丹後半島・山陰海岸 絶景スポットガイド【クルマ旅のプロが解説】2023年11月

山陰海岸ジオパーク 京都府各地の車中泊旅行ガイド

車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年11月現在の丹後半島の日本海沿岸部にある見どころを詳しくご紹介。

「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド

この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

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~ここから本編が始まります。~

経ヶ岬から久美浜湾に至る、丹後半島の旅のキーワードは「山陰海岸ジオパーク」

山陰海岸ジオパーク

「丹後半島」の筆者の歴訪記録

※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。

2008.08.08
2010.02.20
2010.08.16
2010.11.13
2010.11.20
2010.12.27
2011.02.25
2011.03.12
2011.07.28
2013.05.06
2015.09.12
2018.09.17
2020.04.03
2022.05.07
2023.11.05

※「丹後半島・山陰海岸」での現地調査は、2023年11月が最新になります。

丹後半島・山陰海岸 絶景スポットガイド

丹後半島・山陰海岸の概要

山陰海岸ジオパークとは

お勧めのジオサイト+α

蒲入展望所

大成古墳群

立岩

琴引浜

夕日ヶ浦

久美浜湾

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丹後半島・山陰海岸の概要

立岩

以下の記事とも重複するのだが、筆者は「丹後半島」の見どころを、「湾内」と「日本海沿岸」の大きく2つに分けてガイドしている。

なぜなら、年中穏やかな湾内に位置する「宮津」と「伊根」、そして冬は荒波にさらされる「日本海沿岸」には、それぞれ固有の特性があり、「丹後半島」という大雑把なくくりで見てしまうのは、ちょっと違う気がしている。

車中泊で旅する「海の京都」【クルマ旅のプロが解説】2023年11月
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年11月現在の京都・舞鶴と丹後半島の見どころと車中泊事情に関する解説です。

そのためこの記事では「天橋立」と「伊根の舟屋」は登場せず、「日本海沿岸」に絞って、見どころを詳しくレポートしている。

丹後半島

そもそも、この手の話は最大公約数のニーズにしか関心のない旅行会社や、その手のウェブサイトからは出てこない、マニアックな類の情報だ。

それは長年、日本各地を車中泊で旅してきたからこそ分かる話で、クルマで丹後半島をめぐる旅人の中には、それほど混雑しないこのエリアに関心を持つ人が、少なくないと筆者は感じている。

さて。

マップにブルーで示した、丹後半島「日本海沿岸部」の旅行ルートは、全長約47キロ。若い人が一気に走れば、1時間強でドライブは終わる(笑)。

道の駅 てんきてんき丹後

ゆえにワンデイでの観光を想定しているわけだが、丹後半島沿岸部の見どころは、「道の駅てんきてんき丹後」がある間人(たいざ)を境に、東の断崖絶壁、西の砂浜と明確に景観が分かれている。

浜詰海岸

そこで時間が許すなら、前半・後半に日を分け、途中に釣りやハイキングを組み込んだり、地元で新鮮な食材をゲットし、キャンプ場でゆっくり過ごすといった”オプション”を加えてみるのも悪くない。

間人ガニ

そういった変化を自在につけられるのも、車中泊旅ならではの魅力であり、愉しみ方の”引き出し”を増やすことにも通じていく。

 

山陰海岸ジオパークとは

山陰海岸ジオパーク

実は「丹後半島」最先端の「経ヶ岬」から、兵庫県との県境に近い「久美浜」にいたる海岸沿いの見どころは、大半が「山陰海岸ジオパーク」の”ジオスポット”に指定されている。

丹後半島 立岩

”ジオスポット”とは、地質・地形・自然・歴史・文化など、そのジオパークを特色づけている見学地のことで、解説看板と駐車スペースが設けてあるので立ち寄りやすい。

ただ面積は広大で、「丹後半島」だけにとどまらず、兵庫県の「但馬海岸」を経て、西は鳥取県の「浦富海岸」、しいては「鳥取砂丘」にまで至っているため、見たい地域に則した情報を得ないと埒が明かない。

