車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、青森県にある名湯「酸ヶ湯温泉」の魅力をたっぷりご紹介。
「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊で訪ねた名湯レポート
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国の温泉地の車中泊事情や温泉情緒、観光、グルメにいたる魅力を再評価し、「車中泊旅行者の目線」から紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

~ここから本編が始まります。~
キャンプ場と無料駐車場を備えた「酸ヶ湯温泉」は、類稀な車中泊環境を有する名湯

酸ヶ湯温泉 DATA
酸ヶ湯温泉
〒030-0197
青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
☎017-738-6002
大人1000円(タオル付)
◆受付時間
大浴場「ヒバ千人風呂」(混浴)
7時~18時(受付最終17時30分)
※女性専用時間8時~9時
小浴場「玉の湯」(男女別)
9時~17時(受付最終16時30分)
※日帰り休憩所「御鷹々々サロン」「ねぶたロビー」の利用可
「酸ヶ湯温泉」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.07.19
2010.08.29
2012.05.02
2013.08.14
2015.07.15
2020.08.07
2024.10.21
「酸ヶ湯温泉」での現地調査は2024年10月が最新です。
酸ヶ湯温泉
酸ヶ湯のロケーション

出典:国土地理院
八甲田の主峰「大岳」の西麓に位置する「酸ヶ湯温泉」は、標高約900メートルの高地にある。

紅葉と新緑で名高い「奥入瀬渓流」の「石ヶ戸」休憩所から約26キロ、クルマで40分ほどあれば行けるので、そこでの散策を終えてから、疲れを癒やしに訪ねるにはちょうどいい。
おまけに「酸ヶ湯温泉」は、すぐ近くの無料駐車場で車中泊をすることが可能だ。
「ヒバ千人風呂」で有名な「酸ヶ湯温泉」の温泉話は、ネットで探せばいくらでも出てくると思うので(笑)、ここでは後回しにして、”車中泊クルマ旅のサイト”らしく、まずはそちらの話から進めよう。

「酸ヶ湯温泉旅館」から少し坂を登った場所には、無料の「酸ヶ湯公共駐車場」と、有料の「酸ヶ湯キャンプ場」がある。

ただ、「酸ヶ湯温泉旅館」にも専用の駐車場が用意されているので、これらは「八甲田山」に登山やアウトドアを楽しみにやってくる人たちに向けて用意された場所と考えるのが妥当だろう。
とはいえ、登山客も「酸ヶ湯温泉」には入湯する(笑)。
ゆえに「酸ヶ湯公共駐車場」で車中泊をするのは、やぶさかではない。
だが、無料の「酸ヶ湯公共駐車場」で「湯治ごっこ」を決め込み、長期滞在するのは、車中泊をする人間の目にも見苦しい。
湯治とは…

専門医から入浴方法や体調の維持管理の指導を受けながら、特定の病気や怪我の治療を目的に、長期間(少なくとも一週間以上)温泉地に滞留する医学療法のひとつ。
すなわち、癒しや観光目的の温泉旅とは根本的に異なり、いくら熱心な温泉ファンだとしても、温泉旅は他人の目にはレジャーに映る。

ただ無料の「草津温泉」などとは違って「酸ヶ湯温泉」は有料で、現在は貸しタオル付きで1000円もするため、そう何日も続けて入湯する人はいないだろう。
酸ヶ湯温泉の車中泊事情

ここで気になるのは、「酸ヶ湯公共駐車場」と「酸ヶ湯キャンプ場」の使い分けだが、「酸ヶ湯温泉」では『車中泊はキャンプ場で!』とは云っていない。
もちろん車外で調理や食事をするなら話は別だが、道の駅と同じスタイルであれば、むしろ無料の「酸ヶ湯公共駐車場」のほうがいいのかもしれない。
これは確認したわけではなく筆者の憶測だが、その理由は、おそらく「酸ヶ湯キャンプ場」の駐車場のキャパが十分ではないことにあると思う。

