25年のキャリアを誇る旅行家がまとめた、8月に青森県で開催される「五所川原立佞武多(たちねぷた)」を、車中泊で見物に行くために役立つ情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
迫力満点! 圧巻の高さと存在感で観客を魅了。

「五所川原立佞武多」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2018.08.05
「五所川原立佞武多」の現地調査は2018年8月が最新で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2025年7月に更新しています。
「五所川原立佞武多」 見物の秘訣と駐車場&車中泊事情

まずは、五所川原立佞武多を動画でご紹介。

「五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)」とは、青森県の五所川原市で毎年8月4日から8日に開催される夏祭りのことで、写真の「立佞武多」と呼ばれる灯籠山車は、なんと高さ20メートルを超える。
祭りの当日は、3台の「立佞武多」を人力で曳いて、際どく電線をかわしながら市内を巡行するのだから、その迫力には度肝を抜かれる。
というわけで、まずはその様子を動画でご紹介したい。
お囃子と掛け声入りなので、できれば音声もいっしょに再生していただくといい。
それにしても…
青森と同じルーツを持つ「ねぶた」が、なぜ五所川原ではこれほどノッポになってしまったのか…
まずはその疑問に答えてくれる「立佞武多の館」に足を運ぼう。
「五所川原立佞武多」の当日昼間の過ごし方

五所川原も青森と同じように、午前中に一度クルマで「立佞武多の館」に足を運び、そこで予習を終えたら、再びクルマで祭り本番中に利用する駐車場に移動するほうがいいと思う。
ただし、改修工事で閉館している2025年に関しては例外だ。

2004年4月にオープンした「立佞武多の館」は、空調の不具合や雨漏りなどの老朽化が進行したため、2025年4月から2026年6月の予定で改修工事に入り、2025年の祭り期間中は休館となる。
ただ「五所川原立佞武多」は通常通り開催される予定で、運行には館内に保管されている「大型立佞武多」も出陣するが、2025年度の「新作立佞武多」は制作されないので、現存の3台が今年の祭りにも使われる。
改修工事なので場所の移転はなく、再オープン後も見学スペースに大きな変更はないとのことなので、記事はそのままにしているが、2025年に関しては代わりにどこかで時間つぶしをするほうがよさそうだ。
【予習・下見】立佞武多の館

「立佞武多の館」はその名の通り、祭りで使用される大型の「立佞武多」の保管庫を兼ねた有料展示館で、そこから「立佞武多」が出動・帰還するシーンは、祭りの期間中のハイライトとなる。
そのため午後からは、前に続々と見物客が場所取りのために集まってくる。
ただ、そうなると気が気でなくなるのと(笑)、クルマで身動きがしにくくなるので、中の見学と祭りの場所取りは、時間をずらしてやるほうがスムーズだ。

地上7階建ての「立佞武多の館」は吹き抜けになっており、見学はこの「立佞武多」に圧倒されることから始まる(笑)。

壁周りはスロープになっていて、途中には展示ブースと、映像を観ながら解説が受けられるスペースも設けられていた。
ここで前述の疑問の答えを。

「立佞武多」がこれほどノッポになったのは、江戸時代後期から明治時代にかけての五所川原が、津軽地方の農林水産物集散地として栄え、豪商や大地主が自分たちの繁栄を誇示するために、ねぷたを競って大きくしたことが主な理由と云われている。

ただ電線が普及したことで、運行の妨げとなり、一時期ねぷたは小型化を余儀なくされたようだが、平成に入り、電線地中化などの整備が進められたことで、再び巨大な「立佞武多」が復活した。
その他のお勧め観光スポット

ということで、五所川原近辺の見どころをピックアップしておくが、その筆頭は、雄大な岩木山の山影を湖面に映す津軽富士見湖に架かる、日本一長い木造三連太鼓橋の「鶴の舞橋」だ。
近くには、無料の町営「やすらぎの駐車場」がある。

