この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

ミニバンは屋根付きの駐車場で車中泊が可能
「道の駅・開国下田みなと」は、日米和親条約により即時開港となった下田港の一角にあり、倉庫と向かい合うように建っている。


「道の駅・開国下田みなと」の特徴は、駐車場に「屋根」があることだろう。
二階部分が駅舎となっているおかげで、悪天候でも風雨にさらされる心配がない。
高さ制限は2.5メートルなので、キャンピングカー仕様のハイエースでも入ることができる。
特に河津桜まつりが開催される真冬は、晴れれば放射冷却でクルマが凍てつく季節だけに、FFヒーターのないミニバンなどの普通車にとって、それを遮断してくれるこの場所は、このうえなく快適な車中泊環境といえる。
ただし… アイドリングをするとエンジン音が反響し、排ガスが付近に滞留して匂う。
ここでは車内にいても気になるくらいの人迷惑なので絶対に控えよう。
逆にそういう旅行者が多いと感じれば、あえてここを利用しない方法もある。
加えてキャブコンなどの大型車両用に、もうひとつ青空駐車場が設けられており、そちらにもきれいなトイレがある。
傾斜がほとんどなく、トイレの近くに駐車できるので、こちらのほうが空いていて快適かもしれない。
ただし、すぐ近くが海なので、強風が吹くとモノに食らう。

この駐車場での車中泊が禁止されたという情報がネット上に流れたため、自らの目で確認してきた。
その結果、それらしき内容の表示で見つかったのはこれだけだ。以前からあったものだが、これを「車中泊禁止」と受け止めるのは「拡大解釈」だろう。ただ長期滞在者がいたのは事実で、それを抑制するという意味では理解できる。
今度は施設の紹介に移ろう。
まずここには下田の観光案内所と伊豆半島ジオパークのインフォメーションが置かれている。
ここの観光情報は、数ある道の駅の観光案内所の中でも群を抜いて豊富だ。
場内には3件の飲食店があり、地元の魚介類が味わえる回転寿司レストランは午後8時まで営業している。
特産の金目鯛の握りや棒寿司などもある。食べたいネタだけ狙い撃ちすれば案外安くあがるかも(笑)。
一階にある食事処「さかなや」は、特産の金目鯛の煮つけと刺身の定食メニューが充実している。
写真は両方揃った「地金目定食」2000円。
ランチにしては値が張ると感じるかもしれないが、稲取や河津で食べるより格段に安いと思う。

ゴミ箱は、あるにはあるが… という感じ。
この道の駅の難点は、地デジの電波が弱いこと。
強力なアンテナがあれば話は別だが、見たい番組のある日は、ここでの車中泊は避けたほうがいいかもしれない。
■最寄りの温泉
温泉は、約4キロ離れた蓮台寺温泉にある「金谷旅館」が断然お勧め。
入浴料1000円は高いように思うかもしれないが、これほど風情のある温泉はそう多くはあるまい。

こちらは道の駅の隣に作られた「まどが浜海遊公園」。駐車場は24時間出入りができ、道の駅が満車ならここを利用するといい。トイレは入口の建物にあり、終日使える。

「まどが浜海遊公園」については、明らかに利用条件が変わっていた。ここは午後5時で閉鎖され、「利用時間外は駐車できません」と明記されたため、実質的に車中泊は不可能になった。
広い敷地には坂本龍馬の銅像のほかに足湯も。
朝のワンちゃんの散歩にはうってつけの場所だろう。
最寄りのスーパーは、道の駅から約2キロ離れたところにある東急。また下田公園の近くにはマックスバリュもある。
道の駅 開国下田みなと
〒415-0000 静岡県下田市外ケ岡1−1
電話:0558-25-3500