25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、「屏風ヶ浦」や「犬吠埼」などの名所を抱える銚子の名物及び車中泊事情に関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド


~ここから本編が始まります。~
観て良し・食べて良しの「銚子」は、房総半島をめぐる旅のフィナーレを飾るに相応しい町。

銚子の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2016.04.04
2019.07.28
2026.02.18
銚子での現地調査は2026年2月が最新です。
銚子の名物&車中泊事情

銚子のロケーション

出典:千葉日報
まず「銚子」のロケーションに対するイメージは、首都圏在住者と関東地方以外から訪れる旅人では、まったく印象が異なっているように思う。
『関東最東端のまち』と呼ばれる「銚子」は、実は「房総半島」の付け根を高速道路で突っ切れば、「東京都庁」から「犬吠埼」まで約130キロ、渋滞がなければ2時間30分ほどで行くことができる。
しかし「房総半島」に滅多に、というより『一生に一度』来ればいいという遠方からの旅人は、最南端の「野島崎」を経由する「房総半島一周ルート」を走りたいわけで、約270キロ・約6時間、早い人でも1泊2日を擁して「銚子」に辿り着く。ゆえに『房総半島の旅のフィナーレ』と書いた。
ただこれは京阪神で云えば、「大阪」から「伊勢」に行くのとよく似た話だ。

出典:花の窟
我々だってよほどのことが無いかぎり、「伊勢」に行く際に、和歌山県の「潮岬」を通るような大回りはしない(笑)。
だが「熊野古道」に「大辺路」「伊勢路」が残るように、古来より江戸から来た人々は、あえて紀伊半島をめぐるそのルートを好んで歩いている。
そのことを考えると、
同じ「銚子」を紹介している車中泊旅行記事を読むにしても、この「背景」が違えば、”温度差”が出るのは否めない。

誰でもそうだと思うが、「房総半島」をグルっと走れば、最後はアジやイワシ料理を見かけても「またですか」になる(笑)。
旅行記事も「食べログ」と同じで、書いている人の”プロフィール”が分からなければ、必ず役立つとは限らない。
銚子の歴史

出典:銚子市
さて。
東と南を「太平洋」、北は「利根川」の三方を水に囲まれ、海に突き出た半島の姿をしている「銚子」の地形は、こうしてみると何かに似ている。

答えは右側の「徳利(とっくり)」なのだが、もともと「徳利」と左側の「銚子」は別物だったが、いつの間にやらごっちゃになり、今は居酒屋で『お銚子一本!』と頼めば、熱燗が入った右の「徳利」が運ばれてくる(笑)。
その名がついたのは江戸時代の後半というのだが、その時にはもうこの地が、「徳利」に似た地形であることが分かっていたのだろうか…
実はその答えも「銚子」に残されていた。

江戸時代の1801年(享和元年)7月に、初めて日本地図を完成させたことで知られる「伊能忠敬」が、この地に測量に訪れた際の記念碑が「屏風ヶ浦」にある。

ちなみに「伊能忠敬」は、「屏風ヶ浦」から約44キロ離れた、同じ千葉県の「佐原」の町と深いゆかりを持っている。
「利根川」の水運を利用して江戸時代に栄えた、商都「佐原」の豪商に養子入りし、優れた商才を発揮してその再興を成し遂げた「忠敬」は、隠居後に17年かけて日本全国を測量し、「大日本沿海輿地全図」を完成させている。
「佐原」にはその偉業を称える記念館もあるが、観ておもしろいのはこちらの映画。
2022年公開の映画「大河への道」は、「立川志の輔」の落語を原作に、「中井貴一」主演で実測地図完成の隠された真実を描いている。
少し話が逸れかけたが、
「利根川」の河口に位置する「銚子」は、古くからの漁業と航海の拠点で、約2万8千年前の旧石器時代から、人が暮らしていたことが分かっており、縄文時代の遺跡も幾つか発見されている。
その背景にあるのが、豊富な海の恵みだ。
今も昔も食べ物が手に入らなければ、人は生きてゆけない。

