「日本三大美人の湯」と「日本三大美肌の湯」の根拠と信ぴょう性

嬉野温泉 車中泊で温泉旅
「クルマ旅のプロ」がお届けする車中泊温泉旅行ガイド
「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
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その根拠が知りたい。

全国の温泉地をまわってみて、つくづく思うのは、温泉の人気は「キャッチフレーズ(宣伝広告)」次第…ということ。

龍神温泉

ご承知の方も多いと思うが、日本には「日本三大美人の湯」<川中温泉(群馬)・龍神温泉(和歌山)・湯の川温泉(島根)>と、「日本三大美肌の湯」<喜連川温泉(栃木県)・嬉野温泉(佐賀県)・斐乃上温泉(島根県)>と呼ばれる、いかにも女子を喜ばせるメジャーなグルーピングが存在する。

極端に云ってしまえば、その共通点は「弱アルカリ性」。

おびなたの湯

Ph(ペーハー)と呼ばれる数値が、8.5程度を示すお湯である。

もちろん、そのような泉質の温泉地は日本中に山ほどあるし、温泉通しか知らないようなPh値が10を超える温泉もけっこうある。

また、同様の効果があるとされるメタケイ酸をふんだんに含む温泉が、実はあなたの家のすぐ近くにあるかもしれない。

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そもそも、旅行者は泉質だけで「次の旅先」を選ぶわけじゃない。

城崎温泉

利用する交通機関にかかわらず、「ねえ、次はどこに行こうか」という時の決め手となるのは、まず「行きたい気になるキャッチフレーズ(宣伝広告)」、次が「評判」、そして「雰囲気・風情」、その次に「泉質」、さらには「源泉かけ流し」という言葉が示す「お湯の純粋度と鮮度」あたりになるはずだ。

中には「温泉そのもの」より先に、カニなどのグルメがランクインする人も、正直なところ少なくあるまい。

それが世に云う「温泉旅」の実情だと思う。

日帰り入浴不可の川中温泉

さらに車中泊の場合は、そのうえに「居心地」、言い方を変えれば「歓迎度」が乗っかってくる。

その観点から見た「日本三大美人の湯」と「日本三大美肌の湯」が、我々車中泊旅行者にとって、いったいどういうところなのか… 

貴方は、そこに興味はないですか?

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日本三大美人の湯

湯の川温泉

●川中温泉(群馬)
●龍神温泉(和歌山)
●湯の川温泉(島根)

頑張って調べてみたが、誰が・いつ・どういう選定で、3つの温泉を選んだのか、その確たる由来は分からなかった。

ただ、1920年に鉄道院によって編纂された「温泉案内」の中で、「肌を白くする」という効能一覧に、この3つの温泉が含まれているという。

ちなみに1920年は大正9年で「国際連盟」が誕生した年。まもなく100年が経とうとしている「曖昧な基準」に、どこまで整合性があるのか筆者は疑問だ。

日本三大美肌の湯

喜連川温泉 早乙女温泉

●喜連川温泉(栃木県)
●嬉野温泉(佐賀県)
●斐乃上温泉(島根県)

「中央温泉研究所」と「藤田聡」が選出。

以下はウィキペディアより抜粋。

中央温泉研究所は日本における温泉の成分などを調査する指定機関で、藤田氏は1998年の「テレビチャンピオン」第5回温泉通選手権に出場し、3位に入賞。

その後2000年にJTB主宰で行われた「第1回温泉旅行検定試験」において、第1位の成績を修めるとともに、検定協会から「温泉旅行博士」の称号を得た。

また翌年の「第2回温泉旅行検定試験」でも第1位の成績を修め、評論家としての活動を確固たるものとしている。

以上の実績から見ても、こちらの信用性が高いのは明らかだろう。

だが、それがいつ選定されたのか、また各温泉は「温泉地」を指すのか「特定の施設=源泉」を指しているのかは不明。どうせやるなら、そこまで明確にしてほしいところだ。

最後に。
2013年に日本温泉総合研究所が発表したデータによると、国内には3,108ヶ所の温泉地があり、温泉施設の数は21,471軒にのぼる。
全ての温泉施設を1年でめぐるには、1日あたり約59軒、もし1日1軒づつなら、実に59年もの歳月を要する。

完全制覇が「事実上不可能な偉業」であることは、数字の上でも明らかだ。

つまりベスト3を決めるなんて、誰にもできないことだと思う(笑)。であればそこまで本気にする話ではあるまい。

それが結論(笑)。

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