥津温泉

「道の駅 奥津温泉」は、鳥取県との県境に近い鏡野町の国道179号線沿いにある。
「奥津温泉」は「湯郷温泉」「湯原温泉」とともに「美作三湯」の一画を成す「美人の湯」として紹介されているが、他の2つと違って高速道路から外れた山中に”孤立”しており、アクセスの悪さは否めない。

そもそも「美作三湯」自体が京阪神では知名度が低く、「奥津温泉」まで足を伸ばすのは、けっこうな温泉好きか、道の駅のスタンプラリー制覇を目指す人、あるいは近畿周辺の旅先に行き尽くした、ベテランの部類に入る車中泊の旅人くらいしかいないかもしれない(笑)。
ただ「道の駅 奥津温泉」には、このエリアでアウトドアを楽しむ人達もやってくる。

出典:鏡野観光局
「道の駅 奥津温泉」から約17キロ・20分ほど鳥取方面に登ったところには、「恩原高原スキー場」があり、昔からウインターシーズンには、その行き帰りにここで車中泊をする人がいる。

また10キロほど下ったところには「奥津湖」があり、2025年5月に「モンベルショップ」を併設する「みずの郷奥津湖・ビジターセンター」がリニューアルオープンを果たしている。
「奥津温泉」を擁する「鏡野町」は、新たな観光資源として、カヤック(カヌー)やSUP(スタンドアップパドルボード)を楽しむ「水上アクティビティ」に照準を合わせたようだ。
みずの郷奥津湖・ビジターセンター

「みずの郷奥津湖・ビジターセンター」は、垢抜けした若者向きの施設で、実際に行ってみると、まるで「道の駅」のようだったので、合わせて紹介することにした。

館内は観光情報・地域情報の発信と、カヤック体験・サップ体験・E-BIKEレンタルを受け付けるツアーデスクに加え、レストランと物産館で構成されている。

筆者が驚いたのは、むしろそれ以外の設備で、別館になったウォシュレット付きのトイレ、シャワー&更衣室、さらに可燃物用のゴミ箱まで置いてあったことだ。
道の駅と云われてもまったく違和感はなく、車中泊もできそうに思えたが、トイレにはこの張り紙がしてあった。

そりゃ、そうだろうね(笑)。
ただ施設の性格上、いずれここにRVパークができることは十分想定できる。
確かに「道の駅 奥津温泉」は、静かで車中泊にいいとは思うが、滞在拠点に利用するのは、現代の時流に反している。
ゆえにここにRVパークができれば、WinWinの関係が成立する。
さて。
ここからは「奥津温泉」の話をしよう。
奥津温泉の概要

出典:かがみの旅とくらし
奥津橋のたもとにある吉井川の川原で、伝統の「足踏み洗濯」が行われることで知られる「奥津温泉」は、川沿いに老舗旅館が立ち並ぶ穏やかな温泉地だ。
なんだかんだと見どころがある「湯郷温泉」と「湯原温泉」については、温泉地紹介の記事を書いているが、「奥津温泉」については、そこまでの見どころがないので、この道の駅の紹介記事に組み込むことにした。


ただし「足踏み洗濯」が行われてきた「洗濯場」は、2023年8月の台風7号による豪雨で流され、2026年1月に訪ねた時もまだ復旧工事中で、再開の目処はまだ立っていないようだった。

出典:ニフティー温泉ニュース
こちらが在りし日の洗濯場。

「奥津温泉」の歴史は、1200年以上前に「慈覚大師・円仁」がこの地を訪れた際に、湯が湧き出ているのを発見し、薬湯として広めたのが始まりとされている。

「奥津温泉」は戦国時代に、周辺の武将たちが傷を癒す湯治場として利用され、江戸時代には岡山藩の保護を受け、庶民にも解放されて発展した。
その頃から『女性の肌をなめらかにするお湯』と評判となり、「美作の美人湯」として知られるようになる。

さらに明治・大正期には旅館が整備され、文人や文化人も訪れる温泉地になったが、昭和以降はその山深い立地から開発が進まず、「奥津温泉」は派手さはない、町並みも素朴、しかし泉質と風情は良いという”数少ない特性”を持つ温泉地となった。
本来ここでは、四季折々の景色と川の音を味わいながら散策を楽しみ、日本でも数少ない「足元湧出」が体験できる奥津荘の「鍵湯」に入湯したり、山菜・川魚・地元野菜中心の食事を味わったりするのが“お勧めのコンテンツ”になる。