「黒潮(暖流)」と「親潮(寒流)」がぶつかる「銚子沖」は、魚種が多いだけでなく、回遊ルートが岸に近いため、昔から漁がしやすい場所だった。
そのうえ陸でも、原料となる大豆・小麦と、塩、軟水が近くで入手できる利点を生かした醤油づくりが発達するなど、鮮魚から水産加工品まで『オールインワンの漁業の町』となる素養も合わせ持っていた。
そうして得た産物を、「利根川」の水運を利用して、『人口100万人の大消費地』と呼ばれた「江戸」に運ぶことができるのだから、町が潤わないわけがない…
ただ不思議なことに、その富を手中に収めた大名の話が、あまり聞こえてこない。
戦国時代までの「銚子」は、「本佐倉城」を本拠とする「千葉氏」や、「小田原城」を本拠に勢力を伸ばした「北条氏」の領地だったが、彼らは内陸の地に居城を置いたまま、「銚子」には港だけを築いていた。

出典:NHK
記憶に新しいのは、2022年に放送されたNHKの大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」に登場していた「千葉常胤(つねたね)」。
大河ドラマでは、多少ヨボヨボした感のある「岡本信人」が演じているのだが、そう見えても「千葉常胤」は、1180年の「石橋山の戦い」で敗れた「源頼朝」を、下総の基盤を挙げて支え、源氏再興の礎を築いた歴史上の重要人物だ。
そして太平の世になり、「銚子」の発展に拍車をかけたのが「徳川幕府」になる。
「家康」もまた「銚子」を天領に指定し、港町として発展させる道を選んだ。
その結果「銚子」は、漁業・醤油・水運の町として大きく発展を遂げていくのだが、こうして歴史を振り返ると、この町はここまでずっと運がよかった。
しかし近年は、遠洋漁業の変化や資源の減少などの影響を受けて方向転換を迫られ、観光都市に向けて舵を切りつつある。
銚子の名物と云えば…

名物というのは何も「食べ物」に限っているわけでなく、景勝にも使う言葉だ。
実は「銚子」は、その2つの”エレメント”が、キレイに色分けされており、このマップの上半分が「グルメエリア」で、下半分に「見どころ」があると思っていい。

とりあえず「グルメエリア」から紹介すると、やはりこの「ウォッセ21」には足を運んでもいいと思う。
水産物即売センターの「ウオッセ21(Wosse 21)」は、隣接する「銚子ポートタワー」とともに、地域最大級の観光・グルメスポットとして親しまれ、「銚子港」で水揚げされた新鮮な海産物のショッピングや、シーフードレストランでの食事が楽しめる。

1階にある昔ながらの「水産物即売センター」は、平日ということもあって空いていたが、今は「境港」でも「小浜」でも「日立」にしても、かつてほどの活況はない。
「要る・要らない」というより、『だいたいこんなもの』という予想が、もう見る側にはあって、観光客のほとんどは「ウィンドウショッピング」しかしないことを、店側もよく心得ている(笑)。

それでもこういう「こだわりの逸品」を、ちゃんと並べている店があるのは感心だ。
釣り金目鯛とは
網で大量に捕る「底引き網漁」と違い、”一本釣り”で獲られた 金目鯛 のこと。
釣り上げてすぐに「活け締め」して、血抜きなどの処理ができるため、鮮度が高く、料亭や高級旅館にまわされることが多い。
ちなみに伊豆では「沖金目鯛」「地金目鯛」という呼び方があるが、これは穫れる海域によって区別されており、沿岸寄りの漁場で穫れる「地金目鯛」は、鮮度が高く脂も上品で、”地産地消”が大半だ。

いっぽう2階はレストランだが、房総半島を一周してきた旅人は、『もう見飽きた海鮮丼』を強く押されたとて、いっこうに食欲は湧いてこない(笑)。
なので、上がりもしないで次に移動したくなるのだが、『まあ、もう来るのもこれで最後だろう』との想いから、店の前まで行ったのだが、今回はそれが良かった!

