この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
城ヶ崎海岸の情景は、大室山の噴火の副産物
城ヶ崎海岸【目次】
ランドスポットは「門脇つり橋」
関西では「城ヶ崎」と書いて「きのさき」と発音するが、伊豆では「じょうがさき」と読む。
その「城ヶ崎海岸」は、写真の「大室山」から約8キロ・10分のところにある東伊豆を代表する海の景勝で、約4000年前に「大室山」の噴火で流出した溶岩が波で侵食され、約9キロにわたる雄大で複雑な断崖を創り出している。
そのランドマークが、全長48m×高さ約23mの「門脇つり橋」だ。
伊東市のオフィシャル観光サイトには、「スリル満点の絶景スポット」と紹介されているが、「あんた本当に渡ったの?」と聞きたくなるほど、この橋は見かけによらず怖くない。
だってこんなに太くて、床もしっかり板張りされているんだもの(笑)。よほど強風時に行かなければ、まったく落ちる心配はしなくて済む。
いくら書くことが思いつかなくても、事実はちゃんと伝えなきゃいけない。
なぜなら公式サイトの情報が、アフィリエイターたちによって、果てしなく拡散されるのが今のネットの実情だ。
つまり誤っていようがどうだろうが、確かめることもないまま、それがとんでもない情報量としてグーグルの検索ページに積み上げられていく。
「城ヶ崎海岸」は、見た目はチャチな「大室山」でも、『「ドカーン!」と一発噴火したら、これくらいのことはできる』という、自然の力を目の当たりすることができるユニークな場所だ。
その証拠に、「伊豆半島ジオパーク」の公式サイトでも、ジオサイトとしてちゃんと紹介されている。
正直云って「城ヶ崎海岸」程度の景観は、西伊豆に行けば珍しくなく、かつそこに富士山が加わるため、もっと絵になる。
しかし「大室山の噴火」という背景を重ねあわせて観ると、まるで「トンビがタカを生んだ」かのような話に思えてくるからおもしろい。
そういう意味で、筆者は大室山とセットで周ることを勧めているのだ。
城ヶ崎ブルース
さて。「門脇つり橋」の手前には、「城ヶ崎ブルース」の歌碑がある。
昭和43年の楽曲なので、34年生まれの筆者が覚えていても不思議ではないのだが、さすがにこの曲は記憶になかった。
同じ黒沢明とロス・プリモスの楽曲で、筆者が知っているのはムード歌謡の鉄板曲で名高い「ラブユー東京」だが、逆だったら「城ヶ崎海岸」も「浄蓮の滝」のようになっていたかもしれない(笑)。
城ヶ崎海岸の駐車場&アクセスマップ
最後は「城ヶ崎海岸」の駐車場についてだが、乗用車は123台停められるので、キャパは問題ない。
問題は15分まで無料、以降1日500円という料金だ。ここで500円はちょっと割に合わない。しかし15分はさすがに息があがった!(笑)。
大室山とは大違い。これではいくら筆者が勧めても、個人の観光客は行かないと思う。