25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、「鋸山」のマイカーアクセスと駐車場及びウォーキングコースの情報です。
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この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
「鋸山」は『下から見上げても、上から見下ろしても』ため息が出る、北海道にもない絶景スポット

「鋸山」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2012.12.29
2021.05.10
「鋸山」での現地調査は2021年5月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2026年2月に更新しています。
鋸山(のこぎりやま)目次

鋸山とは

「乾坤山(けんこんざん)」という正式名を持つ「鋸山」は、神奈川県の三浦半島にある「久里浜港」から、浦賀水道を横切って内房にアクセスする「東京湾フェリー」の入港先の、「金谷港」の背後にそびえる標高約330メートルの低山だ。

洋上からでもはっきり分かるこの断崖絶壁は、実は天然ではなく、人が創り出したものというから驚く。
この山を形成している凝灰岩(ぎょうかいがん)は、かつて「房州石」と呼ばれた良質の石材で、ここには江戸時代から盛んに採石が行われてきた歴史が刻まれている。

採石によって露出した山肌を遠目から見ると、まるで鋸(のこぎり)の歯のように見えることから、いつしか乾坤山は「鋸山」と呼ばれるようになった。
採取された石材は、幕末から明治・大正・昭和にかけて、主に「横須賀軍港」や横浜の「港湾設備」、また「東京湾要塞」の資材として利用されたが、自然保護規制の強化により1985年(昭和60年)を最後に採石は終了。
石切場や石材搬出路の跡は、産業遺産として観光資源になっている。
山頂へのアクセス方法は3つある。

東京の都心から1時間ほどで来れる「鋸山」は、手軽なハイキングコースとしても人気があり、いくつかの登山ルートが用意されているのだが、旅人の場合はそこまでしている余裕はないと思う。
ということで、ここではロープウェイとマイカーで、山頂近くまで登りたい人に向けた話をしよう。

実は「鋸山」の見どころは、「日本寺」の境内の中にある。
「日本寺」は約1300年前に、「聖武天皇」の勅詔を受けた「行基」によって開かれた、関東最古の勅願所(天皇・上皇の勅命により、国家鎮護を祈願する寺社)だ。
山名に使われている「乾坤」は、「天地」の意味を持つ「日本寺」の山号でもある。

そのためロープウェイでもマイカーでも、山頂に通じるここから先は、文化財の維持・管理および境内の環境整備・復興のため、別途拝観料おとな700円が必要だ。
日本寺
☎0470-55-1103
おとな700円
9時~16時(受付最終15時)
理由はともあれ、しっかりお金は取られるのだが、それに見合うだけのものが見られると筆者は感じた。
なお「日本寺」の境内を含む「鋸山」では、リードをつなげばペットの同伴が許されている。
ペットを同伴したいなら、このあと説明する「鋸山登山自動車道」でのアクセスのほうがお勧めだ。
鋸山登山自動車道

麓から全長約2.7キロの「鋸山登山自動車道(有料)」が、「日本寺」の西口管理所の隣にある「山頂駐車場」に通じている。
利用は8時30分から16時30分まで。
料金は普通車1000円、ワンボックスカー1200円、マイクロバス3500円。
なお二輪車(バイク)は通行禁止だ。

「山頂駐車場」は、未舗装とはいえ駐車料金は通行料に含まれており、収容台数も120台ほどと大きい。
鋸山ロープウェイ

「山麓駅」からわずか4分ほどで「鋸山」山頂付近まで行け、窓からは切り立つ採石場の跡が間近に見られる。
料金はおとな片道650円・往復1200円で、運行は9時~17時(冬季は16時まで)。
ただし乗車定員が少ないため、GWや紅葉時期にはかなりの待ち時間が出るようだ。

山麓駅には広い駐車場があり、2024年3月までは無料だったが、現在は1日500円になっている。
ロープウェイと鋸山登山自動車道のどっちがお勧め?