「あじなめろうフライ」?
「なめろう」を焼けば「さんが」になるのは知っていたが、これは初耳なうえに、なんと云っても安いじゃないか。
そこでダメ元でテイクアウトが可能かどうかを確かめると、OKの返事が返ってきた。

思った通り、これはめっちゃうまかった!
要は「あじのミンチカツ」なわけだが、「なめろう」の段階で味噌味がついているので、調味料なしでちょうどいいお味。
テイクアウトにしたのは、ビールの肴にしたかったからだが、『6個買っておけば良かった』と後悔した。

「銚子」でそれに書き加えるとしたら、「生マグロ」になるだろう。
「生マグロ」というのは「刺身」のことではなく、一度も冷凍していないマグロを意味している。
冷凍マグロとは明らかに異なる『ねっとりとした歯ざわり』なので、一度食せば間違うことはない。

「銚子」では、近海の「生マグロ」も遠洋の「冷凍マグロ」も食べられるというが、この昔から有名な和食処「久六」は、今はその「生マグロ」の専門店になっている。
残念ながら公式サイトはなく、Instagramはやっているものの、ほとんど意味を成していない(笑)。
『♪包丁一本、サラシに巻いて~♪』の板さんなので、それが精一杯なのだろう。
詳しくは「食べログ」でご覧あれ。
評価は3.59となかなかだ。
新鮮生・厳選生まぐろ専門店「久六」
☎0479-22-1038
12時〜16時(LO/15時30分)
火曜定休
予約不可
支払い方法 現金かPayPay
駐車場2台

なお、2026年2月には寄らなかったが、2020年に放送された『車中泊とグルメを題材にした深夜ドラマ』の「絶メシロード」に登場した「こころ」は、2025年6月に「食べログ」の投稿がなされていたので、今もまだ健在のようだ。
こちらがその回のダイジェストムービー。
ドラマの中で主人公の「須田」が食べていた「おまかせ定食」は、当時は1100円で今は1200円。それでもお値打ちで、刺身も新鮮でうまい。
こういう穴場系の店が好きな人には、絶対いいと思うし、「絶メシロード」の車中泊を監修した筆者が、ドラマに登場する店で食べた中では、ここが一番よかった!
最後は特産品の醤油について。

前述したように、「銚子」は江戸時代から醤油づくりが盛んな地域で、「利根川」の水運を利用して、醤油本体はもちろん、煮魚・佃煮などの水産加工業も江戸へ出荷していた。
江戸時代創業の代表的な醤油メーカーに、「ヤマサ醤油」と「ヒゲタ醤油」がある。
2026年3月現在、「ヤマサ醤油」では平日限定で完全予約制の工場見学が実施されており、所要時間は約1時間。
映像鑑賞や仕込蔵の見学ができ、名物の「醤油ソフトクリーム」も味わえる。
なお、ヒゲタ醤油は工場見学を休止中だ。
ちなみに「利根川」の水を使っている醤油は、最大手の「キッコーマン」を含めて「こいくち」、いっぽう兵庫県を流れるの「揖保川」の水を使っているのが、「うすくち」の「ヒガシマル」になる。
銚子の名所❶ 犬吠埼

出典:千葉観光ナビ
さて。
ここからは「銚子」の見どころの話になるが、その筆頭に挙げられる「犬吠埼」の航空写真がこちらだ。
「犬吠埼」といえば、本州でもっとも早く「初日の出」が見られるところらしいが、まず元旦に行くことがない我々には、正直云ってピンこない。
それより、ここには日本人の誰もが知るであろう「トリビア」がある。

