車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、京都の縮図とも呼べる洛南エリアの見どころ・食べどころと車中泊事情を、写真を多用して分かりやすくガイドしています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
~ここから本編が始まります。~
「洛南」は、成熟した車中泊の旅人に”いちばんお勧めしたい京都”
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洛南の旅は、”中高年度合い”が図れるリトマス試験紙
還暦を迎えた筆者は、「プレバト」的に云うと、中高年から一段階昇格して「シニア」になったわけだが(笑)、それに際してこんな記事を書いている。
この記事の中には、「中高年ってなんだろう?」という一節がある。
誰でも中高年になれば、志向が変わる。
若い頃は進んで聞くことのなかった「演歌」や、見向きもしなかった「NHK」に対する「抵抗感」が薄れ、中には素晴らしく思えるものさえ出てくる(笑)。
さらに郷土の歴史・風土・文化等に目が向いてくるのは成熟の証だ。
それを踏まえたうえで…
筆者はこれから紹介する京都の「洛南」の旅が、貴殿の”中高年度合い”を測れる恰好のリトマス試験紙になると思っている。
洛南は”千年の都・京都”の発祥地
ところで。
「洛南」というのは「平安京の南」という意味合いで使われるが、その範囲が明確に決まっているわけではない。
ゆえにここでは、伏見・桃山から淀川流域で、大阪との境に近い山崎や淀も含めたエリアを、総じてそう呼ぶことにした。
「洛南」は奈良と大阪に通じており、淀川の水運が約1000年間にわたって、京都に多大なる影響を与えてきた。
ご承知の通り、「長岡京」は奈良の「平城京」から遷都された”最初の京の都”だ。
水だけでなく時代の流れにおいても、その「川岸」にあたる「洛南」には、この地のように激流に削られて失われてしまったところもあれば、逆に運ばれてきた土砂が堆積するが如くに、新たな文化が育まれたところもある。
川岸の地形を知るのに、川の流れを見ない者はいない。
すなわち「洛南」をよく知るには、歴史を振り返ることが大切だ。
そのステップを踏まずに、町並みや史跡だけ見て感想を語れば、誰だって「でかっ!」「やばっ!」「こわっ!」としか発せないのは当然だろう(笑)。
とどのつまり…
約1000年間の日本の歴史の流れに対する知識が、自分の中にどれだけあるのか…
逆に今は薄くても、それをきちんと見直したいと思う気持ちが、胸の中からコンコンと湧き出してくるのか…
それを筆者のガイドをもとに「洛南」で試してみることは、今後の車中泊旅行においても、けして無駄にはならないと思う。
洛南は、京都・車中泊旅の最適地
筆者が、車中泊の旅人に「洛南」を推すもうひとつの理由はこれだ。
ご承知の通り、京都市内には道の駅がないだけでなく、車中泊に適した駐車場も極めて少ないのだが、「洛南」はその中でも車中泊スポットに恵まれている。
筆者が”定宿”にしている「伏見港公園」は、歩いて伏見の町まで行けるだけでなく、京阪電車の「中書島駅」が目の前にあるので、クルマを置いたまま、宇治や四条にも簡単に出かけることができる。
このアドバンテージを有効活用することで、”道は開ける”。
洛南の旅に相応しいテーマ
最後は実際に「洛南」をどう旅するかだが、以下の記事でも書いているように、京都の旅には「テーマ」というものが欠かせない。ただ近いところを順番に見て周るだけなら、ツアーに参加するほうがいい。
そこで独自に3つのテーマを用意した。
これらは日を分けて周るもよし、機会を分けて周ってもいいと思う。
車中泊で旅する京都・洛南