「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド

この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。


~ここから本編が始まります。~
リニューアルされた「道の駅ほうじょう」は、鳥取県の国道9号沿いにある道の駅の中のベスト車中泊スポット

「道の駅 ほうじょう」 DATA
道の駅 ほうじょう
689-2102
鳥取県東伯郡北栄町国坂1525-92
☎0858-36-5588
営業時間
売店: 9時~17時
定休日 記載なし
「道の駅 ほうじょう」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第3回
登録日/1993年11月24日
1993年11月に道の駅「北条公園」として登録され、その後、2023年に「道の駅ほうじょう」に改名後、2025年4月にリニューアルオープン
「道の駅 ほうじょう」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.11.06
2016.03.21
2022.05.03
2025.05.03
2025.09.13
2026.04.18
※「道の駅 ほうじょう」での現地調査は2026年4月が最新です。
道の駅 ほうじょう【目次】

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「道の駅 ほうじょう」のロケーション

鳥取県中部で整備が進んでいる、山陰自動車道の一部となる「北条道路」の開通を見越し、老朽化していた「道の駅 北条公園」をリニューアルし、合わせて改称されたのが「道の駅ほうじょう」だ。

インターチェンジの近くにあたることから、白壁土蔵群が国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、”かおり風景100選”や”美しい日本の歴史的風土100選”にも選ばれている「倉吉」と、「三朝温泉」「はわい温泉・東郷湖温泉」を有する、鳥取県中部の新たな観光拠点になることが期待されている。

こちらが前身の「道の駅 北条公園」。
新たな駅名は公募で、「豊穣(ほうじょう)」の意味も込めて「北条」をひらがな表記したものだとか。
「道の駅 北条公園」は、立地は良かったものの、1993年に作られただけに老朽化が激しく、車中泊旅行者の多くは、周辺にある別の道の駅を利用していたと思う。
そもそもこのあたりは道の駅が過密状態で、「道の駅 北条公園」は”一人負け”状態にあったのだが、今回のリニューアルで形成は一気に逆転。
車中泊旅行者の視点からすれば、車中泊スポットは今や反対に「道の駅ほうじょう」の”一人勝ち”になっている。

「中国自動車道」に直結する、無料の「鳥取道」ができ、さらにそこに同じく無料の「山陰自動車」がつながって以来、筆者は家内の実家がある島根県の「出雲」に帰省する際には、最短の「米子自動車道」を使わず、このルートを利用している。
京阪神からなら、「鳥取砂丘」から「境港」まで日本海側に面する主な観光地の近くを通るだけでなく、高速料金は「米子自動車道」ルートのほぼ半分で収まる。
また「山陰自動車」は丹後半島方面にも延伸しており、既に「城崎温泉」近くまで高速化が進んでいる。
それを考えると、今回の「道の駅ほうじょう」のリニューアルは、車中泊旅行者にとって、見逃す手はない出来事だろう。
「道の駅 ほうじょう」の施設

出典:とっとりのーと
こちらはオープン前に撮影された、「道の駅ほうじょう」の航空写真。
普通車の駐車場は建物の左右と正面の3ヶ所、そして正面の駐車場の隣に大型車の駐車スペースが用意されている。

ここがメインとなる建物正面の駐車場。
路面はフラットで24時間トイレにも近く、一見すると良さそうだが、実はここは静寂性を求めたい人には、ちょっと厳しいかもしれない。

最大の理由は、24時間トイレに近い場所は大型車の駐車スペースに近いこと。
ただし、大型車用駐車場と普通車駐車場の境には歩道と段差が設けてあり、普通車のエリアには容易に侵入できなくしてある。
一般の利用者には大したことではないかもしれないが、これは車中泊をする人間にとっては、とても大きな違いになる。
サービスエリアでは、夜半に普通車のエリアに乗り出してきたトラックが、安眠の妨げになることは珍しくない。

もうひとつは、横を通っている国道9号を走るトラックの走行音が、想像以上に響くこと。これは断熱材がボディーに埋め込まれていないノーマル車には、就寝中にはっきり聞こえるレベルだと思う。
現在はまだ山陰道(北条道路)が工事中で、これが開通すれば走行音は解消されるのか、さらに大きくなるのか分からないが、気になるポイントだった。

その難点を解消してくれる場所が、この駅舎の右サイドの駐車場だ。
ここが24時間トイレには近く、大型車駐車場と国道9号からは離れた「道の駅 ほうじょう」の車中泊一等地になる。
さすがは旅慣れたキャンピングカーだけあって、そのことに気づいていた。

ちなみに24時間トイレはここにある。

中にウォシュレットが完備しているのは、云うまでもあるまい。

なお、左横に設けられた普通車の駐車場には、すぐ近くに自由に使えるベンチシートが置かれている。
もちろん『車中泊旅行者のための設備』ではないが、道の駅の営業時間外に、ここで調理済の弁当を食べても、たぶん咎められることはないだろう。
我々が道の駅に期待したいのは、こういうフレキシブルな空間であって、お仕着せがましいRVパークじゃない(笑)。

