25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、岡山県美作(みまさか)市に残る剣豪「宮本武蔵」の生誕地、「武蔵の里」の駐車場及び見どころです。
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この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
大河ドラマでも描かれた、剣豪「宮本武蔵」の生誕地で、その生き様に思いを馳せる。

武蔵の里 DATA
武蔵の里大原観光協会
〒707-0415
岡山県美作市宮本951-1
☎0868-78-3111
9時~17時
公式サイトで要確認
武蔵の里の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2015.10.11
2026.01.09
「武蔵の里」での現地調査は2026年1月が最新です。
武蔵の里

『宮本武蔵』を簡単に。

ここで云う『宮本武蔵』とは、稀代の歴史小説家「吉川英治」が書き記したこちらの本のこと。
開始早々、いきなり変化球で申し訳ないが、人間「宮本武蔵」のプロフィールは、ネットで検索すればいくらでも出てくるわけで、歴史好きでも今さら心をときめかせるものではないだろう(笑)。
ということで、筆者がまとめた「宮本武蔵」の話がこちらの記事。
旅に物語がシンクロしてこそ、夢があるというものだ。

その「宮本武蔵」ゆかりの地で、もっとも有名な場所といえば、「佐々木小次郎」と戦った関門海峡に浮く小さな無人島の「巌流島(船島)」だと思うが、

筆者は他にも、ひとりで吉岡一門を全滅させたという、京都の「一乗寺下り松」や、

武蔵の終焉の地となった熊本にある「島田美術館」にも足を運んでいる。
だが訪ねたゆかりの地の中で、もっとも印象に残ったのが、生家が残る岡山県・美作市にある「武蔵の里」だった。
武蔵の里のロケーション

江戸時代の剣豪で名高い「宮本武蔵」の生誕地がある、「武蔵の里(むさしのさと)」は、兵庫県との県境に近い岡山県美作市の大原地区に位置し、無料の鳥取自動車道「大原インター」から約2キロ、クルマで5分足らずのところにある。

なお「武蔵の里」は「宮本武蔵」ゆかりの地を整備した史跡・観光地があるエリアを総した名称で、単独の施設名ではない。
ここで気になるのは、美作が本当に「宮本武蔵」の出生地かどうかだろう。
それについては、現時点での正しい表現は『出生地は不明だが、美作国出生説がもっとも有力』ということらしい。
もちろんそれには根拠があり、まず「武蔵」自身と門弟側の伝承に美作国で生まれたという記載があること、また本名の「新免」という名字が美作国に実在する地名・一族名であること、さらに「吉川英治」がこの説に基づき、小説『宮本武蔵』を書き残したことなどが挙げられている。

写真は「宮本武蔵」の生家の傍らに立てられた「吉川英治先生文恩記念碑」だが、やはり「吉川英治」の影響は大きいと思う。
武蔵の里の主な見どころ

まず現地についたら、「観光案内所(みやげ屋むさし)」の道路を挟んだ斜め向かいにある、無料の「市営駐車場」にクルマを停め、そこから歩いて散策を始めよう。

「武蔵の里」にあるゆかりの地の中で、実際に当時からあったところは限られており、その筆頭がこの生家になる。
ただ中は見られないので、見学はこの説明書きを読んで終わり(笑)。

次に足を運びたいのが、生家に向かって左隣にある「讃甘(さのも)神社」だ。

「あばれたけぞう」と呼ばれた幼少期をこの地で過ごした「武蔵」は、「讃甘神社」の宮司が太鼓を打つ様子を見て、2本のバチで左右均等な響きを奏でていることから、二刀流を思いついたと云われている。
といっても小さな神社なので、参拝したとしても5分・10分で見終わってしまう。

普通は、その後「生家」の隣りにある「平尾家」をチラ見して、前の細い道を通り「武蔵の墓」と「武蔵神社」に進むわけだが、筆者のガイドは違う。

「讃甘神社」の次に行くべきは、この「観光案内所(みやげ屋むさし)」だ。

外観からは観光案内所には見えず、土産屋そのものだが(笑)、店内はけっこうおもしろいものが並んでいるし、なによりリーズナブルで驚いた。
しかしそれ以上に驚いたのは、ここの所長さんというのか、店長さんというのか、いや「武蔵の里」全体のお世話役のようなおじさんだった…

実は駐車場の奥にある「日本庭園」の中には、かつて「武蔵資料館」があり、そこでは「宮本武蔵」のゆかりの品とともに、大河ドラマ『武蔵MUSASHI』のパネルなども展示されていたのだが、2021年3月31日をもって閉館(休館)してしまった。