結論はマイカーだ。
まず云うまでもなく、コストは複数で行くならマイカーのほうが安い。
またロープウェイは、「鋸山」まで公共交通機関でやってくる大多数の観光客が利用するため、どうしても混雑しやすい。
だが、それ以上に着目すべき観点は、山内の観光ルートにある。
10万坪余りの境内には、日本一の高さを誇る「大仏(薬師瑠璃光如来)」、「千五百羅漢」、「百尺観音」、「地獄のぞき」などがあり、すべてを見て回るには1時間半ほどかかる。

個々の見どころはこのあと詳しく記載するが、拝観料を支払う「日本寺の西口管理所」から先は、ほとんどが下りの道沿いにある。
そのためロープウェイで行くと、それらを順次辿ってマップの大仏広場まで降りてしまうと、帰りは山麓駅まででも、かなり厳しい登り坂を歩かなければならなくなる。
しかしクルマの場合は、山頂エリアを見たら「鋸山登山自動車道」の途中にある「東口駐車場」までマイカーで移動し、「大仏様」に会うことができる。
もちろんその時は、「東口管理書」で再入場時に拝観券を提示すれば、無料で通してくれる。
整理して書くと、次が『鋸山観光のベストルートガイド』になる。

1.クルマで「鋸山登山自動車道」を上り、「山頂駐車場」に停めて、「西口管理所」から入場する。
2.そこから「百尺観音」と「地獄のぞき」を目指し、反対側から「東海千五百羅漢像道」を回ってクルマに戻る。
3.クルマで「東口駐車場」まで移動し、「大仏広場」を観る。
筆者は家内とはクルマで、ひとりではロープウェイで「鋸山」を訪ねているが、実際にやってみると、両者の違いは想像以上に大きかった。
鋸山の見どころ

既にお気づきかもしれないが、ここには「鋸山からの見どころ」と「鋸山の見どころ」の2つの観光スポットがあるが、当サイトでは道順に紹介していこう。
百尺観音

『鋸山=地獄のぞき』と思ってやってくる観光客に、衝撃的な先制パンチを食らわせているのが、この「百尺観音」だ。
房州石の石切場跡に昭和35年から6年の歳月をかけて彫られた磨崖仏は、高さ100尺(約30m)の観音菩薩で、陸海空の交通安全を守るご本尊として祀られている。
地獄のぞき

本来の「地獄のぞき」は、「鋸山」の山頂に幾つかある展望台の通称とされているようだが、大半の人は石切場跡の絶壁の上に、下方前傾に突き出した下の場所をイメージしていると思う。

このアングルが撮れるのは、少し手前にある「瑠璃光展望台」だ。

上の写真は、ここから一眼レフで望遠をかけて撮影している。
ただここでは撮る方も撮られる方も、シャッターを切ったらすぐに立ち退こう。
ここでモニターチェックをするのは、マナー違反もいいところだ。

なおこの景色は頂上付近のいろいろな場所から見られるので、「地獄のぞき」で怖い思いをしなくても撮影は可能だ。
千五百羅漢

「西口管理所」から「大仏広場」に通じる道沿いに安置されているのは、江戸時代後期に奉納された、1553体の「東海千五百羅漢」と呼ばれる石仏群だ。

表情は実に様々で、その数にも圧倒されるが、中には石仏とは思えないほど超リアルな仏様も。
ただし見終わったあと、「西口管理所」まで戻る上りの石段はかなりきつい。
特に夏場は、ペットボトルの冷たい飲料を持参するほうがいいと思う(笑)。
日本寺大仏

この「薬師瑠璃光如来」は、江戸時代の1783年(天明三年)に「大野甚五郎英令(おおの じんごろう ひでのり)」が、27人の門徒とともに岩山を3年かけて彫刻したものが原型とされる。
しかし長年の雨風によって侵食され、江戸時代末期には著しい破損が発生して崩壊状態になっていたが、1966年(昭和41年)に4年にわたる修復が施され、今日に至っている。
ちなみに台座からの高さ31.05mは、奈良大仏の18.18m、鎌倉大仏の13.35mをはるかに凌ぐ日本一を誇っている。
鋸山山頂駐車場 アクセスマップ
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