フルフラットにならないクルマで、とりあえず車中泊ができるようにする方法【クルマ旅のプロが解説】

車中泊 フルフラットにできないクルマ今から始める車中泊

車中泊旅行歴25年の現役のクルマ旅専門家が、フルフラットにならないコンパクトカーのようなクルマでも、とりあえず車中泊ができるようにする方法をご紹介。

「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド

この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。

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~ここから本編が始まります。~

大人が横になれる長さがあれば、どうにかなる。

スペード 車中泊

この記事は、「現在乗っている乗用車で始める車中泊」という観点から書いており、ざっくばらんに云うと、何かの刺激を受けて「この週末からでも、とりあえず車中泊でクルマで旅に出かけたい!」という衝動に駆られた人向けの話になる(笑)。

草津温泉

目標は、思っていたより眠れた!

有効なのは折りたたみコンテナとスノコ、そして厚手の車中泊マット

リクライニングシートでの車中泊は、エコノミークラス症候群を発症するリスクがある

必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集 
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目標は、思っていたより眠れた!

車中泊

まずクルマのシートの寝心地は、乗り心地と反比例する。

乗り心地を追求している乗用車のシートは、横揺れに対するホールド性を高めた構造になっているため、フルフラットにできたところで、凸凹が大きく寝心地が悪いのは当然だ。

そして、それを改造なしに快適化するには限度がある。

ホンダ 車中泊

すなわち最近のホンダ車のように、車中泊を想定した乗用車以外のシートは、もともと車中泊に適していない。

つまり最終目標は、「思っていたより眠れた」というあたりに置くほうが、朝起きた時の落胆は少ないと思う(笑)。

とはいえ

こういうシートアレンジができるクルマは、多くのサイトで紹介されているように、タオルや使っていない座布団などでできるだけ凸凹を埋め、そのうえに下の車中泊マットを敷けば、「思っていたより寝られる」レベルには到達する。

なお、「さらなる快適さ」を求めたければ、以下のページを参考に。

有効なのは折りたたみコンテナとスノコ、そして厚手の車中泊マット

日産リーフ

問題はフルフラットにならないクルマだ。

写真は日産のリーフだが、フルフラットにならないクルマの多くは、このようにリアに大きなラゲージスペースを有している。

リーフで車中泊

車中泊仕様にするには、そのスペースを写真のように埋めてやればいい。

その際に使えるのが、「折りたたみ式のコンテナ」と「スノコ」だ。

台にもできる「折りたたみ式のコンテナ」は、収納スペースの機能をある程度残せるうえに、普段はたたんでコンパクトに収納しておけるスグレモノで、サイズも数種類あるため汎用性が高い。

スノコを上に載せるのは安定性を良くするためだが、フルフラットシートでもスノコを使うと飛躍的に平坦性はアップする。

既製品を買っても安いし、適度なサイズがなければDIYするのも難しくあるまい。

さらにさきほどのマットを載せれば、こちらも「思っていたより寝られる」レベルには到達する。

もっともこれは基本であって、身長によってはクッションを加えて寝る向きを変えるなど、さらに工夫の上乗せが必要かもしれない。

しかしこの方法を応用すれば、車中泊に使えるクルマの選択肢が広がることは確かだと思う。

ただ「思っていたより眠れる」レベルの上乗せは、ほどほどにしておくほうがいい。

この方法は「とりあえず車中泊」の対応策の域を出るものではなく、筆者が推奨する「スマート車中泊」は、異なるベクトルの上にある。

つまり進むなら「脱皮」、すなわち車中泊に適したクルマへの乗り換えがお勧めだ。

リクライニングシートでの車中泊は、エコノミークラス症候群を発症するリスクがある

リクライニングシート

災害があるたびにニュースでも報道されるので、既にご存知の方は多いと思うが、「運転席をリクライニングして寝る」というのは極力避けたほうがいい。

出典:NHK

「エコノミークラス症候群」については、以下の記事に詳しい内容を掲載している。

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