ただ現在は「吉井川」を挟んだ対岸に、1998年(平成10年)12月に苫田ダム建設に伴う地域振興策として整備された、大規模な日帰り入浴施設「花美人の里」があるので、訪れる大半の人はそこに足を運んでいる。

総事業費38億円をかけて作られた「花美人の里」は、岡山市内に残る「吉備津神社」のような長い廻廊を持つ、”場違い”とも思える巨大施設だ。

もともと奥津温泉の共同温泉施設ではないようだが、館内はもはやスーパー銭湯と呼ぶほうが相応しい。
「奥津温泉」のお湯は、無味・無臭で透明なpH9.2のアルカリ性単純温泉と書かれているが、筆者が入湯した日は特有のヌメリ感はなく、さらにちょっと気分が悪くなるほどお湯の匂いがきつくて残念だった。
塩素消毒剤の使用や循環ろ過に関する情報は、公式サイトには明確に記載されていないようだが、源泉かけ流しでないことは間違いあるまい。
ただ温泉の状態は日によって違うものだ。
他の利用者の口コミを読むと、筆者と同じ感想の人もいるが、好感を抱いた人もいるので、この日はたまたまそうだったのかもしれない。

筆者の経験上、ここを車中泊の旅先に盛り込むのなら、「奥津温泉」は岡山県の温泉地より、鳥取県の「倉吉」の町と、「はわい・東郷温泉」「三朝温泉」と組み合わせたほうがおもしろく、その帰路に立ち寄るのがいいと思う。

上のマップには「道の駅 三朝楽市楽座」が出ているが、この道の駅は事実上”閉鎖状態”で、まともに営業はしていない。
「三朝温泉」から「道の駅 奥津温泉」までは、約35キロ・40分。国道179号一本なので、さほど苦労することなく辿り着ける。

こちらが「道の駅 奥津温泉」のレイアウト図で、駐車場は大きく2つのブロックに分かれている。

こちらが「やすらぎ広場」前の駐車場の、24時間トイレにもっとも近い場所。
だが大型車レーンに近いため、日によっては騒がしいかもしれない。

いっぽうこちらが、駅舎に近い「ふれあい広場」前の駐車場になる。
いずれも路面はフラットで、車中泊に支障はない。

24時間トイレは道路情報コーナーと隣接している。

中はウォシュレットの便座もあった。

道路情報コーナーは、美人が並んでいるので落ち着かない(笑)。

24時間トイレと物販飲食施設がある駅舎は、屋根付きの回廊で結ばれている。
駐車場からは少し距離があるものの、こういうスペースがあると、雨の日でも施設が開く時間を利用して朝食を食べたりできるので、車中泊の旅人にはありがたい。

そのうえここは、可燃物のゴミも24時間捨てられる。

ここが駅舎の入口になる。

入ってすぐに見えるのが、食事処「てっちりこ」。
2024年3月末で、道の駅の指定管理者が交代し、レストランの「おばちゃんの味 温泉亭」が閉店した後、新たにオープンした。

唐辛子を練り込んだ麺を使用した醤油スープの「てっちりこラーメン」や「辛みそラーメン」が人気のようだが、こういう定食類も食べられる。

鏡野町を中心とした岡山県北部では「やまめ」のことを「ひらめ」と呼び、吉井川には天然魚もいるが、養殖も盛んなようだ。
吉井川は、筆者が初めてフライフィッシングでネイティブの「やまめ」を釣り上げた川で、かつて奥津町にあった「山川草木キャンプ場」には何度か足を運んでいる。

また売店の一画には、こんなコーナーも。
これからも、奥津町の特産品が「唐辛子」と「やまめ」であることがよく分かる。

なお「道の駅 奥津温泉」には、駅舎の外にもう一軒「元気麺屋」というラーメン店があり、営業時間は10時から15時まで。
「道の駅 奥津温泉」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:屋外にあり24時間利用可能
缶・ビン・ペットボトル:同上

親切なことに、可燃物のゴミ箱は24時間トイレの入口にも置かれていた。

近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。 しかしそれを道の駅で食べると、残った容器はゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、 道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。 すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。


奥津温泉 花美人の里
道の駅から約800メートル。道の駅の裏の階段を降りれば近道を歩いて行けそうだが、帰りは上りになるので、クルマで行くほうがいいと思う。駐車場はかなり広い。
☎0868-52-0788
大人880円
10時~19時(受付最終18時)
木曜 定休
※温泉の館内に食事施設はないが、廻廊づたいにピザの専門店が隣接している。ただし営業時間は18時まで。
コンビニ
ローソンまで約6キロ
スーパーマーケット
大きな店は「PLANT-5 鏡野店」で、約20キロ・25分
奥津湖
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