「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド

この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。

~ここから本編が始まります。~
2021年にできた「道の駅 山陽道やかげ宿」は、利用者にその”存在理由”が見えず、首を傾げたくなる道の駅

「道の駅 山陽道やかげ宿」 DATA
道の駅 山陽道やかげ宿
〒714-1201
岡山県小田郡矢掛町矢掛1988-10
☎0866-63-4300
9時~17時
不定休
「道の駅 山陽道やかげ宿」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第53回
登録日/2020年7月1日
開駅日/2021年3月28日
「道の駅 山陽道やかげ宿」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2025.12.27
「道の駅 山陽道やかげ宿」での現地調査は2025年12月が最新です。
道の駅 山陽道やかげ宿

まず「道の駅 山陽道やかげ宿」は、岡山県倉敷市と広島県福山市を結ぶ国道486号沿いの道の駅で、「倉敷美観地区」から約25キロ・30分ほどのところにある。
この道の車中泊事情を調べているうちに、当サイトに辿り着かれた方もあると思うが、確かに「倉敷美観地区」の近くには道の駅がなく、『どうせみんな遠いのなら、新しいところのほうがまだいいんじゃないかな』と思う気持ちはよくわかる(笑)。

ただ「倉敷美観地区」の近くには、道の駅以外の車中泊スポットが何件かあるので、もしそうならこちらを参考にしてみていただきたい。
車中泊スポット以外にも役立つ情報がたくさん見つかると思う。
さて。
「道の駅 山陽道やかげ宿」には、その施設や車中泊好適度を語る前に、お伝えすべき話がある。
それはこの道の駅の”存在理由”だ。

「道の駅 山陽道やかげ宿」は、滋賀県と福井県の県境に近い、通称「鯖街道」と呼ばれる国道303号沿いに建つ、「道の駅 若狭熊川宿」と似た環境にあるのだが、両者にはそのコンセプトに大きな隔たりがある。

端的に云えば、「道の駅 若狭熊川宿」には道路利用者の休憩施設としての機能と、地域の情報発信機能がしっかり備わっていて、道の駅としての違和感をまったく感じないし、その存在理由も理解できる。

だが、「道の駅 山陽道やかげ宿」には、そのいずれもが不十分で、『まずここに道の駅を作ることありき』で話が進んだとしか思えない(笑)。

「矢掛宿」は江戸時代に「旧山陽道(西国街道)」の宿場町として栄えた、現在も当時の面影を色濃く残す町並みで、2020年に新たに「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。
一般的に「重要伝統的建造物群保存地区」の選定を受けた地域では、文化庁や都道府県教育委員会等から、修復・景観保全・防災設備設置などに対する助成や財政支援(補助・交付金等) が用意されるという。
おそらくその一環で得られた資金で、道の駅まで作る話がまとまったのだろう。

そこで実務担当者が具体的にその中身を検討してみたら、
『あれっ、もう観光駐車場も観光案内所も飲食店も、全部「矢掛宿」には揃っているじゃないか』
となり、簡単に云えば稟議書を通した後で、持て余してしまったというか、『いまさら道の駅を作る必要性を見失った』。
その結果、まったく利用者にはメリットのない、驚くべき紹介文が公的サイトに掲載されることになる。
駅舎のデザインは井原鉄道の「夢やすらぎ号」のほか、九州新幹線「つばめ」や豪華寝台列車「ななつ星in九州」などのデザインを手がけた岡山出身の工業デザイナー・水戸岡鋭治氏が監修。隣接する商店街を物販・飲食コーナーと位置づけ、あえて施設内には飲食や物産販売の店舗を置かないめずらしいスタイルです。
もう、苦し紛れというしかない(笑)。
そして、そのことが広く知れ渡るのが怖いから、公式サイトも作らない…
筆者以外のこの道の駅を紹介しているブロガーたちの、「歯切れの悪いコメント」を見ても、似たりよったりの感想なのだろうというのは伺えるが、さすがに岡山県の道の駅政策は目に余るものがある。
20世紀末の『国策として、道の駅を産めや増やせや』の時期ならまだしも、必要性や採算を精査し、スクラップ&ビルドを始める自治体が出ている時にこれでは、さすがの国交省も”知らん顔”は難しいと思う。
しかも、これが現時点での岡山県の最新の道の駅になのだから呆れる。
いずれにしても役所なので、SNSでの酷評が気になるとは思うけどね(笑)。

さて。
「矢作宿」のメインストリートである「山陽道」は、「道の駅 山陽道やかげ宿」の裏口を出て、約100メートル行くか行かないかのところを通っている。

古代の「山陽道」は、都と大宰府を結ぶ最重要の街道だったが、近世になると江戸から離れているため、五街道に準ずる脇街道となってしまう。
しかし西国大名の参勤交代路として、また長崎と江戸を結ぶルートとして、その存在価値を失ったわけではなかった。
そのため、江戸時代に大名が宿泊した本陣「石井家」と、脇本陣「高草家」が当時の姿で残っており、全国的にも貴重な歴史遺産とされている。

というような話を詳しく紹介しているのが、こちらの「矢掛町ビジターセンター 問屋(といや)」だ。
上の記事をご覧いただければ分かるが、『これこそが道の駅にあって然るべき施設』なのだが、こちらも2021年に前述した補助金・助成金で整備されたばかりで、簡単には動かせなかったに違いない。
「道の駅 山陽道やかげ宿」の施設

飲食施設がないのは、山陽道沿いにある既存店舗との兼ね合いなのだろうが、もしちゃんと道の駅の果たすべき役割が理解できていたのなら、ポピュラーな麺類や丼物を提供するフードコートくらいは用意されているのが当然だと思う。

にもかかわらず、道の駅の中はこれだもの! 「えぇ~!」となるのは筆者だけじゃないだろう。

筆者は「道の駅 山陽道やかげ宿」の存在を全否定しているわけではない。
冒頭で記したように、ロケーション的に見て、「倉敷美観地区」を見に来る人の車中泊スポットに適しているとは思わないが、国道486号では希少な道の駅になるので、『道路休憩施設として生きる道』は十分にあるはずだ。
実際に駐車場は小さいながらもフラットで、トイレもウォシュレット付きになっており、車中泊ができないわけでもない。
だが今のままでは、旅人がこの道の駅に行っても、買えるのは”怒り”だけ。
こういうのを、『不適切にもほどがある!』という(笑)。
「道の駅 山陽道やかげ宿」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:自販機も館内にあり営業時間中に利用可

この道の駅の責任者の思考回路では、当然こうなるわな。

近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。 しかしそれを道の駅で食べると、残った容器はゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、 道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。 すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。

矢掛湯の華温泉
道の駅から約400メートル
☎0866-84-0210
大人平日700円
土日祝1300円
11時~20時(受付最終19時30分)
火曜 定休
道の駅も道の駅なら温泉も温泉だ(笑)。そりゃ、行かないよ!
コンビニ
セブンイレブンまで約300メートル
スーパーマーケット
「マルナカ矢掛店」まで約3キロ
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