25年以上の車中泊歴経験を持つクルマ旅専門家がまとめた、2024年1月現在の、「どこでもディーガ」を使って車中泊時にアンテナなしでBS放送を見る方法の紹介です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
自宅にあるTVチューナーから、テレビ電波をインターネット経由で、旅先のスマホやタブレットに転送する。
旅先でBSのプロ野球中継や、録画してある番組が見たいような人にジャストミート!
「どこでもディーガ」はパナソニックが提供している、「テレビ映像リモート視聴システム」
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集旅先でBSのプロ野球中継や、録画してある番組が見たいような人にジャストミート!
クルマ旅も1週間以上になれば、さすがに世の中の情報が知りたくなるものだ。
というより、天変地異の多い現代は「テレビを見るほうがいい」(笑)。
もっとも地デジは、わざわざアンテナを立てなくても、性能の良いアンテナ内蔵のテレビがあれば、それなりに何とかなる。
だが、BS放送だけは別…
車載用の自動追尾式BSアンテナは20万円近くするうえに、品切れになることも多く、そう簡単には手に入らないようだ。
そのため、三脚やラダーに大きな自宅用のパラボラアンテナを載せ、移動するたびに角度調整をしている人達を見かけるわけだが、「そこまでして…」ということで、衛星放送を見ることは諦めていた。
ところが…
あっと驚く方法で、旅先でBS番組を見ることができることを知った。
愛用してきた「Slingbox」は、2022年11月でサービスが終了
その「魔法使い」とも呼ぶべき機械が、写真の真ん中にある「Slingbox(スリングボックス)」だった。
事実、これを使えば携帯電話さえ通じればどこでもOK。
槍ヶ岳のてっぺんでも、巨人戦の生中継を見ることができた(笑)。
Slingbox
「Slingbox」は米国Sling Media社が開発した、45カ国100万人以上が利用している、世界標準の「テレビ映像リモート視聴システム」のこと。
家族や友人が日本でテレビチューナーに「Slingbox」を接続してくれるだけで、赴任先の海外でもリアルタイムで日本の番組を見ることができたため、外交官や商社マン、あるいは留学生たちに喜ばれ、その噂が国内でも広がり、筆者はそれをクルマ旅で活用してきた。
だがSlingboxの開発元であるSlingMedia社より、2022年11月9日(米国時間)をもってサービスを停止することが発表され、以降使えなくなることが判明する。
そこでネットで調べてみると、今は同様の「テレビ映像リモート視聴システム」を「ガラポンTV」「WAVECAST」「Smart Cloud Service」などが展開しており、そちらへの乗り換えを勧めるサイトが数多く見られた。
ただ筆者は「Slingbox」の前にも、米のMonsoon Multimedia社が開発した「VULKANO FLOW(ボルカノフロー)」という「テレビ映像リモート視聴システム」を使っており、それも2017年2月の突然のサービス終了で使えなくされた経験を持っている。
その結果、両者はいずれもゴミとなって我家から消えた。
幸いなことに、どちらも1万円ほどで手に入れたものだったので、元は十分に取れているが、歳を重ねるごとに機械オンチになっていく今後を考えると、突然「ハシゴを外される」可能性の少なそうな企業の製品を選びたいと強く思った。
「どこでもディーガ」は、パナソニックが提供している「テレビ映像リモート視聴システム」
パナソニックは比較的早くから、「テレビ映像リモート視聴システム」の開発に力を入れており、家庭内LANで同様のことができる機種を、「ビエラ」のブランド名で他社に先駆け市場投入してきた。
大手の家電メーカーでは、この分野のパイオニア的存在と云っていいだろう。
ただ「Slingbox」を買う時点では、まだ家の外ではそのサービスが使えず、断念した経緯がある。
それから5年が経ち、もちろん今はそれも解消している。
ただし「どこでもディーガ」の電波変換アダプターは、テレビチューナー(HDD のDIGA本体に内蔵されているので、他社のテレビチューナーに接続して使うことはできない。
とはいえ、DIGAの「どこでもディーガ対応機種」を買えば、ややこしい配線に戸惑うことなく、1時間ほどでスマホやタブレットでテレビが見られるようになる。
そのため筆者のように、機械いじりが好きではない人間には最適だ(笑)。
たまたま我家では、2004年のアテネ・オリンピック前に購入した、東芝のHDDデコーダーを物持ちよくメインに使っていたので、この機会にそちらにはご隠居していただき、家督をDIGAに譲っていただくことにした(笑)。
同様の事情がある方には、「どこでもディーガ」はお勧めだと思う。
ちなみに筆者が購入したのは容量2TBのHDDがついたこのタイプ。
パナソニック 2TB 2チューナー ブルーレイレコーダー どこでもディーガ対応 おうちクラウドDIGA DMR-2W201
なお、実際にスマホやタブレットで視聴するには、「どこでもディーガ」の無料アプリのインストールと、パナソニックが提供するテレビ番組情報ウェブサービスの「ディモーラ」への会員登録が必要だ。
「ディモーラ」については、以下の解説サイトを読めばよくわかる。
なお「どこでもディーガ」は、You Tubeなどのインターネット動画を見るのと同じで、「携帯電話のギガ」を消費する。
ギガの消費は1ギガ/1時間が目安という感じで、携帯回線のまま映画などを連続で見れば、10ギガ程度ならわずか数日で消費してしまうことになる。
道の駅などのWifiを利用すれば話は別だが、速度や時間の問題で、なかなか使いづらいのが実情だ。
ちなみに筆者はドコモユーザーなので、20Gまで月額2980円のahamo(アハモ)を利用している。
ahamoには「大盛り」という、月額4980円で100Gまで使えるオプションコースがあり、長期で出かける時には、その時だけそちらが利用できる利点がある。
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