この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
能登半島に道の駅は山ほどあれど、車中泊にお勧めできるのは指折り数えて幾つかしかない。
能登半島の車中泊事情とベスト車中泊スポット【目次】
能登半島には、道の駅以外にも素晴らしい車中泊スポットが揃っている。
能登半島の車中泊事情
まずは、「能登半島を観光するのに何泊必要か?」という話から始めよう。
そもそも我々「旅人」は、能登半島へ車中泊をするために行くわけじゃない。
一番の目的は、見たり食べたり、あるいは体験したりすることを楽しむ「観光」であって、「車中泊」の位置づけは、そのための「宿泊手段」に過ぎない。
たとえ道の駅がなくても、観たいところにフィットするRVパークや観光駐車場があるならそこで泊まるし、台風に遭遇したらビジネスホテルに駆け込むほうが確実に安心だ(笑)。
つまりこの優先順位を誤ると、それは観光旅行ではなく、ただのオタクの「車中泊スポットめぐり」でしかなくなってしまう。
そして今、動画を含めてネット上にはそういう人たちの情報が散乱している。
大人は懇切丁寧にトイレの中を見せてくれなくても、「ウォシュレットがある」とテキストで書いてくれればそれで分かる。
もしトイレの映像や画像が必要だとしたら、それは逆に想像を絶するほど汚い場合だが、今時そういう道の駅は、探しても見つかるまい(笑)。
この道のプロとして、還暦を超えた現在も活動を続けている筆者は、分かりきった設備以外に、情報提供者が取材してきた「その道の駅で車中泊をするメリット」を示してもらいたいと思うのだが、どうだろう。
もっともそれをするには、1年2年程度のキャリアでは難しい。どんな世界でもそうだと思うが、「石の上にも3年」だ。
能登半島観光のモデルプラン
自宅からの距離は別として、通常能登半島をクルマ旅で一周するなら、
初日
金沢・千里浜・能登金剛
2日目
輪島・珠洲
3日目
能登島・七尾・氷見
くらいのペース配分になると思う。つまり現地3泊、東京・大阪ならこれに前泊を入れた4泊5日が妥当な日程だ。
大事なのは、道の駅の「色分け」
それに対して、冒頭のマップを見れば分かる通り、能登半島には道の駅だけでも20近い件数が存在する。
「道路利用者のための休憩施設」という道の駅の趣旨に照らし合わせると、果たして10キロ足らずのところに、こんなに続けて「道の駅」が必要なのか?
そう思わざるを得ないのだが、車中泊に必要なのは「すべて道の駅泊」としても、わずかに3つだ。
もちろん道の駅の中には、ロケーションや物販飲食施設に特筆すべき魅力を持つところもあり、車中泊の好適性だけが「良し悪し」の判断基準にはならない。
だが、スムーズに能登半島を旅したいのなら、あらかじめ道の駅を「泊まる」「立ち寄る」「パスする」の3つに色分けしておくほうがいい。
そこで、独断と偏見に満ちた筆者なりの「色分け」を紹介することにした。
車中泊に好適な道の駅
※リンク先はすべて筆者のオリジナル記事
立ち寄りに好適な道の駅
パスしてもいいと思う道の駅
■道の駅 内灘サンセットパーク
■道の駅 輪島
■道の駅 すずなり
■道の駅 桜峠
■道の駅 のと里山空港
■道の駅 のとじま
■道の駅 いおり
もちろん全て取材しているが、筆者としてはレポートする意味を感じないので割愛している。
能登半島には、道の駅以外にも素晴らしい車中泊スポットが揃っている。
さて。本丸の「ベスト車中泊スポット」の話に進もう。
もちろん、ここでも「観光旅行」が軸になる。そこで先ほど記した「能登半島観光のモデルプラン」に沿うかたちで紹介する。
金沢・千里浜・能登金剛エリアのベスト車中泊スポット
まず金沢近辺でお勧めの道の駅は、「メルヘンおやべ」だ。
中には「道の駅 倶利伽羅源平の郷」じゃないのか?と思う人もあるだろうが、併設する温泉の料金だけで判断するのは早急だ。
輪島・珠洲エリアのベスト車中泊スポット
このエリアでは道の駅よりも、公園の無料駐車場のほうが車中泊には好適だ。
能登島・七尾・氷見エリアのベスト車中泊スポット
エピローグ
風景・郷土料理・歴史・文化など、四季を通じて楽しめるコンテンツに満ちた能登半島は、リピートする価値の高い観光地だと思う。
以下の記事をご覧いただいた皆さんが、その豊かなコンテンツの中から興味が持てそうなものを見つけ、紹介した車中泊スポットをそれにフィットさせて、より深く能登半島と親しんでいただけることを筆者は願ってやまない。
これこそが、車中泊クルマ旅の王道だ。
能登半島 車中泊旅行ガイド