この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

車中泊旅行者にとって、本当に役立つ道の駅の情報ってなに?
~プロローグ~
インターネット検索における「道の駅情報の実情」
筆者は「道の駅」の役割が「道路利用者の休憩施設」だけではないことを十分承知したうえで、あえて日本国内を「車中泊のクルマ旅」で周遊する人が、真に求めたいと思う情報にスポットを当て、10年以上の歳月をかけて北海道から九州まで、実際に取材を重ねたものをベースにまとめて、ムックとウェブサイトからコツコツと発信してきた。
このワークの一番の背景は、インターネット上で「まっとうな車中泊の旅人」が望む、本当に有益な情報を効率よく探し当てられないことにある。
筆者に限らず、旅をしてみたいエリアが決まれば、そこにある「道の駅○○ 車中泊」と検索して、車中泊に好適かどうかを調べる人は多いと思う。
ところが、どうだ。
最近のGoogleの上位には、マップと住所・電話番号に、第三者の投稿コメントを集約した「食べログ」まがいのサイトや、「VAN-LIFE」を気取る若者が、旅の資金稼ぎを目的に、「やっつけ仕事」で作ったとしか思えないような、中身の薄いアフィリエイトサイトがやたらと目立つ。
同じ言葉、同じ単語が本文中に何度も繰り返し出てくるサイトがそれだ。彼らは人ではなく、グーグルロボットに見てもらうことを最優先にしているから、そんな歪なサイトになる。
SEO対策に熱心なのは勝手だが、その「ハズレくじ」を引かされるこっちは、たまったもんじゃない(笑)。
現に今は、中身の精査ができないGoogleそのものの信頼性が揺らいでおり、若者たちはInstagramで、本当に知りたいことを探しているという。
だが我々中高年が、そこまでメディアを達者に使いこなすのは難しい。
できることなら、慣れしたんだ従来の検索エンジンで、納得の行く情報が得られることを望んでいる。
道の駅での車中泊は問題なし。
車中泊の旅人の知りたいことが、「この道の駅は安心して車中泊ができます」。でないことは云うまでもない(笑)。
この文章は先ほど説明したとおり、検索ロボットに「道の駅」と「車中泊」を回数多く読み込ませ、SEOポイントを高めるためだけに書かれたもので、車中泊の旅人を安心させようなんて意図のない「小賢しいテクニック」なのだ。
言葉は優しくても、本音はそういうセコイところから透けて見える。同年代にはそれでいいかもしれないが、中高年には通用しない。同じやるなら、若者らしく、もっと汗をかいて働きたまえ。
詳しくは以下にまとめているが、長距離輸送トラックがサービスエリアと同じように道の駅を利用するかぎり、仮眠も本眠もなく、そこでの車中泊を咎めることができないことは明白だ。
にもかかわらず、「道の駅は車中泊禁止うんぬん」と云っているのは、車中泊に対する認識不足の人間、もしくは売名を図るマスコミだけ。そういう記事をリリースすれば、SNSでは「いの一番」に拡散される(笑)。

筆者は2020年にテレビ東京で放送された、ドラマ「絶メシロード」の車中泊シーンを監修したが、その第4話のロケ地は、伊豆半島随一の人気を誇る「道の駅マリンタウン伊東」だ。
これは先ほどの「車中泊の定義」に基づく内容なら、道の駅は容認するという証明以外の何物でもない。
もうそろそろ、車中泊をちゃんと知ろうともしない、外野の声に惑わされるのはやめよう。
本当に車中泊の旅人にとって大事なことは、そんな低次元の話じゃない。
車中泊旅行者にとって、本当に役立つ道の駅の情報とは…
筆者は各道の駅の記事を以下の観点からまとめている。
1.その道の駅のロケーション
スタンプラリーで「道の駅めぐり」をする人と、クルマ旅の途中で「道の駅に泊まる人」の一番の違いは、その道の駅が「旅の宿」としての要件を満たしているかどうかにある。
つまり行きたい観光地との位置関係や、温泉やコンビニ・スーパーといった生活施設が近くにあるかないかが、もっとも重要なことになる。
すなわち、明らかに「旅の宿」の要件を満たしていない道の駅は対象外。ゆえに、当サイトではすべての道の駅の取材をする予定はない。
2.その道の駅の施設
車中泊の旅人が具体的に知りたいことは、そこで売っている評判のご当地グルメより、駐車場がフラットであるかどうか、夜間は静かであるかどうか、プライベート性が保ちやすいかどうか、さらに観光情報がちゃんと得られるかどうか、加えて可燃物のゴミが捨てられるかどうかなどだと思う。

