「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、そのレシピと老舗・行列店を交えてご紹介します。

地魚の刺身はおいしかったが、ご飯に難あり。
「金目亭」は「道の駅 開国下田みなと」の敷地の一番奥にある食事処で、朝7時から営業している人気の店だ。
以下の記事をご覧いただければ分かるが、筆者は既に何度もこの道の駅に足を運んでおり、「金目亭」の存在は早くから知っていた。
だが、なかなかタイミングが合わず、その暖簾をくぐることができずにいた。
そんな「金目亭」を訪ねるチャンスが来たのは、2021年の11月。
この日は監修と執筆を依頼されている、HONDAキャンプの車中泊記事作成のために、CR-Vの撮影で千葉まで来ていた。
個人的にはその道中で伊豆半島の「積み残し」を同時取材していたのだが、たまたまランチタイムに「道の駅 開国下田みなと」の前を通りかかったことで、「金目亭」を思い出したというわけだ。
筆者は自身の公式サイトに、伊豆半島については既に60話、全国をトータルすると2000話を超える記事を掲載しているが、こういう機会をコツコツとモノにしていかなければ、プロと云えども膨大な数の「血の通った記事」を世に繰り出すことは難しい。
さて。
本来なら「金目亭」でこの煮付けを食べれば良かったのだが、今回はスーパーで切り身を買い、大胆にも「車内で自ら金目鯛を煮付けて食べる」という計画を企てていた。もちろん自分で煮付けた金目は「まいう~」に決まっている(笑)。
ルーフベントとプラズマクラスターのおかげで、ほとんど車内に匂いも残らず、作戦自体は思惑通り大成功。
ということで、この日は「地金目」が入った刺身定食を選択。
地金目とは…
金目鯛漁が盛んなのは、房総沖から伊豆半島・伊豆諸島周辺で、底立延縄・立縄・樽流し・一本釣り等によって獲れたものが下田港に水揚げされる。下田港が金目鯛の水揚げ量日本一となっているのはそのためだ。
中でも、伊豆大島から神津島にかけての西側で獲られた金目鯛は、特に脂がのって味も濃く、「地金目」と呼ばれている。
魚はさすがにどれもおいしく、生臭さは微塵もない。
刺身は5種類で各2切れづつ。それにご飯と味噌汁、小鉢がついて1600円。
クオリティーからすると「お値打ち」という感じで、中高年がお腹を満たすには十分な量だった。
特に地金目は熟成がほどよく進み、甘みもよく感じられた。
往々にして刺身は、新鮮だと身がコリコリしていて歯応えがありすぎる。また肉と同じで、多少は熟成させたほうが「旨味」がのる。
ただ…残念というより、がっかりさせられたのが「ご飯」だ。正直、この日の「ご飯」は「もうひとつ」どころではなく、明らかに「マズイ」の部類だった。
それはラーメン屋で美味しいスープの後に、粉っぽさが残る麺を食べさせられた時の失望感とよく似たものだったが、いずれにしても、せっかくの地魚の好印象が帳消しになったのは、もったいなかった。
ただ「食べログ」をザックリ見る限り、筆者と同じ感想の人はいないようで、あらかたは「歯が浮くほどの高評価」だ(笑)。
たまたまその日がハズレだったか、風邪気味だった筆者の舌がバカになっていただけかもしれないね。
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