中高年のニーズにマッチする記事を見つけるのは容易じゃない。
今や日本のグルメ情報といえば、なんてったって「食べログ」だ(笑)。
ここでは、「食べログ」がどのようなものであるかをよくご存じない方のために、簡単な紹介文を掲載しておこう。若い人は笑うかもしれないが、還暦を過ぎたおっちゃん・おばちゃんとはそういうものだ(笑)。
「食べログ」とは
食べログは、2005年3月にスタートした「価格comグループ」が運営するグルメレビューサイトのこと。
コンセプトは「ランキングと口コミで探せるグルメサイト」で、ユーザーの口コミと共に全国のレストラン情報が掲載されている。
もっとよくわかるように、実際の記事をリンクしてある。
というのは、この記事は「食べログ」の中でも例外的によくできているからだ。
ただこれを読んだ中高年の多くは、「よし、坂内食堂に行こう!」とはならないと思う。
筆者は間に10年間を挟んで坂内食堂のラーメンを2度食しているのだが、たしかに最初は「実にうまいラーメン」だと思った。
だが60歳を超えた今の舌には「しょっぱ」すぎる。すなわち「塩分摂りすぎ」の心配のほうが先に立つ(笑)。
中高年が求めたいグルメ情報
今や「国民総フーディー」みたいな日本において、「うまい・まずい」の話で人の心を打つのは至難の業だ。むしろ書けば書くほど話は薄っぺらくなり、見ている人の心は離れる…
うまいかまずいかは、この1枚の写真が雄弁に物語ってくれる。
そのうえで旅人が求めているのは、その料理が自分に合うかどうかだろう。
そもそも「口コミ」情報の基本は匿名で、発信者の名前はおろか、年齢・性別・在住エリア、そして料理経験、舌の肥具合等々はふせられている。つまり見る側にすれば、まさに「どこの馬の骨」が発信した話だかわからない。
だが冒頭の記事には、年齢・性別・在住エリアが記されており、読者はそれを自分と対比することで、合う合わないを判別しやすい。
つまり「食べログ」を読む時は、まず先に「個人情報」を見たほうがいい。
また仮にそれが分からなくても、若者の投稿者は総じて「量が多くて安い店」を評価する傾向がある。
しかし我々のニーズはどちらかといえば逆で、「量は少なめで、多少高くてもきちんと手が入った料理」が食べられる店に行きたいのだ。
そんなわけで、筆者は旅先でもそれほど「食べログ」をアテにはしていない。それは一時期話題になった「ヤラセ記事」があるからよりも、個人情報が記されていて、中身もしっかり分かる記事を探すのが「至難の業」であるからにほかならない。
では、そんな中高年に都合のいい「食レポ」が存在するのか?
答えはない。