このサイトでは、既に車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、20年以上の歳月をかけて培ってきた、オリジナルの車中泊ノウハウとそのアイデアを紹介しています。

オートパッカーという表現が閃いたのは、1999年秋。
それは子供達が小学生の高学年を迎え、いよいよ翌年に北海道へのキャンプ旅行を計画している最中のことだった。
当時の愛車はビッグホーン。キャンピングギアを積んで、家族4人が北海道を駆け回るには十分なサイズと馬力を持った4WDのSUVである。
しかし10日程度の短期間で、北海道をロスなくキャンプで周ることを考えると、ビッグホーンでは「どうしてもクリアできない難題」があった。
車中泊… 当時はまだ誰もがそれをPキャン(パーキング・キャンプ)と呼んでいた時代である。
もっとも筆者の場合は、キャンプ場に着くまでに宿泊が必要な場合は、道の駅やサービスエリアで泊まることもあるが、あくまでも目的はキャンプサイトでの設営・撤収の負担を軽減すること。
その為にクルマでも寝たいというのが、そもそものきっかけだった。
イメージはバックパッカーのクルマ版
必要なものをザックに放り込み、時にはキャンプ場、時にはユースホステル、またある時には駅の構内など、その時々の状況にマッチする寝場所を選んで旅を続ける…
そんなバックパッカーのスタイルが、家族4人クルマでできればいい…
つまり、ライフラインのない場所に停泊し、食事やトイレ、炊事などをすべて車内で済まそうと考えるキャンピングカー(モーターホーム)とはスタンスが違い、キャンプ場のように水場とトイレがある場所に泊って、悪天候時以外は一連の作業を全て車外で行うことが前提だ。
ゆえに8ナンバーである必要はなく、代わりにサイドオーニングやリアゲートキッチン、そして圧倒的な荷物搭載力とキャンピングギアが必要だった。
2000年にウェブサイトを立ち上げ、2007年に書籍化
2000年の秋、17泊18日の北海道車中泊旅行記と、オートパッカーの仕様をまとめたウェブサイトを開設した。
当時はまだ、世の中に車中泊に関するホームページが少なかったこともあり、そのサイトは検索エンジンで常時1位にランクされていた。
それが車中泊ブームの到来で、一躍マスコミの目を引くことになる…
そして、団塊の世代が定年退職のピークを迎えた2007年7月。
1年前に依頼を受け、その本のために取材と撮影を重ねた著書、「ミニバン車中泊バイブル」が、今の毎日コミュニケーションズから出版されることになった。
この本は、実質第5版(5版は2015年6月に最新版として内容をリニューアル)、通算では1万部を超えるベストセラーとなった。なお現在は電子書籍化もされており、アマゾンで購入することが可能だ。
さらにその翌年の夏、今度は初の車中泊専門誌「カーネル」が発刊される。
成り行き上、その中の「車中泊で旅する」という企画の連載を担当することになり、創刊号ではカラー16ページに及ぶ巻頭特集を執筆した。そこから本格的なプロとしての仕事が始まり、現在に至っている。
The “Auto-Packer”
車中泊の位置づけは「手段」。 「目的」は生活ではなく、クルマ旅やアウトドアを愉しむこと。


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