出典:道の駅ほうじょう
さて。
こちらが「道の駅 ほうじょう」の館内レイアウト図になる。

「道の駅ほうじょう」の館内に入ってすぐに感じたのは、『ここはきちんとしたコンサルティング企業のサポートを受けているな』ということだった。
調べてみると案の定、指定管理業者はTTC(静岡県熱海市)の子会社ホシトリンク(北栄町松神)だった。
TTCは伊豆半島を中心に、静岡県全体、関東甲信越、北海道に至るまで、分社化した企業を含むグループ全体で、「地域ブランド創出」「食のテーマパーク事業(道の駅運営も含む)」「地域創生コンサル」「再生事業」等を幅広く手がけている。
筆者が知る中では、「道の駅 伊豆のへそ」「道の駅 ローズマリー公園」「道の駅 サーモンパーク千歳」のリニューアル、さらには千葉県の「道の駅 木更津うまくたの里」、徳島県の「道の駅 くるくるなると」などの新設に携わっており、その実績は十分だ。
「道の駅ほうじょう」の建設には、町と国土交通省がおよそ29億円を投じており、それがノウハウの脆弱な地元の指定管理業者に委ねられたのでは、このように合理的な道の駅にならなかった可能性は高い。
TTCがコンサルする道の駅は、物販飲食施設のみならず、駐車場・24時間トイレ・可燃物のゴミ箱にいたるまで、トータル的によく考えて作られている。

TTCが手掛ける道の駅の物販の特徴は、『消費期限が比較的長くて、幾つあってもさほど困らず、単価も1000円以下で、ご当地色がつけやすく、お土産品にも使える調味料』を、天井近くまで山のように積み上げる「立体高密度陳列」にある。

見るものをボリューム感で圧倒すべく、アイテム数と在庫量で勝負するのだが、なぜ大手スーパーマーケットやコンビニがそうしないかは、おそらく在庫管理=資金繰りの方法に違いがあるはずだ。
流通業界には「OTB(Open to buy)=売れた分だけ仕入れる」という鉄則がある。
当たり前の話だが、支払いサイトが1ヶ月なら、在庫回転率もそれ以内にしないと、支払い過多となって借入金が増え続けることになる。
そうならない仕組みは、たぶん「売れた分だけ業者に支払う仕組み」になっているからだ。道の駅だけでも今では約1200件、そこにSA/PAを加えれば、すごい数の「チェーン店舗」なわけで、納入業者はそれでも採算が取れる。
その構造を巧みに利用するのが、アタマのいいコンサルというわけだ(笑)。

TTCが手掛ける店舗に必ずあるのが、様々なダシを試飲販売する「デモキッチン」。
かつおや昆布だしの嫌いな日本人はほとんどいないのだから、老若男女受けする可能性が高いのはもちろん、お土産であげて嫌がられるリスクも低い。
しかも折からの和食ブームで、インバウンドからも喜ばれるのは当然だ。
加えて、

店頭POPも店員が手書きするのではなく、コピーライターが文言を考え、グラフィックデザイナーがそれをカタチにする。
このPOPひとつで売上が大きく変わることを考えれば、そこにお金をかけるのは当たり前の理屈だ。
その証拠に、『このひとことに、(商いの)旨みをぎゅっと詰め込んで』と書いてある(笑)。

さらに、新たなるTTCの物販戦略と思われる「旅酒」なるものを発見。
なるほどこの手法なら、「箱根を旅して出会う酒」でも、「知床を旅して出会う酒」でも、全国どこででも類似品を作ることができる(笑)。
かくのごとく、徹底的に考え尽くされているのが”最先端”を走るTTCの道の駅だ。
もっともこれで利益を出して、施設をもっと充実してくれれば我々には御の字。
今のような「おかみ目線」ではなく、民間の「消費者目線」に立つ道の駅がスタンダードになれば、やがて全国の道の駅が淘汰されていくのは間違いない。

こちらは「道の駅 ほうじょう」で販売していたプチサイズの海鮮丼だが、この値段で買えるのは魅力的。

両方合わせて1330円。晩酌のシメで食べるなら、この量で十分だ。

なお、筆者が最初にこの道の駅を訪ねたのは、オープンしてから1週間ほど経ったGWの5月3日で、まだ入場規制をしていた大混雑のさなか。

その時に行列ができていたのが、店内で製造したカレーパンの専門店「とりどりベーカリー」で、北栄町特産のナガイモ「ねばりっこ」を使ったチーズカレーパンが人気のようだった。
「焼き立てパン」は、今や道の駅の「外さないグルメ」の筆頭格だが、このカレーパンは相変わらず高い人気を誇っているようだ。
しかしこれと、さきほどのマグロ丼が同じ値段なら、筆者はマグロ丼を選ぶね!
「道の駅 ほうじょう」の車中泊好適度
「道の駅 燕趙園」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:屋外にあり、24時間利用可能
缶・ビン・ペットボトル:同上

「ゴミ箱は置いてあるのが当然でしょ」みたいな(笑)。

近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。 しかしそれを道の駅で食べると、残った容器はゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、 道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。 すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。

「道の駅 ほうじょう」の最寄りの温泉&買物施設

ハワイ ゆ~たうん
☎0858-35-4919
おとな450円
9時~21時(受付最終20時30分)
木曜 定休
コンビニ
ローソンまで約3キロ。
スーパーマーケット
「東宝ストア 河北PLAZA」まで約6キロ。
「道の駅 ほうじょう」のアクセスマップ
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