「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。

「長湯温泉」は、いいお湯以外には何もないところ
なるほど、だから「長湯」するしかないわけか(笑)。
正直なところ、長湯温泉街は寂れていて、コレといった見どころはない。ここでのコンテンツは、散歩と温泉に尽きるのだろう。
写真は長湯温泉の名物「ガニ湯」。一応ちゃんと温泉が張られている無料の混浴露天風呂だが、未だ入湯している人に出会ったことはない(笑)。
ということで、温泉ではなく「見どころ」として取り扱うことにした。
ほかでは歌碑巡りをしてみるのもいい。種田山頭火や野口雨情も、この地に足を運んでいる。
食事処で目立つのは、ガニ湯の前に建つ「ガニ湯本舗天風庵」。
筆者は行ったことはないが、名物は脱皮したカニを丸ごと揚げて、うどんとともに食べる「ガニ湯うどん」。また地元ではエノハと呼ばれるヤマメの料理も食べられるようだ。
長湯温泉周辺の見どころ
長湯温泉は、大分県と熊本県が境を接する「くじゅう連山」の西の麓にある。
竹田は阿蘇山に通じており、また別府からのアクセスも悪くない。
だが、クルマ旅における九州観光のメインルートである「やまなみハイウェイ」からは遠く逸れており、長湯温泉を経由して阿蘇山に向かうのは、いかにも「寄り道」だ。
ゆえにガイドブックでは、華やかな「くじゅう高原のオマケ」のように扱われている竹田なのだが、「寄り道先」と割り切れば、九重にはない魅力が見えてくる。
むしろ旅慣れた中高年なら、「花」・「鳩ぽっぽ」、そして岡城址をモチーフに書かれた名曲「荒城の月」を作曲した滝廉太郎に興味が湧くかもしれない。
瀧廉太郎は少年時代を竹田で過ごし、荒れ果てた岡城に登って遊んだ印象が深かったという。ちなみに「荒城の月」の歌碑は、福島県の鶴ケ城に建つ。
また、こちらは同名の道の駅に隣接する「原尻の滝」。「日本の滝百選」のひとつで、高さ20メートル幅120メートルに及ぶ名瀑だ。渓谷ではなく、のどかな田園地帯に建つ道の駅の一角にある。
長湯温泉 車中泊旅行ガイド





「アラ還」からの車中泊


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