この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
「東伊豆」は首都圏に近いだけあって、伊豆半島でもっとも観光開発が進んでいるエリア
東伊豆の観光&車中泊事情【目次】
東伊豆のアクセス&観光事情
伊豆半島全体の車中泊旅行ガイドに詳しく記載している通り、このマップを見れば伊豆半島は東海方面からのアクセスを遮るように、「伊豆東部火山群」が箱根から縦に伸びており、「東伊豆」はまさに遮断された山の向こうに位置していることがよくわかる。
ゆえに「真鶴」や「熱海」には、東海・関西方面から行きづらいのが実情だ。
加えて首都圏から近いため、特に「熱海」には渋滞や混雑を恐れて、近づかないようにしている人も少なくないと思う(笑)。
だが「食わず嫌い」は、旅においても得策ではない。
ぜひこの機会に東伊豆の見聞を広めていただき、今後の車中泊の旅に生かしていただければ幸いだ。
「真鶴」には2つの楽しみ方がある
小田原から約17キロ・25分のところに位置する「真鶴」は、湘南方面から伊豆半島を南下する際に通る最初の観光スポットだ。
だが、その楽しみ方をうまく伝えている観光ガイドが、なかなか見当たらないというより皆無に等しい(笑)。
おかげで筆者は「真鶴」を理解するのにずいぶん時間を要したのだが、その最大の理由は、「相容れない2つの楽しみ方があるから」ということに行き着いた。
「熱海」の繁華街は、海から離れた場所にある。
ここまで20年余年の歳月をかけて、全国各地の主だった観光地を車中泊で旅してきた筆者だが、その中でも熱海は「本質がなかなか見えてこない」町だった。
その理由は町の構造にある。
現在の熱海は電車で訪れる圧倒的な数の旅行者を意識して、JR熱海駅に通じる「昭和通り」「仲見世通り」に店が集中しており、海岸沿いに繁華街と呼べるようなところはない。
そのためクルマで訪れると、オーシャンビューの大型ホテルが立ち並ぶ「こじんまりしたワイキキ」にしか見えず、「テレビで見る熱海」とのギャップに面食らってしまうのだ(笑)。
だが地理を理解すれば、わざわざ人混みに足を運ばなくても楽しく過ごせるところは見つかる。
「伊東温泉」は、車中泊でも居心地のいい温泉町
伊東温泉の開湯は平安時代とされ、江戸時代には徳川家光への献上湯を行い、湯治場としても栄えたことで知られている。
温泉は大分県の別府温泉・由布院温泉次ぐ湧出量で、群馬県の草津温泉や和歌山県の白浜温泉を凌ぎ、なんと本州随一を誇っている。
「稲取」と云えば、雛飾り
稲取(いなとり)は「桜まつり」が開催される河津町の市街から、わずか7キロほどしか離れていない、東伊豆町にある小さな温泉町だが、伊豆半島はおろか、日本を見渡しても「オンリーワン」と胸を張れるコンテンツがある。
それが「河津桜まつり」とセットで観たい、稲取の名物「つるし雛」と「雛の階段飾り」だ。
「河津」と云えば、桜まつり
川端康成の短編小説「伊豆の踊り子」の舞台となった河津には、年間を通じて楽しめる「河津七滝」という名勝もあるが、やはり一度は観てみたいのが河津川の堤を埋め尽くす、本家本元の「河津桜」だろう。
以下の記事には、車中泊で「河津桜まつり」に行くために必要な事前情報が、びっしりと詰め込まれている。
東伊豆の車中泊事情
結論から云うと「東伊豆」の車中泊環境は、けして良好とは言い難い。
そもそも、電車やバスでやってくる団体旅行客相手に成長してきた温泉地が多いだけに、お金を落とさないと思い込んでいる「車中泊旅行者」へのアレルギー体質が、簡単には拭えないのは当然だろう。
写真の高さ制限は、「キャンピングカーはノーサンキュー」のメッセージとしか思えない(笑)。
ただそんな熱海でも、最近ではこういうプロジェクトがあったようだ。
だが琵琶湖の湖西と同じく、我々庶民の感覚からはズレている(笑)。
ただ、伊東温泉だけは例外だ。
「東伊豆」の車中泊旅行は、国内屈指の車中泊環境を誇る「道の駅 伊東マリンタウン」を外して考えることはできない。
ただそれゆえに、我々まっとうなる車中泊旅行者は、ここに「厄介な車上生活者」がはびこらないよう、施設と一致団結して「自分たちの大事な場所と権利」を守る意識が必要だろう。
東伊豆の主要車中泊スポット 一覧
最後に道の駅から公園や有料・無料の観光駐車場まで、調べてきた「東伊豆」の車中泊スポットをご紹介。