この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しました。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

京都市内の理想の車中泊スポットは、終日停めたまま、観光から車中泊までできる駐車場
京都市内観光にお勧めの車中泊スポット【目次】
<番外編>
名古屋方面からの前泊地にお勧め!
名神高速「大津SA下り線(京都方面行き)」
プロローグ
京都ではクルマは主に「宿泊手段」
本題の前に、簡単に京都の市内観光と駐車場事情を説明しよう。
現在の筆者は、大阪でも京都に近い北摂エリアに住んでいるが、学生時代の4年間は京都に下宿していたので、少なくても旅人よりは「住人」に近いレベルで京都の話ができる思う。
その目線から云うと、京都市内が空いている時期と、各エリアで迷わずに「自分のクルマが停められる駐車場」を把握している人は別だが、
その自信がないなら、クルマは宿泊施設と割り切り、観光は「徒歩+電車または地下鉄」で行うことを強く勧める。
特に人気の高い東山と嵐山エリアではそれが顕著だ。
現在の京都市内は、渋滞は相変わらずひどいが、コインパーキングはかなり増えており、軽自動車やコンパクトカーなら、駐車場が満車でどうしようもないというのは、GWや正月くらいになりつつある。
ただしキャンピングカーでなくても、ルーフボックスを積んだクルマが、そのコインパーキングに駐車できるとは限らない。
京都では空区画があっても、高さ制限だけでなく道幅や奥行きが足りなくて、ナローのハイエースでさえ入庫困難なコインパーキングは珍しくない。
ゆえに「キャンピングカーやRV車特有の事情」をよく知らないブロガーたちが紹介している「格安駐車場」に、車中泊旅行者が入庫できるとは限らない…
ということは、
そもそもの情報収集方法が、「ここでは合っていない」ということになる。
京都市内の車中泊地は、目的優先で選ぶことが大事。
京都市内の有名な観光地周辺は慢性的に渋滞しており、「無駄に走らない」ことがマイカーによる観光の基本だ。
京都の町は小さいが「観光密度」は高い。
すなわち、東山や嵐山のように、他なら半日もかからないエリアでも、丸一日、季節によっては1泊2日を要してしまう。
ゆえにまずは、自らの旅行プランに合うエリアの車中泊スポットを知ることから始めるべきだ。
車中泊の決め手は、トイレと風呂。
まず、大半のコインパーキングにはトイレがない。ただそれは、近くにコンビニか公衆トイレがあれば解消できる話だ。
問題は風呂。
夏でなければ1日くらい入らずに済ます手もあるが、京都の市内観光は想像以上に歩くので、その疲れを癒やすには入浴したほうがいいと思う。
もちろん理想は徒歩圏内に入浴施設があるところだが、現実から云うとそれは「稀有」で、まず偶然には見つけられまい。
それらを踏まえたうえでリストアップしたのが、次の京都市内観光に適した9件の車中泊スポットだ。
総合評価ナンバーワン!
キョウテク京阪三条駅パーキング
市内の東西南北に電車と地下鉄で移動できるうえに、人気の祇園や清水寺がある東山エリアは徒歩圏内。
料金は平日なら最大1700円。土日祝日は2800円。銭湯まで歩いていけるのもいい。
前泊に最適。
「壬生温泉はなの湯」駐車場
新選組が本拠地にしていた「壬生寺」の近くにある、深夜1時閉館のスーパー銭湯で、基本的にここには観光終了後に来て泊まることになる。
駐車場はコインパーキングになっていて、料金は1時間300円。
かつてあった最大料金設定はなくなったが、温泉利用者は駐車場が6時間無料になるのはありがたい。
駐車場から100メートルほどのところに公衆トイレ、さらにその先には23時まで営業しているスーパーもあるので、夜遅くに到着しても安心だ。
御所と周辺観光にお勧め。
中立売駐車場(京都御所西駐車場)
かつては「御所西駐車場」と呼ばれていたが、改装とともに「中立売駐車場」の呼称で統一されたようだ。
京都御所の無料見学や、京都御苑でのんびりしたい人に最適だが、ここは銭湯までちょっと遠いのが難点だ。
大原・比叡山にお勧め。
道の駅くつき新本陣
所在地は滋賀県だが、京都との県境を少し超えた鯖街道沿いにある。
無料化された「途中トンネル」を抜ければ、大原までは30分もかからない。また湖西道路を使うと比叡山にも近い。温泉はクルマで5分ほどのところにある。
嵯峨野・嵐山観光にお勧め。
道の駅ガレリアかめおか
JR亀岡駅からJR嵯峨駅まではわずか3駅、しかも運賃は200円。有名なトロッコ列車も使えるが、シーズンは激混みでJR在来線の利用がお勧めだ。
ここも銭湯までクルマで5分ほどで行ける。
伏見で観光とグルメが楽しめる
伏見港公園
伏見港公園は京阪電車の中書島駅・南口から徒歩1分のところにあるトイレ付きの公共駐車場で、坂本龍馬ゆかりの「寺田屋」をはじめ、黄桜と月桂冠の酒蔵ミュージアムにも歩いて行ける穴場の車中泊スポットといえる。
500メートルほどのところに銭湯があるが、ここは最大料金設定がなく、200台を収容できるので、4キロほど離れたスーパー銭湯で寛いで来てもいい。
電源が必要な人にお勧め。
RVパーク京都南鴨川RVサイト
名神高速の京都南インター近くにある、キャンピングカーディーラー「バンテック社」が運営する「車中泊場」。
電源とコインシャワー、コインランドリー、炊事場が設置され、ゴミの処理もしてもらえる。
名古屋方面からの前泊地にお勧め!
名神高速「大津SA下り線(京都方面行き)」
2022年11月に、シャワーとコインランドリーの設備を持つ「ドライバーズコーナー」が新設され、車中泊環境が大幅に向上している。
ベテランならここは避ける
東山山頂公園(将軍塚)
最後は、知名度は高いが「お勧めしない」車中泊スポットをご紹介。
京都市内の無料車中泊スポットとしてよく紹介されているが、利便性が悪いうえに、治安も衛生もけしていいとは思えない。
車中泊で旅する京都






「アラ還」からの車中泊


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