この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、原稿作成のためのメモ代わりに書き残してきた「忘備録」を、後日リライトしたものです。
清水から駿河湾フェリーへ西伊豆へ
締切が迫っていた一連の執筆と確定申告を終え、おとといの昼前に家を出て伊豆半島に向かった。今回の取材先は、世界遺産に含まれる三保の松原から沼津を経て伊豆半島の石廊崎に至る「駿河湾」沿岸だ。
季節の変わり目を迎えた今週は、「2日晴れて1日雨」という規則正しい天気予報で、取材には良いのか悪いのか難しいところだが、結論は「3日では全部終われない」ということで、家内を残して久しぶりの一人旅となった。
最初の目的地である清水に着いたのは午後4時前。天気予報は晴れだったが、案の定、霞がかかって富士山は全く見えない。
この時期はこれがあるから厄介だ。そこで「三保の松原」を後回しにして、「清水の名物」を見にいくことにした。
清水には三保の松原だけでなく、マグロもお茶もあるが、筆者の行ってみたかったところはここ。
筆者の世代であれば、「♪清水~港の名物は~ お茶の香りと男伊達♪」で始まる「旅姿三人男」のメロディーを知らない人はいまい(笑)。
港の近くにある「次郎長商店街」の一角には、大政・小政に森の石松など、「清水二十八人衆」と呼ばれる屈強な子分がいた幕末・明治の侠客・次郎長親分の生家が今も残されている。
それから少し早めの夕食だが、2つ目の名物であるマグロを食べに「清水魚市場河岸の市」へと向かった。
いただいのは、人気のお店「ととすけ」の「まぐろトロ三昧定食」。
これに写真のカマ揚げがついて1500円は、まずまずのコスパだと思った。
食後は翌日に備えて、三保の松原の無料駐車場をロケハンする。世界遺産に登録され、トイレが新しく建て直されたようなので車中泊ができるかどうかを実際に確かめてきた。
結論はできる。
翌日も残念ながら朝から霞んでいて、陽は射すもの本気の撮影には至らない。 過去の経験と散歩に来ていた地元のじいちゃんの話から、午前10時で清水の取材を諦め、晴れ間のある間に河津桜を撮るべく伊豆半島へと渡ることにした。 今回は駿河湾フェリーに乗るのも目的のひとつだ。 今は特割期間中で、平日なら3100円で西伊豆の土肥港まで渡してくれる。所要時間は65分で、高速道路を使って走るよりも大幅に早く到着できる。 作戦は大成功。まさに「時は金なり」(笑)。 この写真は河津ではなく、「道の駅下賀茂温泉・湯の花」から歩いて行ける青野川の堤で撮影した。 祭りの規模では河津に到底かなわないが、しっぽり桜見物をしたい人には、世俗化していないこちらがいい。 昼飯抜きで桜を撮り終え、それから少し休んで石廊崎を回った後、この日は温泉が併設する伊豆松崎の道の駅で泊まった。 今日は朝から小雨がぱらついているため、下田に行って、吉田松陰の軌跡をたどるつもりだ。 「花燃ゆ」の視聴率は今ひとつのようだが、吉田松陰は面白い人物である。下田には竜馬ゆかりの地もあり、半日は楽しめるだろう。夜はできれば土肥温泉で泊まりたいが、それも雨しだい。下田の道の駅には屋根がある。 Next-Page