無料で渡れる「鶴の舞橋」は、涼やかな水辺にある散歩に適したスポットで、隣接する「丹頂鶴自然公園」では、タンチョウに会うこともできる。

いっぽうこちらは「人間失格」「斜陽」「走れメロス」等の名作を残した文豪「太宰治」の記念館で、蔵を利用した資料展示室には、太宰が生前着用していたマントや執筆用具、直筆原稿、書簡などのほか、初版本や外国語の翻訳本などの貴重な資料が保管されている。
大地主だった父が、1907年(明治40年)に建てた「斜陽館」と呼ばれる豪邸は、明治時代に建てられた貴重な木造建築で、近代和風住宅の代表例として、2004年に国の重要文化財に指定された。
太宰治記念館「斜陽館」
☎0173-53-2020
おとな600円
9時~17時(受付最終16時30分)
約50台(無料)
「五所川原立佞武多」会場周辺の駐車場事情

総合的に判断すると、車中泊の旅人にお勧めなのは、「五所川原立佞武多」の期間中に祭り見学者用に無料開放される、ショッピングセンターELM(エルム)だろう。
駐車場は数ヶ所に分かれており、驚くほどのキャパがあるので、まず満車で停められないという心配はないうえに、気兼ねなく長時間駐車もできる。
そのうえ平面駐車場なので、キャブコンでも安心だ。

ただしELMから「立佞武多の館」は、およそ1.5キロ離れているため、歩くと20分ほどはかかる。
以前はシャトルバスが用意されていたが現在はなく、大半の人は歩いて行くようだ。
入浴と食事

ショッピングセンターの一画には、日帰り温泉「エルムの湯」とイトーヨーカドーがあり、ELMの中の食品売り場にも、美味しそうな弁当類が売っている。
エルムの湯
☎0173-34-1126
おとな480円
6時~22時45分(受付最終22時15分)
年中無休
そのため、ショッピングに加えて食事と入浴が合わせてできるELMは、車中泊旅行者が「五所川原立佞武多」が始まるまでの時間調整をするのに、まさに最適な場所といえるだろう。
これで24時間利用できるトイレが近くにあれば、祭りの後にひと風呂浴びて汗を流し、そのまま車中泊ができるのだが、さすがにそうはいかないようだ(笑)。
コンビニは周辺にたくさんあるが、どこも1キロ近くは歩く必要がある。
「五所川原立佞武多」のベスト見学スポット

マップは「五所川原立佞武多」の運行コースで、筆者が選んだ立佞武多の見どころは★マークを付けている2つの場所だ。

ひとつは前述した通り、マップ上部の「立佞武多の館」の前。
夕方には、年に一度、この時期にしか見られない「立佞武多の出動」が行われるので、少し早めに行くといい。

ここはスタート地点に近いため、ほぼ正面から「立佞武多」が運行してくる様子がうかがえる。
交差点付近は道も広く、立見でも、人と人の間からカメラを出せる場所は見つかる。

そしてどこよりも早く、メイン3体の「立佞武多」が同時に見られる。

もうひとつの「見どころ」は、動画を撮影したマップ左の通りだ。
ご覧の通り、この筋は道が細く、「立佞武多」運行コースの難所にあたる。
手すりのような電線と、出っ張った看板を器用にかわして進む「立佞武多」に、観衆からは拍手と歓声がおくられ、まるでライブのような一体感がそこにはあり、「練習を重ねた晴れ姿を披露するぞ!」という心意気を強く感じた。
パレードに関して云うと、「青森ねぶた祭り」よりも一体感に溢れ、「おらが町の祭り」としては圧倒的に素晴らしい。

とにもかくにも、「立佞武多」は想像を遙かに超えるデカさだった。
この写真は一眼レフに18ミリの広角レンズを装着して撮影したが、27ミリクラスの標準レンズなら、むしろスマホの方がうまく撮れるだろう。
お勧めは、超広角モードのあるi-phoneだけどね!
「五所川原立佞武多」見物後のお勧め車中泊スポット

前述したように、エルムの周辺には24時間使えるトイレがないため、最寄りの車中泊スポットは、約10キロ・20分ほどのところにある「道の駅つるた」になる。
ただし、この道の駅の駐車場は普通車の収容台数が80台と小さめで、出遅れると満車になる可能性がある。

むしろ確実性が高いのは、五所川原から国道で約30キロ・45分と少し離れるが、普通車183台のキャパを誇る「道の駅いなかだて」だろう。

ここには有名な「田んぼアート」があるので、どのみち寄ってみるだけの価値があるのは間違いない。
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