この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「道の駅 伊東マリンタウン」は、国内屈指の規模と車中泊環境を誇る温泉併設の道の駅
「道の駅 伊東マリンタウン」のロケーション
♪伊東に行くならハ・ト・ヤ。電話はヨイフロ♪
大阪に住んでいる筆者が、半世紀以上前のガキの時代に刷り込まれたこのCMソングは、当時の伊東温泉の繁盛ぶりを、きっと何より雄弁に物語っていると思う(笑)。
伊東温泉の開湯は平安時代とされ、江戸時代には徳川家光への献上湯を行い、湯治場としても栄えたことで知られている。
温泉は大分県の別府温泉・由布院温泉次ぐ湧出量で、群馬県の草津温泉や和歌山県の白浜温泉を凌ぎ、なんと本州随一。道の駅から離れているが、温泉街には10軒の共同浴場が存在し、今でも200円から300円で利用できる。
この地には早めに来て、市営大川橋駐車場(キャブコン・ハイエース・スーパーロングは入庫不可)にクルマを停め、温泉セットを片手に写真の「東海館」周辺をぶらぶらすると面白い。
なお、写真の共同温泉「和田寿老人の湯(300円)」には、無料の駐車場もある。ただし共同温泉なので、お湯は熱めで「まったり」はできない(笑)。それを希望するなら、道の駅の温泉のほうがいいだろう。
「道の駅 伊東マリンタウン」の施設
「道の駅 伊東マリンタウン」は、筆者の知る限り観光地にある道の駅では、富山県の氷見、熊本県の阿蘇と肩を並べ、温泉地にある道の駅では、ナンバーワンといっても過言ではない車中泊環境を有している。

場内には「観光案内所」があり、伊東温泉の詳しいマップも手に入る。
売店とレストラン。お土産を買うには十分な品揃えだ(笑)。
ばんばん食堂の日替わり海鮮丼は890円(2016.4月現在)。
売店の裏側はマリーナになっていて、無料の足湯がある。
もちろんゴミ箱も完備。
これだけの規模の道の駅でも、ちゃんと対処ができるというのは素晴らしい。ますます道の駅にゴミ箱を置かない理由がわからない(笑)。
「道の駅 伊東マリンタウン」の車中泊好適度
「道の駅 伊東マリンタウン」の温泉
「道の駅 伊東マリンタウン」には、日帰り温泉「シーサイドスパ」が併設している。
それが人気の一因であることは確かだと思うが、入浴料はまともに入ると1000円。温泉のクオリティーからすると、明らかに「観光客料金」だと思う(笑)。
だが18時を過ぎると値段は860円に下がり、いわゆる都会の「スーパー銭湯」なみになる。
しかし、それで喜ぶのは早すぎる。
なんと一夜明けてからなら、540円で入湯できる。これは言い方を変えれば、明らかに「車中泊優待価格」だ(笑)。
「道の駅 伊東マリンタウン」周辺の買物施設
徒歩圏内にドンキホーテがあるので、生鮮食品を含むほとんどの必要品はここで手に入る。
だが筆者のお勧めは、クルマで5分ほどの「なぎさ公園」の近くにあるスーパー・Aoki。
この日の晩餐はすべてこのスーパーで調達。地魚の品揃えが豊富で、お酒は冷えた一升瓶まで売っている(笑)。馬刺しがあるのもいいね。
ドラマ「絶メシロード」 エピソード
「絶メシロード」は2020年1月からテレビ東京系列で放送された、「車中泊」と「グルメ」を題材にした深夜ドラマで、筆者は車中泊の監修者として携わった経緯から、全12話に使われた車中泊スポットを実際に訪れている。
「絶メシロード」の車中泊監修の仕事を引き受ける際に、筆者は「道の駅」でのロケを盛り込むことを条件に挙げていた。
なぜなら、ご承知の通り「道の駅での車中泊」ほど、実態と報道のギャップがあるものはない。
圧倒的多数の車中泊旅行者が道の駅で車中泊をしているにも関わらず、テレビも雜誌も「マナー違反を容認している」と世間から揶揄されることを恐れ、それを真正面から受け止めようとしないことに憤りを感じ、呆れても来た。
では逆に、「こういう車中泊ならやっていい」というプレゼンならどうだ。

日本でも屈指の人気を誇る「道の駅 伊東マリンタウン」は、その熱意を真摯に受け止め、撮影に協力してくれた。
車中泊業界にとって、これほどありがたい助っ人はいないだろう。

「道の駅 伊東マリンタウン」のアクセスマップ

