「月桂冠大倉記念館」を、筆者が推す理由

月桂冠大倉記念館 ミュージアム
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
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「月桂冠」という酒蔵の姿勢に共感。

月桂冠大蔵記念館

伏見と云えば、この景観。たぶん団体ツアーの参加者と、「るるぶ」「まっぷる」を買って伏見を訪れる個人旅行者の、ほぼ100%がここには足を運んでいるに違いない。

濠川

月桂冠大倉記念館は、濠川畔の月桂冠発祥地に建つ酒蔵(1909年(明治42年)築)を改装し、創業350年にあたる1987年(昭和62年)に開設された、伏見の酒造りと月桂冠の歴史を紹介する企業ミュージアムだ。

もちろん館内にはこういう展示がされている。ただ酒造りは、展示よりも映像を見るほうが分かりやすいので、興味がある人は以下の動画をご覧いただくほうがいいと思う。

また館内に関しても、パンフレットを見るのが一番だ。

パンフレットPDF

月桂冠大倉記念館

ちなみに月桂冠大倉記念館は、「伏見の日本酒醸造関連遺産」として、近代化産業遺産の認定を受けている。また他にも、

●かおり風景100選「伏見の酒蔵」
●行ってみたい、歩いてみたい、日本の100か所
●遊歩百選
●京都百景
●京都市自然100選「伏見濠川の柳並木」

などに名を連ねている。

さて。当サイトをよくご覧の方は、今回はえらく話を端折るなぁと感じたかもしれないが、別にトイレに行きたいわけじゃない(笑)。

この記事で筆者が紹介したいのは、語り書き尽くされた話ではなく、一時は80軒を超える酒蔵がひしめきあった伏見にあって、なぜ「月桂冠」がそれを代表する酒蔵にのし上がれたのか…だ。

月桂冠のサクセスストーリーを見れば、伏見の酒造りそのものが見えてくる。

なお伏見の酒の話は、以下の記事に「完璧!」というくらい詳しくまとめてあるので(笑)、ぜひ後ほど目を通してみていただきたい。

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まずはサクッと、月桂冠株式会社の会社概要を紹介しよう。

杉玉

明治時代以降、急速に全国展開し、灘の白鶴酒造とともに日本最大の酒造メーカーとなった。

業界に先駆けて、一年を通して醸造可能な「四季醸造蔵」を建設し、大量の酒を供給することに成功したことでも知られる。

企業理念は「をめざし を科学して を創る」。

さて冒頭で記したように、月桂冠の歴史は古く、創業は江戸時代初期にまで遡る。

玉泉

1637年(寛永14年)、初代・大倉治右衛門が京都府南部の笠置町から、城下町・宿場町としてにぎわっていた伏見に出て来て、屋号を「笠置屋」・酒銘を「玉泉」と名付けて蔵を開いた。

月桂冠本社

現在の「月桂冠株式会社」に商号が変更されたのは、なんと1987年(昭和62年)。「笠置屋」創業350周年、法人化60周年を迎えた時だ。

月桂冠の歩み

ちなみに月桂冠は株式会社だが、サントリー・竹中工務店・ヤンマーなどと同様に、上場していない企業としても有名だ。

堅実な経営を脈々と続けてきたことで知られ、一貫する経営方針やその経営内容は、大企業でも参考にするものが多いと聞く。

筆者が月桂冠を大きく取り上げているのは、1981年(昭和56年)に、業界に先駆け、三増酒を全廃しているからだ。

ちなみに、三増酒がいかにひどい酒であるかは、この下の記事で詳しく触れている。
中高年の嗜み「日本酒入門」
旅先で自分にあう日本酒を見つけるのに役立つ情報をまとめています。

そのせいかどうかまではわからないが、残念ながら現在は「伏見」が江戸時代からライバルとして競い続けてきた「灘」の白鶴酒造に、トップシェアの座を明け渡してしまったようだが、たとえ収益が悪化しても、そういう「お客様第一主義」の立場を貫ける企業体質を持っていることに変わりはない。

ぜひこれからも、頑張り続けて欲しい企業だと思う。

月桂冠大倉記念館
☎075-623-2056
開館時間 9:30~16:30(受付は16:15まで)
休館日 盆:2020年8月13日~2020年8月16日
年末年始:2020年12月28日~2021年1月4日
入館料 大人:400円、中学・高校生:100円
おみやげ付き:大吟醸酒 180mL 1本(未成年の方は「月桂冠大倉記念館絵はがき」)

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