この記事は、車中泊とクルマ旅関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、これから車中泊を始めたい人に向けてのアドバイスを記したものです。

キーワードは「smart(スマート)」と「防災」
筆者が車中泊を始めた「平成の初め頃」は、いわゆるミニバンが、セダンやステーションワゴンに取って代わって一世風靡をした時代で、8人乗りのミニバンでマイカー車中泊を楽しむ人が大半だった。
もちろん今でもそういう人は多いし、居住空間から見れば「乗用車ではそれがベスト」と云っても過言ではない。
しかし「平成の終わり頃」になると、マイカーの主役はサイズアップした軽自動車や、ハイブリットや電気で走るコンパクトカーに変わり、令和はさらに進化したサポカー全盛の時代になる。
つまりこれから「マイカー車中泊」を始める人の多くは、そういう小ぶりのクルマを使うことが想定されるわけだ。
そうなると、当然車中泊の入門書もそれにリンクしたものが必要になる。
だがクルマの進化と多様化が日進月歩で進む今は、かつてのようなワンパターンに近い情報で、それに対応するのは不可能に近い。
いずれ状況が落ち着いてくれば、若いユーチューバーが動画で車種別のマニュアルを配信すると思うが(笑)、それまでは「総花的な概念」に近いアドバイスを参考にしていただくしかないだろう。
その観点からすれば、現状使用している乗用車を使う車中泊入門ガイドの骨子は次の5つになる。
マイカー車中泊に使えるクルマは?

マイカー車中泊に必要なグッズは?



マイカー車中泊に適した場所は?
高速道路のサービスエリア・ハイウェイオアシス・道の駅など、「道路利用者が休憩すること」を前提に作られた施設だ。
疑問を感じるなら、こう思えばいい。
500キロ以上離れた自宅に、マイカーで帰省する途中で日が暮れてしまった。長距離トラックの運転手と同じようにするのはマナー違反になるのだろうか?
もしマナー違反になるのなら、深夜にあれだけのトラックは停まっていないはずだ(笑)。それを許している方に「問題あり」ということになる。
なお、最近はRVパークも増えてきたが、ここも道の駅と同じく、原則として車外にテーブルを出して調理や食事をすることはできない。



マイカー車中泊に適した食事は?

マイカー車中泊に適した旅は?
乗用車を使う「車中泊クルマ旅」の強みは「走行性能」で、弱みはやはり「就寝性能の脆弱さ」にある。
つまりキャンピングカーで行く「車中泊クルマ旅」とは真逆だ。

マイカー車中泊でやらないほうがいいことは?
第一はクルマの改造だ。
車中泊をする前は、誰もが改造なんて思いもしないが、数回やれば「マイカー車中泊の限界」がわかる。

次は真冬と真夏の車中泊だ。



さて。この5つの骨子に共通するのが「スマート」さだ。

つまりここで紹介しているのは、クルマを改造することなく、日本のインフラをうまく活用しながら、乗用車ならではのクルマ旅を楽しむ「スマート車中泊」の入門情報でもある。

画像出典:フジテレビ
実は「マイカー車中泊」は、地震などによる避難時にも役立つ場合がある。
着目すべき点は、楽しんでやっている車中泊が、なんとそのまま「避難時の予行演習」に通じていることだ。

なおここから先は、以下のサイトに詳しく記している。