太平洋に突き出た「犬吠埼」には遮るものがないため、ご覧のように灯台が建つ断崖絶壁に、豪快な荒波が容赦なく打ち寄せ、岩に当たって砕け散る。
実はその迫力ある映像を、映画のイントロに使っているのが「東映」だ。
2016年に「犬吠埼」に行った時は、そのことを知らず、本当は超ラッキーだったのに、「とんでもない強風に当たってしまった!」と嘆き、仕方なくこんな遠くから写真を撮っていた。誠に残念!。
ちなみに世間の観光ガイドは、そのことより、イギリス人技師によって設計され、1874年に完成したこちらの白亜の「犬吠埼灯台」を一生懸命紹介している。

確かに「世界灯台100選」や「国の重要文化財」にも選出されているのだが、筆者はこういうものは、『登るものではなく、下から見上げて写真を撮るもの』だと思っている(笑)。
なので、ここについては千葉県の観光物産協会が、懇切丁寧に書いている記事をご覧いただきたい。

なお「犬吠埼灯台」の前には、2018年に開業した観光複合施設の「犬吠テラステラス(Inubō Terrace Terrace)」があり、展望スポットと地元の特産品やカフェを備えた、観光拠点として人気を集めている。

そのまま「道の駅」に登録しても、「ノープロブレム」(笑)。

「ウォッセ21」では鮮魚のまま売っていたが、ここでは「レンチン」か「湯煎」ですぐに食べられる「釣り金目鯛」の煮付けが売っている。
客入りが全然違うのは、そのあたりにも理由があると感じた。
そして後述するが、「犬吠テラステラス」の無料駐車場では車中泊も可能だ。
銚子の名所❷ 屏風ヶ浦

「犬吠埼」もさることながら、筆者が「銚子」で一番の絶景と思っているのは、「屏風ヶ浦」に残る海食崖で、「犬吠埼」と岬を挟んだ対岸にある。
英国のドーバー海峡のホワイトクリフになぞらえ、『東洋のドーバー』とも呼ばれており、ドラマやCMあるいは映画などのロケ地にも使われている。

うえの写真ではそれほどと思わなかった人でも、手前にある「銚子マリーナ海水浴場」から見えるこの景観を見れば、ちょっと認識が変わるのでは?

2012年に日本ジオパーク委員会から「銚子ジオパーク」として認定され、2016年には「国の名勝及び天然記念物」にも指定された「屏風ヶ浦の海食崖」は、高さ40〜50メートルの、数百万年から1000万年前に形成された地層が、約10キロにわたる海岸沿いに露出して連なっている。

その海食崖沿いに遊歩道が整備されており、途中まで歩いて行ける。

出典:千葉県立中央博物館
「屏風ヶ浦」の雄大な景観は、古くから多くの人に愛され、江戸後期には「歌川広重」の『六十余州名所図会』に「下総 銚子の浜 外浦」として描かれている。
「屏風ヶ浦の海食崖」は絵の右の断崖で、左の岩は「源義経」が岩の洞窟に千騎の兵を隠したという伝説が残る「千騎ヶ岩」になる。
銚子の車中泊事情

最後は「銚子」の車中泊スポットだが、それは大きく分けて2つに分かれる。
ひとつは”現地”にある公衆トイレに近い無料駐車場で、具体的には「君ヶ浜しおさい公園」「犬吠テラステラス」、そして「屏風ヶ浦」に近い「名洗港海浜公園」の3ヶ所が挙げられる。
ただ個々の詳細は長くなりすぎるので、以下の記事に別途詳しくまとめておいた。

もうひとつは、「銚子」から約16キロ・30分離れた「道の駅 季楽里あさひ」だ。
前者は釣りやサーフィンをする人と、朝日を撮りたい人が主に利用しているが、そうではない観光目的の旅人には、ウォシュレットのついたトイレと可燃物のゴミ箱があり、リーズナブルな温泉にも近い「道の駅 季楽里あさひ」のほうが、間違いなく快適に車中泊ができると思う。
房総半島 車中泊旅行ガイド

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