それらはもう見られないのかと残念に思っていたのだが、雑談をするうちに、なんとその一部は「平尾家」の別棟に保管されており、見せてくれるという。

その懐かしい”お宝”がこちら。

本物の「お宝」は、湿気やセキュリティーの関係から、ここに置くことができないそうだが、こういうものが見れるだけで、「武蔵の里」らしさは大きく増幅される。
部外者の我々は、ストーリーも史跡も展示物も揃っているだけに、集客さえできればまだまだ蘇るように思いがちだが、「武蔵の里」に今もっとも不足しているのは、その集客の受け手となる若い人材のようだ。
大河ドラマが放送されたのは2003年だが、当時50歳だった村人も今は73歳。
仮に再び大河ドラマで「宮本武蔵」が取り上げられ、観光客が来てくれるようになったとしても、その勢いを”サステナブル”に維持する術が、もはやここにはない。
そうなると、ただでさえ少ない動ける人間に負担がかかり、結局は『やらなかったほうが平穏で良かった』という話になる…

そんなリアルな話を交えながら、所長さんは「生家」の隣にある、「宮本武蔵」の姉「おぎん」の嫁ぎ先と伝えられている、「平野家」を案内してくれた。
筆者と同じように「宮本武蔵」のことが好きな人には、手が空いていたら、きっと”仮住まいの資料館”の中を無料で見せてくれるとは思う。
ただ、ここまで話した事情を理解し、現在の”ちょっと寂しい「武蔵の里」”を楽しむというのが、行く方には求められる。
さて。

運よくガイドが受けられたら、お別れして、前の緩やかな坂道を山に向かって5分ほど進み、「武蔵神社」を目指そう。
「武蔵神社」は剣聖「宮本武蔵」を祀るお社として、1971年(昭和46年)に「武蔵奉賛会」の趣意に賛同した、全国1300余名の人たちからの浄財530万円をもって建立された。
鳥居の前には、「武蔵」が好んだ唐の詩人「白楽天」の詩の一節、「寒流帯月澄如鏡」を刻んだ「戦気の碑」が建っている。

また拝殿の正面上部に掲げられた、このインパクトある「武蔵神社」の額は、彫書芸術の創始者である「彫無季(ちょうむき)」によって描かれたものだ。

そして最後は、境内にある「武蔵」の墓前で手を合わそう。
ただ、武蔵は熊本で亡くなっており、ここには本墓のある「弓削の里」から、分骨されたお骨が埋葬されている。

「武蔵」の冥福をお祈りしたら、一度駐車場に戻り、川を渡った先にある門をくぐって日本庭園に入り、奥に見える木造の建物に向かおう。

それが「武蔵道場」で、隣に「青年期宮本武蔵像」が立っている。

銅像には「武蔵」の略歴年表が添えられているが、数多の決闘以外にも「関ヶ原の戦い」「大阪冬の陣・夏の陣」「島原の乱」と、日本を揺るがす大きな戦にも参戦しているのだから恐れ入る。
そのうえ最前線で戦っているにもかかわらず、すべからず生還しているなんて、これはもうAdo様といっしょに『私は最強!』と叫ぶしかない(笑)。
ということで、普通はここで散策終了。

「観光案内所(みやげ屋むさし)」から見える「たけぞう茶屋」で甘い物でも買って食べる人が大半だ。

なお野鳥好きに、ここはお勧めだ。
この写真は「たけぞう茶屋」の前で飼われている「かぐや」と名付けられた「モモアカノスリ(Harris’s hawk)」という、中南米原産のタカで、日本では野生ではほぼ見られない希少な品種と出会える。
性格はおだやかで、訓練しやすく鷹匠の狩りに使われることが多いという。
さて。ここからはオプションになる。

まず冒頭で見せた「武蔵」と「お通」の2人が並び立つ銅像があるのは、「武蔵の里」から約10キロ離れた「大聖寺」だ。

「大聖寺」には「吉川英治」原作の『宮本武蔵』の中で、武蔵が吊り下げられ、山寺の和尚に人生について猛省を促される、有名な場面に登場する千年杉のモデルとなった大銀杏の木もある。
あと、これは他にも気づいた人がいるかもしれないが、「青年期宮本武蔵像」があるのなら、もしかすると「少年期宮本武蔵像」もあるのでは?
なぜなら、普通は単純に「宮本武蔵像」と命名するはず…
この筆者の予感はピンポンだった!

智頭急行智頭線の「宮本武蔵駅」に、「幼い頃の武蔵」と題され、「又八」と「お通」とともに立てられている「宮本武蔵」の銅像がある。
せっかくなんだから、セットで紹介しておけばいいものを(笑)。

「宮本武蔵駅」は今も現役で、ちゃんと列車が通っている。
武蔵の里の車中泊事情

「武蔵の里」の市営駐車場の一画には公衆トイレがあるが、中は和式オンリー。
車中泊ができなくはないが、かつては近くに日帰り温泉があったが、今は「武蔵こども園」に変わっている。

なのでここで泊まるよりは、無料の鳥取自動車道で10キロ・15分ほどのところにある「道の駅 宿場町ひらふく」まで移動するほうがいいと思う。
またこの後「湯郷温泉」に向かうなら、その近くにも「道の駅 菜彩茶屋」がある。
武蔵の里駐車場のアクセスマップ
大河ドラマ「武蔵MUSASHI」ゆかりの地
美作三湯 車中泊旅行ガイド
岡山県 車中泊旅行ガイド
車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門
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