このサイトでは、既に車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、20年以上の歳月をかけて培ってきた、オリジナルの車中泊クルマ旅スタイル「Auto-Packer」で、実際に使ってきたグッズとアイデアを紹介しています。

週末の車中泊旅行は、700Whのポータブル電源で十分足りる。
もちろん車内でどのような家電を使うかによるが、筆者が使用していた時代の「ポータブルバッテリー」の基本的な用途は、セルブーストと携帯電話やデジカメの充電程度のものだった。
10年ほど前に車中泊がブームとなり、脚光を浴びたポータブル電源だが、結論から云うと、キャンピングカーのサブバッテリーシステムの前では赤子同然。同じ目的で利用するには「お話にならない代物」だった。
しかしそれは平成までの話。令和のそれは、サイン波インバータ内蔵の大容量リチウムバッテリーに様変わりしている。
ポータブル電源 使用時間の目安
容量は700Whで、ロスを加味しても、60Wの家庭用電気毛布なら24時間程度使える。
とはいえ、大容量のバッテリーはそれだけ充電にも時間を要するため、長旅では途中で満充電状態に戻すことは不可能に近い。
そのため車中泊では2泊3日が限度だろう。ただ、配線を入れると20万円以上はかかるサブバッテリーシステムとのコスト差を考えれば、まったく悪くない選択肢だと思う。
なお1泊2日なら容量の少ない下のサイズでも容量は十分に思えるが、ポイントは内蔵しているインバータの最大ワット数の違いにある。
上の「ポータブル電源 700」は500Wの家電まで対応しているので、1.5合炊きの炊飯器なら問題なく使えるが、下の「ポータブル電源 400」だと微妙かもしれない。また同時に複数家電の使用を想定するなら、価格差を鑑みても筆者なら「ポータブル電源 700」を選ぶだろう。
ちなみにキャンピングカーは、走行充電・ソーラー発電・外部充電の3つの充電方法を駆使して長旅に対応している。またインバータは1500Wまで対応できるものが大半だ。
最強は三菱のアウトランダーPHEV
最後に、電気を希望するなら、ハイブリッドや電気自動車にも注目しよう。
現在もっともフィールドで実用性が高いのは、三菱自動車のアウトランダーPHEVだ。
クルマのバッテリーの電気を、最大1500Wまで100Vに変換できるため、電子レンジやヘアドライヤーなどの家電も使え、ガソリン満タンなら、なんとエンジンを切ったまま10時間以上カーエアコンを稼働できるという。
キャンピングカーのサブバッテリーも、まったく太刀打ちできない大容量は、もはや驚くしかない。
しかも、既にアウトランダーPHEVの車中泊仕様モデルは発売されている。
サブバッテリー入門


