このサイトでは、既に車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、20年以上の歳月をかけて培ってきた、オリジナルの車中泊ノウハウとそのアイデアを紹介しています。

これが本気の車中泊クルマ旅。
筆者の座右の銘は、「好きこそ、ものの上手なれ」。
他人が見たら呆れることも、「三度の飯より好き」であれば苦にならない(笑)。
オートパッカーの真骨頂【目次】
エピローグ
車中泊を通じて豊かにすべきは、「クルマの寝心地」でも「働き方」でもなく「余暇」
旅
北の大地を駆け巡る。
北海道を自由奔放にクルマで旅する「切り札」が「オートパッカー」だ。
広大な北の大地では、「オートパッカー」はどちらかといえばライダーに近い旅のスタイルになる。
団体ツアーでは対象外の「一本道」や「峠」、時には「廃線跡」を目指して進むことも多い。
北海道は、本州のようにどこにでもコンビニや食堂があるわけではなく、とっておきの大自然を心ゆくまで楽しむには、いつでもどこでも食事が可能な自炊を取り入れるほうがいい。
嬉しいことに、北海道には手料理できるソウルフードがたくさんある。
ジンギスカンや鉄砲汁はもちろん、今は豚丼のタレやスープカレーの素までスーパーに行けば揃っている。
北海道まで来て、ありきたりの焼き肉や鍋をつつくのはもったいない。
礼文島・香深フェリーターミナルの無料駐車場。高いお金を払わなくても、オーシャンビューが味わえる「一等地」はたくさんある。
アウトドア
憧れの槍ヶ岳に挑む。
我々夫婦は、登山を趣味する人達に比べると、経験も情熱もまったく稚拙だ。
しかしせめて一生に一座くらいは、深田久弥氏が紹介している「日本百名山」に登ってみたい…
槍ヶ岳はそんな想いでチャレンジした山だった。
上高地からのルートは、距離は短いが急峻だと聞いていたので、無理をせずにまずは沢渡で一晩車中泊して、翌朝バックパックで上高地から徳沢まで進んでベースキャンプを張った。
既にここまでで2泊。
たぶん登山愛好家から見れば、かなりゆっくりした「おこちゃまペース」だと思う(笑)。
翌朝はそこから槍ヶ岳まで登って、標高3000メートル地点に建つ「槍ヶ岳山荘」に泊まった。
それにしても、ここにテントを張れる猛者は本当に逞しい。
帰りは再び徳沢に泊まり、翌朝テントを片付けて山を降りた。
シャトルバスで沢渡に戻り、今度は奥飛騨温泉郷の平湯温泉で疲れを癒やす。
夕方はすぐ近くの平湯キャンプ場にテーブルを広げ、郷土料理で精をつけた。
述べ5日のアウトドア旅行だが、これなら小学生でも高学年なら軽くついてこれるに違いない。
孫との槍ヶ岳登山、考えただけでワクワクする(笑)。
車中泊+テントキャンプ+山小屋+オートキャンプ。
ある意味では、オールラウンドプレーヤーだけが味わえる、極上の槍ヶ岳登山かもしれない。
食べ方比べ
讃岐うどんを極める。
一説では600軒とも700軒とも云われる香川県内の「うどん店」を、一軒一軒食べ歩くことは地元の人間でも至難の業だ。
しかもそれぞれの「麺」「つゆ」、さらには「食べ方」にいたる「讃岐うどんの味」を比較評価するなど、食のプロでも容易ではあるまい。
そんなことを観光客がやろうとすること自体に無理があるし、もっと云えば讃岐を冒涜している(笑)。
だが讃岐うどんの「食べ方」は、
❶かけ
❷釜揚げ
❸ぶっかけ
❹醤油
の大きく分けて4つしかなく、それをすべて味わって帰ることは難しくない。
「うどん県」香川の真髄は、食文化とも呼べるユニークなその食べ方にあるのだ。
問題は「売り切れ御免」。
「がもううどん」のような人気店は開店前から人が並び、ゴールデンウィークのような繁忙期は、午前中でうどんが完売してしまうこともある。
史跡探訪
大河ドラマの舞台をめぐる。
筆者はここ数年、大河ドラマの主人公ゆかりの地を訪ねる旅を続けている。
中には史跡も多いが、生家、あるいは幼年期・青年期に過ごした場所や、定宿にしていたところなど、「ゆかりの地」の範疇は驚くほど広い。
また歴史上重要で有名な場所であるにもかかわらず、石碑1本しか残されていないところもある。
またそういう場所は道が狭く、観光バスツアーでは外されてしまうことも多い。
とはいえNHKの良いところは、主人公ゆかりの地の行政と連携して「大河ドラマ館」を作り、新たな町おこしのきっかけを講じている点だ。
それが情報に厚みや深みを加わえ、旅人にもプラスの影響を与えている。
たとえば、「坂本龍馬・脱藩の道」が残る高知県の梼原(ゆすはら)には、2010年に龍馬伝が放送される遥か以前の1995年から、この「維新の群像」があった。
だが筆者は上のドラマ館を訪ねたことで、はじめてその存在を知り、帰宅後それをガイドにまとめて執筆している。
エピローグ
車中泊を通じて豊かにすべきなのは、「クルマの寝心地」でも「働き方」でもなく「余暇」
既に2000ページを超えた筆者のオリジナルサイトは、ネット上に築き上げた「戦国時代のお城」のようなものだ。
今はまだ姫路城ほどではないが、石垣から門・櫓・天守にいたるまで、様々な工夫を凝らして作り続けている(笑)。
その中で今ご覧いただいている「オートパッカー」のサイトは、位置づけは「天守」かもしれないが、ボリュームはわずか10%程度にすぎない。
すなわち、大半は「城郭」を構成している別のコンテンツになる。
マスコミ諸君は、よく筆者を「車中泊の達人」と持ち上げてくれるが、当の本人は車中泊に達人がいるとは思っていない。
素人が頑張ってクルマを改造したところで、キャンピングカーを買って車中泊を始めたばかりのビギナーと、フィールドでできることに大差はない。
しかも3・5ナンバーをつけた乗用車の改造は、現実的に不可能に近い。
裏返せば、それほどキャンピングカーというのはよくできている。
そもそも、車中泊は「手段」であって目的ではない。
もし車中泊が目的なら、目指すゴールは「車上生活者」になってしまう(笑)。
そうならないためには、視点を変えてもっと日本を旅しよう。
車中泊を通じて豊かにすべきなのは、「クルマの寝心地」でも「働き方」でもなく、「余暇」だと筆者は思っている。
「オートパッカー」は、レジャーやホビーを愉しむためのものでいい。
それもあって、「絶メシロード」の監修を引き受けた。
ここが大上段に構える「バンライフ」との決定的な違いであり、だからこそ、妻子を持つサラリーマンには大いに真似していただきたいと願っている。
The “Auto-Packer”
車中泊の位置づけは「手段」。 「目的」は生活ではなく、クルマ旅やアウトドアを愉しむこと。


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