この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 天城越え」は、伊豆半島の背骨を貫く国道414号の修善寺と下田の中間にある道の駅
道の駅 天城越え【目次】
「道の駅 天城越え」のロケーション
地理では分からなくても、この道の駅がどういうところにあるのかは、石川さゆり様が詳しく教えてくれているので、周知の人は多いと思う(笑)。
「道の駅 天城越え」は、この楽曲の譜面が刻まれた「浄蓮の滝」から、国道414号を南へ約2キロ下ったところにある。
ちなみに「天城越え」という言葉は、下田街道の最大の難所であった「天城峠」に由来するのだが、1905年(明治38年)に「天城山隧道(旧天城トンネル)」が開通し、多くの人と物資がその「天城峠」を越えて行き来できるようになった。
ただ現在は、国道414号の途中にある1970年(昭和45年)に開通した「新天城トンネル」を通るので、「天城山隧道」をクルマでくぐることはできない。
今の「天城山隧道」を含む旧街道「天城路」は、「踊子歩道」と呼ばれる全長約16キロメートルの遊歩道として整備されており、「浄蓮の滝」へもそこから歩いていくことが可能だ。
以前は修善寺を過ぎると「天城越え」まで道の駅はなかったのだが、2019年に手前の「月ヶ瀬」に新しい道の駅が誕生した。
しかし「道の駅 伊豆月ヶ瀬」の駐車場には全体的に強い傾斜があって、車中泊には適していない。
そのため、東海方面から「河津桜まつり」を目指す車中泊の旅人が「前泊」に利用するなら、今でもこの「道の駅 天城越え」のほうがいい。
「道の駅 天城越え」の施設
「道の駅 天城越え」で、まず驚かされるのは駐車場の広さだ。
収容台数200台というのは、ロケーションからすればオーバースペックにも思えるが、国道414号は三島から下田へと通じる一本道だけに、日中は訪れる人が多いのだろう。
駐車場は2段に分かれており、緩やかな傾斜があるところもあるので、できれば明るいうちに到着して、座りのいい場所を確かめるほうがいい。
ちなみにベストスポットはこの多目的トイレがある近く。
なお、近くにはウォシュレットを完備した真新しい24時間トイレもある。
車中泊禁止は既に解消
「道の駅 天城越え」では、一時期「車中泊禁止」の掲示がなされたと聞いていたが、2021年7月に訪ねた時には既に訂正されていたようで、そのような内容が記されたボードやパネルは見つからなかった。
さて。
こちらがトイレと駐車場を除く「道の駅 天城越え」の全容だ。
建物の前は広大なロータリーになっており、駐車場は少し離れたところに設けられている。
「道の駅 天城越え」の駅舎にあたる「昭和の森会館」。
館内には、天城の自然をパネルとビデオで紹介する「森の情報館」と、「伊豆半島ジオパーク天城ビジターセンター」及び有料の「伊豆近代文学博物館」がある。
よく見ると、壁には「寝乱れた石川さゆり」のポスターも(笑)。
さらに美しく手入れされた中庭には、わさび田、水車、もみじ林があり、移築された井上靖旧邸を見ることもできるそうだ。
こちらはレストランと土産店がある「緑の森グリューネバルト」。
ちなみに「昭和の森食堂」はかつての名前で、電飾看板は修正されずにそのまま残されている。
ここでは自家製の猪チャーシューの入りのラーメンと、わさび入りの地ビールが人気のようだが、筆者はいずれも口にしてはいない。
その隣には売店の「天城わさびの里」と「竹の子かあさんの店」があるが、いずれも16時30分までと閉店時間は早い。
「道の駅 天城越え」の名物はわさびで、生わさびは運が良ければB級品があり、1本300円ほどで手に入る。
ここで車中泊をするなら、「刺し身」と「わさびのおろし板」を持参していくといいね。
「道の駅 天城越え」の車中泊好適度チェック!
道の駅 天城越え オフィシャルサイトなし
「道の駅 天城越え」 最寄りの温泉&買物施設
テルメいずみ園
道の駅から約7キロ・10分
☎0558-85-2455
おとな700円
10時~21時30分(受付最終21時)・火曜定休
秘湯系が好みの方には、道の駅から約6キロのところにある「世古の大湯100円」がお勧めかも。
コンビニ
セブンイレブンまで約6キロ
スーパーマーケット
「マックスバリュエクスプレス天城湯ケ島店」まで約10キロ