登山客や涼を求めてこの地にやってくるファミリーキャンパーは、クルマで来てもテントが張れるキャンプサイトでしか泊まれない。
すなわちキャンプサイトに余裕があっても、駐車場が満車になれば”満員”だ。
その限られた駐車場に車中泊客がこぞって流れ込めば、そういう事態が生じることは簡単に予想できる。
つまり、電源サイトが必要な人を除けば、ハイシーズンには車中泊旅行者が、場所を彼らに譲るほうが”助け合い・人助け”になるということだ。
これはヒグマが棲む知床半島にも云えることだが、環境によって「世間の常識」は手のひら返しで変わる。
連日のように各地で起きている、クマ被害のニュースが飛び交う2025年の現在なら、知床や酸ヶ湯に限らず、この意見を支持する人のほうが多いかもしれない。
ゆえに正しいのは、ブレやすい外野の声ではなく、現場と車中泊をしている我々当事者の「臨機応変」な判断だろう。
酸ヶ湯公共駐車場

100台はゆうに停められるスペースを持つ、フラットな無料駐車場で、アンテナを出せば地デジも映る。

敷地の中には「酸ヶ湯インフォメーションセンター」と水洗トイレがある。
靴洗い用に水場はあるが、ゴミ箱はなし。

トイレの便座は洋式。ウォシュレットまではないが、清潔に保たれている。

なお飲める湧き水は、「酸ヶ湯温泉」の前にある無料の取水場で手に入る。
酸ヶ湯キャンプ場

「酸ヶ湯公共駐車場」から少し奥に入ったところにある高規格オートキャンプ場で、フリーサイト料金を払えば駐車場で車中泊が可能。

電源・水場付きのオートサイトは5区画ある。
酸ヶ湯キャンプ場
現地電話:017-738-6400
利用期間:6月25日~10月23日
※降雪日まで
チェックイン:12時から / チェックアウト:翌11時まで
利用料金 大人500円、小人300円
サイト料:フリーサイト500円(クルマ乗入れ不可)・オートサイト2000円
カップルでも電源サイトに3000円で泊まれるので、RVパークとコスト面ではかわらない。ゴミの廃棄ももちろんできる。
名湯「酸ヶ湯温泉」

江戸時代の1684年(貞享元年)開湯と伝わる、八甲田山系の火山温泉で、1954年(昭和29年)に、「四万温泉」「日光湯元温泉」と共に国民保養温泉地第1号に指定されている。
お湯は強い酸性で、pH値は「草津温泉」の2.1を上回る1.7を示している。
ちなみに元来の温泉名は「鹿湯(しかゆ)」で、「すかゆ」は「しかゆ」が訛って変化したものらしい。

出典:青森県情報サイト アプティネット
そのランドマークは、いまさら云うまでもないが、「熱の湯」「四分六分の湯」と打たせ湯の「湯滝」がある、混浴の「ヒバ千人風呂」だ。
「熱の湯」と「四分六分の湯」は隣同士だが、泉源は異なる。

なお洗い場は「千人風呂」とは別の、こぢんまりした「玉の湯」にあり、こちらは男女別になっている。
ここは落ち着くねぇ~(笑)。
泉質/酸性硫黄泉
効能/リュウマチ、神経痛、胃腸病、婦人病、便秘病、ぜんそくなど
【利用料金】
大人1000円
貸しタオル付きで、ひば千人風呂、玉の湯のどちらにも入浴可能。
◆受付時間
大浴場「ヒバ千人風呂」(混浴)
7時~18時(受付最終17時30分)
※女性専用時間8時~9時
小浴場「玉の湯」(男女別)
9時~17時(受付最終16時30分)
※日帰り休憩所「御鷹々々サロン」「ねぶたロビー」の利用可
絶品グルメ「生姜みそおでん」

現在は500円になっているようだが、筆者が「酸ヶ湯温泉」に来る一番の楽しみがこれ(笑)。
湯上がりのビールには最高のアテで、何と云っても筍の食感がたまらない。

テイクアウトできるので、車中泊される際にはぜひ。
「酸ヶ湯温泉」のアクセスマップ
十和田・奥入瀬・八甲田山
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