【2023年2月更新】
車中泊旅行歴25年の歴史に精通するクルマ旅専門家がまとめた、大分県・国東(くにさき)半島にある、豊後高田 昭和の町の見どころ・駐車場・マイカーアクセスと周辺車中泊事情に関する情報です。
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
豊後高田 昭和の町は、スケールの大きな”野外レトロテーマパーク”。
「豊後高田 昭和の町」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2019.02.13
※「豊後高田 昭和の町」での現地調査は2019年2月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年1月に更新しています。
豊後高田 昭和の町/国東半島 マイカーアクセス・駐車場・車中泊情報
大分県の国東半島西岸に位置する豊後高田市の「昭和の町」は、由緒ある歴史を誇る「宇佐神宮」から約8キロ・クルマで15分、また干潟の夕景が美しい「真玉海岸」へも約9キロ・15分ほどで行けるところにある。
「昭和の町」は、昭和30年頃まで国東半島でもっとも活況にあふれていた豊後高田市の中心商店街だった…
だが、大型店の郊外出店や過疎化で衰退し、時が進むにつれてシャッター街化。
平成に入ると、「犬と猫しか通らない」と揶揄されるほどに寂れてしまった。
その商店街に再び灯をともすべく、2001年に「昭和の町」をコンセプトにした町おこしがスタートする。
その鍵を握ったのが、衰退のために建て替えが進まず、昭和30年代以前の古い建物が約7割も残っていることを逆手にとった「逆転の発想」だ。
2001年に9軒の店が、昭和30年代をイメージした外観に戻したことから始まり、2006年には38店に広がりを見せ、なんと27万人の観光客が訪れるまでになったという。
「エモい」んだか、「キモい」んだか知らないが(笑)、
そういう言葉でしか想いを伝えられない現代っ子と違い、まさにこの世界をLIVEで見てきた我々「三丁目の夕日世代」からすると、「昭和の町」は”いいような悪いような気分”にさせられる(笑)。
まずいいと思う点は、こういう取り組みがあることで、「高度経済成長期」と呼ばれた1960年代後半から1970年代の、日本が世界に誇る「文化財」がきちんと保管され、後世に残されていくことだ。
街並みを含めて、そういう本物が残されていることで、リアルな映画やドラマを観ることができる。
今の我々にすれば、坂本龍馬や西郷隆盛が生きた「幕末」は、極端に云えば源頼朝や織田信長が生きた、「日本の歴史」という”ひとくくりの時代”に統合されてしまうわけだが、考えてみれば明治維新はわずか155年前。
1970年がもはや53年前であることを考えれば、筆者が米寿を迎える頃には、太平洋戦争という過去に例を見ない大惨事のあった「昭和」が舞台の、大河ドラマを放送している可能性は充分にあるだろう(笑)。
逆に気がかりなのは、この環境を生真面目に生業にしている人々がいることだ。
ガチガチに変更規制がかけられている世界遺産とは違い、「昭和の町」は経済の変化に対して順応できなければ、脱落者が生まれる。
今はマスコミも市場も「可処分所得」の多い、若い女性をターゲットにした戦略で耐えているが、彼女たちには「移り気」、そして「官能的」に行動する特徴があるのは周知の通りだろう。
「エモい」「キモい」「ばえる」「ばずる」「ディスる」…
おっちゃんにはどうでもいい「基準」が、彼・彼女を動かす原動力で、それで人を振り回す人のことを「インフルエンサー」なんて持て囃し、SNSでのつぶやきひとつで、予想もできない変化が生じるのだから、地道に食堂や土産屋をやっている方は、気が気じゃない(笑)。
たしかに我々は、これらに「懐かしさ」を覚えないことはない。
だが若者にとってこれらは、「懐かしい」ではなく「エモい」であって、いつ「キモい」に変わるか分からない(笑)。
つまり、アンティークとはみなされていないわけで、時間が経つほど価値が上がるものでもない。
それからすると、リアルにそれらと親しんできた「三丁目の夕日」世代は、ブレないお客様ではあることに間違いはないのだが、「それを買うか?」と聞かれたら、筆者の答えはNoだ。
幼年時代にあれほど喜んで飲んでいたジュースや、食べていたお菓子は、もし店で見つければ手にとって思い出話を咲かせるとは思うが、含まれていた材料を思えば、今ならまず口にはしない(笑)。
そう考えると「ノルタルジー」は、リアルよりもどちらかといえばバーチャル向きのコンテンツなのだろう。
てなことを思いながらブラブラすると、中高年は「昭和の町」に、”アラウンド30”のおこちゃまが書いたガイドとはひと味違う、大人なりの「おもしろさ」と「危うさ」を発見することができるのでは…
断っておくが、筆者は「昭和の町」が、くだらないとかつまらないとは、ひとことも云っていない(笑)。
豊後高田 昭和の町の駐車場&アクセスマップ
観光客用の「昭和の町駐車場」は、豊後高田商工会議所に隣接している。
ゲートバーはあるが、料金精算機の屋根は小さく、ハイルーフ車も入庫が可能だ。
昭和の町駐車場(収容台数 約100台)
普通車1回につき400円
※30分以内は無料
スマホでご覧の方は、以下のマップをGoogleナビに切り替えれば、上の写真の「昭和の町駐車場」にガイドしてくれる。
道の駅で「昭和の町」に一番近いのは、約23キロ・クルマで40分ほどのところにある「道の駅 なかつ」だ。
ちなみにお勧めの旅のスケジュールは、「道の駅 なかつ」または福岡県との県境を超えてすぐのところにある「道の駅 しんよしとみ」で前泊し、翌朝から「中津城」「宇佐神宮」をまわって、アツアツの「からあげ」を食べ(笑)、それから「昭和の町」を見て、「真玉海岸」でサンセットタイムを迎え、最後は30分ほど走って「道の駅 くにみ」で後泊することだろう。