この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

出水には「ツルの施設」が2つある。

「日本最大のツルの渡来地」と云えば、純白のタンチョウが求愛のダンスを踊る釧路湿原…
そう思っている人がいても、おかしくはない。誰もが知る童話「鶴の恩返し」に描かれる、日本人にとって一番馴染みがあるツルといえば「タンチョウ」だ。
だが、残念ながら答えは違う。

正解は、釧路湿原から約3000キロも南にある、鹿児島県の出水(いずみ)。
出水には、毎年10月中旬から12月頃にかけて、1万羽を超えるツルがシベリアから渡来し、越冬のために3月頃まで滞留する。

その渡来数と種類の多さは日本一と云われており、「鹿児島県のツル及びその渡来地」として国の特別天然記念物に指定されている。
さて、話のポイントはここからだ。バーダーならずとも知りたいのは、その先。
飛来してくるツルを、「具体的にどこで観察するのがいいのか?」だろう。
無難で確実なのは「出水市ツル観察センター」

「観察センター」の名がつく通り、建物の中には展望台のほかに、パネルやビデオによるツルの情報コーナーと売店がある。
また駐車場は平面で、普通車172台と十分なキャパを有しており、キャンピングカーでも問題ない。

展望所は屋上と室内にあるが、寒い季節に飛来するので、室内からでも同じ光景が見られるのはありがたい。

ここからは、広い給餌場に集まってくる、数え切れないツルを広角で撮れる。

ちなみに、出水で見られるツルの種類は例年5から6種類と云われているが、年によっては「タンチョウ」が加わることもあるようだ。
出水市ツル観察センター
☎0996-85-5151
大人220円
9時~17時(入館最終16時30分)
開所期間:11月1日~3月第2日曜日
開所期間中無休
インスタ映えする写真が狙える場所は「たんぼ」

「出水市ツル観察センター」からツルを大きく撮るには、500ミリ以上の望遠レンズが必要だが、スマホにそこまでの望遠撮影は望めない。

となると、自分がツルに近づくしかない。そのフィールドが「出水市ツル観察センター」の周りに広がる「田んぼ」だ。

出水のツルには幾つものグループがいて、給餌場以外の田んぼで、自ら獲物を探すものもいる。

また筆者は、できるだけネイティブに近い環境にいる、生き生きとした姿を撮りたいと思っている。
それには撒かれた餌をつつくより、こうして自分で狩りを試みるような、たくましい個体を探さなければいけない。

だが、そうやすやすとこういうロケーションには巡り会えない(笑)。
多少人馴れしているとは云え、相手は野生なので、道から近いところには寄ってこないし、クルマも対向するのがぎりぎりの畦道には停められない。
ゆえに根気が必要。また見つける秘訣は、ツルを探すのではなく、クルマを停め三脚を立てて撮影している、いかにも本気そうな人間を探すことだ(笑)。
ただし、地元の人たちの農作業の邪魔にならないことを最優先しよう。
それを忘れると、北海道の美瑛のように、これから写真を撮りたい人の夢を潰してしまうことになる。
ネイチャーフォトスポットでも車中泊スポットでも、「環境破壊」は大人のもっとも恥ずべき行為である。
「クレインパークいずみ」は、ツルの博物館

さて。出水のツルをインターネットで検索すると、この施設が表示されることがあると思うが、「出水市ツル博物館クレインパークいずみ」は、“ツル・出水・ふれあい”をテーマに、ツルを代表とする出水の自然資料を収集・保管・展示している博物館だ。

展望台からの全景。
ここは「出水市ツル観察センター」まで12キロほど離れているので、周辺にあまりツルはいない。
なので行くなら、本物のツルが来ない春から秋のほうがいいと思う。
出水市ツル博物館クレインパークいずみ
☎0996-63-8915
大人330円
9時~17時(入館最終16時30分)
4月〜10月は毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
11月〜3月は無休

なお「クレインパークいずみ」には、野外トイレと乗用車212台が停められる広い無料の駐車場があるので、車中泊そのものは可能だが、お勧めはしない。
もし車中泊でツルを撮りに行くなら、「出水市ツル観察センター」から約14キロ・17分のところにある「道の駅黒之瀬戸だんだん市場」が、利便性もよくて無難だ。
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