この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「道の駅 千枚田 ポケットパーク」の魅力は、隣接する展望所から見える「白米千枚田」の絶景。
道の駅 千枚田 ポケットパーク【目次】
「道の駅 千枚田 ポケットパーク」のロケーション
棚田は日本各地に数々あれど、この「白米千枚田(しろよねせんまいだ)」ほど「絶景」という言葉が似合う棚田を、筆者は未だ見たことがない。
夏は優しく、冬は虚しく。ちなみに「千枚田」の由来は、「狭い田」から来ているという説もある。
荒々しい能登の外海迫る傾斜地に刻まれた、1,004枚とも云われる小さなたんぼが見せる四季折々の表情は、まぎれもなくこの国のオンリーワンと呼べる田園風景に違いない。
さて。2011年に世界農業遺産「能登の里山里海」に認定されて以降、地元ではそのシンボル的な存在となった「白米千枚田」のPRに力を注いでいる。
世界農業遺産とは…
土地利用・農村文化・景観を、地域システムによって維持保全し、次世代へ継承することを目的に、2002年に国連食糧農業機関(FAO)がスタートさせたプロジェクトで、「能登の里山里海」は日本で最初の「世界農業遺産」に認定された。
2013年に実施された、隣接する「道の駅 千枚田 ポケットパーク」のリニューアルも、たぶんそれと無関係ではあるまい。
「道の駅 千枚田 ポケットパーク」の施設
この写真は、リニューアル前の「道の駅 千枚田 ポケットパーク」。
駐車場が10台ほどしかないうえに傾斜がきつく、しかも休憩室を物置代わりに使用するなど、ここは本当に酷い道の駅の典型だった…
こちらが現在の「道の駅 千枚田 ポケットパーク」。もはや同じ場所にある道の駅とは思えないほど、見事な転身を果たしている。おそらく指定管理業者も交代したのだろう。
道の駅から千枚田に降りられる階段と展望所も用意された。
以前は国道を歩いて見に行く必要があっただけに、これはファミリーや高齢者には、安全面でも大きな改善だと思う。
広くなった駐車場の収容台数は、高台にある第2駐車場を含めて49台。実に5倍増だ。
だが、おかげで人気はそれ以上!(笑)。
ゆえに週末や連休は、遥か手前から大渋滞となる。
実はその対策として、近くの漁港にパーク&ライドを用意しているのだが、この告知看板は道の駅の入口付近に立っている。
つまり輪島方面から来たドライバーは、さんざん渋滞に並ばされ、ようやく駐車場に入庫できる直前にそれを目にするわけだ。
このあたりの対応を見ると、リニューアル前と体質は変わらないのかなと思えてくるのだが(笑)、
もしこの記事をご覧の方が渋滞に遭遇した時は、まず☎0768-34-1004(千枚田ポケットパークレストハウス)に電話し、その日に無料バスが運行しているかどうかを確かめてから、渋滞を離脱しよう。
このくらいの用心深さがないと、地方ではとんでもない目に遭う。
また逆に珠洲方面から来る場合は、道の駅の入口が封鎖されており、通り越した先にある臨時駐車場を紹介される。
だがそこに係員がいるわけではなく、ほとんど路上駐車に近い状態でクルマを停め、坂道を歩いて登ることになる。
それよりは、さきほどの漁港からパーク&ライドするほうがいいので、最初にナビを「名舟漁港」にセットしておくことをお勧めする。

出典:公益社団法人石川県観光連盟
もちろん我々には、それを見越して前日から車中泊をする手もあるのだが、白米千枚田に陽が入るのは夕方なので、少し早めに行く必要がある。
加えて「道の駅 千枚田 ポケットパーク」の周辺には、日帰り温泉やコンビニ・スーパーはないので、その際は所用をすべて済ませてからにしよう。
そんな旅行者のためだろうか、ちゃんと大きな可燃物のゴミ箱が置かれているのは素晴らしい。
なお、朝は陽が高く昇ってからのほうがキレイに撮れる。
最後は物販飲食についてだが、テナントも駐車場と同様、リニューアル前とは比較にならないほど充実している。
ただ食事は軽食程度のようだ。
普段は17時30分で閉まるが、ライトアップの日は20時まで営業するらしい。
いかにも「道の駅 千枚田 ポケットパーク」らしいメニューがいいね。
「道の駅 千枚田 ポケットパーク」の車中泊好適度
白米千枚田 オフィシャルサイト
「道の駅 千枚田 ポケットパーク」の最寄りの温泉&周辺買物施設
ねぶた温泉 海游 能登の庄
☎0768-22-0213
おとな700円(15時以降 800円)
9時〜22時・不定休
※旅館の温泉の外来利用なので、行く前に電話で営業状況の確認を。
コンビニ・スーパーマーケットともに、10キロ以上離れた輪島市内に行かないとない。