道の駅 あさひかわ
ゴミは持ち帰りが当たり前のように語る車中泊旅行者は多いが、筆者は必ずしもそうとは思っていない。1ヶ月に及ぶ長旅と、1泊2日の週末旅では事情があまりにも違う。

道の駅 遠野(岩手県)
道の駅が断りたいのは、ゴミの回収日にちゃんと出せず、その「家庭ゴミ」を道の駅に持ってくる地元住民であることは、ほんの数回、道の駅で車中泊をしてみれば誰にでも分かる。
旅人はわざわざエコバッグにゴミを入れて、捨てになどこない(笑)。彼女はこれ以外にもまだ2つエコバッグを持参していたところから察するに、常習犯なのだろう。

道の駅 富士おやま(静岡県)

もし疑いたければ、ゴミを清掃回収しているおばちゃんに、「手渡し」でゴミを渡してみるといい。
毎日お客を見ているおばちゃんは、旅人と住民の違いがすぐに分かるので、断ったりはしない。
実際に筆者は一度も断られたことはないし、注意も受けたこともない。

筆者は「電話取材」などせず、自分の目で真実を確かめ歩いてきた。
長旅をすれば誰もが直面する、個人では物理的に解決できない問題を、正義ヅラして語りたいなら、最低でもまずは自分が身を持って体験してみる必要があるのでは。
反論があるなら、それから伺おう。
3.その道の駅の車中泊好適度
2とも重複するが、筆者は下記の6つのポイントから、その道の駅の「車中泊好適度」を評価している。
1.駐車場の平坦性
2.駐車場のキャパシティー
3.可燃物のゴミ箱の有無
4.旅行情報の充実度
5.付帯設備の充実度
6.周辺の車中泊環境
4.その道の駅の最寄りの温泉
今はgoogle-Mapを使えば簡単に探せるが、当サイトではその手間が省けるよう、筆者が代わりに調べている。
5.その道の駅周辺の買い物施設
車中泊の旅人は「自炊派」と「外食派」に大別されるが、筆者は晩酌がしたいので自炊をすることが多い。
旅に出れば、その地域で人気を集める素晴らしい品揃えのスーパーマーケットに出会うことも多く、それも楽しみのひとつである。
また、晩酌はキャンピングカーに乗り換えた大きな理由でもある。
8ナンバー登録されたキャンピングカーは、車内で調理ができるよう細かな要件が決められており、それを満たすことが義務付けられた特殊車両だ。
その件においては3や4ナンバー車とは大きな隔たりがある。ゆえに水場まで道の駅に求めることはない。
6.その道の駅のアクセスマップ
ご年配の中には、今なお「カーナビ」を愛用されている人も多いと思うが、もはやgoogleやYahooナビには到底かなわない時代なので、スマホを併用するほうがいい。
当サイトでは、各記事に掲載しているgoogle-Mapをそのままナビに転用する方法を記載しているので、それを参考にすると簡単だ。
さて、百聞は一見に如かず。


なお以下は、道の駅にサービスエリアやオートキャンプ場・RVパーク、さらに有料・無料の駐車場を加えた「車中泊スポット」を地域別に編集したもの。
簡単に云えば、これが「本丸」で、道の駅はその中の館のひとつに過ぎない。
日本全国の車中泊スポットを一挙公開!







当サイトの記事は、100%現地取材に基づき執筆しています。
ただしご承知のとおり、道の駅を含む各施設が、車中泊旅行者を受け入れる姿勢は流動的で、記載内容が実際に訪問された際にも、そのまま当てはまるという保証はできないのが実情です。
万一異なる際は、現地に記されている内容に従って行動してください。
またその内容をこちらのページからご一報いただければ幸いです。