道の駅 てんきてんき丹後 

「丹後半島」でもっとも「山陰海岸ジオパーク」を詳しく紹介しているのは、「道の駅 てんきてんき丹後」館内の一画に設けられた、「京丹後市情報センター」だ。

ただしここは、観光ルートのほぼ中間地点にあるため、東西どちらから周るにしても、途中にしか寄ることができない。

そのためマップや資料を先に得たい人は、宮津の道の駅にある観光案内所か、伊根町の伊根浦公園前にある観光案内所で、入手しておくことをお勧めする。

丹後半島マップ

今はスマホがあれば十分と思っている人もあるだろうが、実際の旅では、目的地どうしの距離感や広範囲の地理を瞬時に把握できる”紙の地図”は、小さなモニターよりも数倍便利で役にも立つ。

なおネットでは、以下のサイトに詳しい情報が掲載されている。

お勧めのジオサイト+α

久美浜展望台

上記の理由もあり、ここでは筆者が”行く価値あり”と判断したところだけを、大きく取り上げている。

それ以外は、どちらかと云えば否定的なコメントになるが、「何でもかんでも行ってみて~!」みたいな記事よりは、大いに参考になるはずだ(笑)。

旅行者は、どこに行くにも「時間」「労力」そして「コスト」が必要で、それを無責任に浪費させるような記事は、”百害あって一利なし”。

筆者はこれまで、デリカシーのない記事にずいぶんロスをさせられてきた。

なおプラスαは、ジオサイト以外の”行く価値あり”の場所になる。

蒲入展望所 ★★☆
※ジオサイト外

カマヤ海岸

断崖絶壁に沿って国道178号が延々と続く、「カマヤ海岸」の景観が素晴らしい「蒲入展望所」は、「道の駅 舟屋の里 伊根」から経ヶ岬方面に約13キロ・クルマで20分ほど走ったところにある。

蒲入展望所

国道沿いにトイレと小さな駐車場も用意されており、展望所は写真の階段を登ったところにあるが、トイレの横からでも「カマヤ海岸」はよく見える。

甲崎展望台

その3キロほど先には、もっとクルマが停めやすい「甲崎展望台」もあるが、見える景色は断然「蒲入展望所」のほうがいい。

このエリアの見どころは「海」ではなく、「カマヤ海岸」の断崖絶壁と、そこを縫うように作られた、日本の土木技術に感銘を覚える国道だ。

「甲崎展望台」からはそれがまったく見えないので、立ち寄る意味を感じない。

経ヶ岬灯台

またその先にある白亜の経ヶ岬灯台は、写真映えするためガイドブックやウェブサイトは取り上げたがるが(笑)、外観から特徴がはっきり感じられるわけでもなく、「京都百景」に選ばれた景勝地にしてはあまりに平凡だった。

ゆえに灯台マニア以外には、勧められるほどのところとは思わなかった。

袖志の棚田

続いて「日本の棚田百選」に選ばれたという「袖志の棚田」だが、扇状地に開けた約400枚しかない棚田だけに、スケール感は感じない。

袖志の棚田

訪れる時期にもよるが、景観という意味では丹後半島であえてクルマを駐めてまで見るほどのものではないと思う。

白米千枚田

こちらは能登半島にある「丸山千枚田」。

同じ棚田でも、このくらいあると”行く価値あり”にするんだけどね(笑)。

ただ余談になるが、丹後の米はうまいことで有名だ。

なぜなら、米作りの歴史が他とはちょっと違う。米に関して云うなら、そこをPRするほうが心は動く。

丹後松島

続く「丹後松島」は、島々が連なっている様子が宮城県にある日本三景の「松島」に似ていることから、そう名付けられたというが、展望所からの景観がこれでは、本家の「松島」に対して失礼だ(笑)。

日本三景 松島

こちらが本物の「松島」。多島美は高台から展望してこそ感動を覚えるが、「丹後松島」にはそういう展望所はないようだ。

丹後松島

とはいえ…

「何とかならんのか」と頑張ってみたが(笑)、やはり標高がないと映えない。

丹後松島 駐車場

なお、ここにはトイレと駐車場が用意されており、頑張って夜明けを撮るなら車中泊もできる。

丹後松島

夜明けの写真は、この駐車場の国道を渡った歩道の上から撮影している。

丹後半島 屏風岩

「丹後松島」の駐車場から「犬ヶ岬トンネル」を抜けると視界が広がり、海側の歩道に設けられた展望所から、遠くに「屏風岩」を見ることができる。

丹後半島 屏風岩

「屏風岩」は高さ13メートルの安山岩で、海面からそそり立つ姿が、屏風を逆さにしたように見えることからその名がついた。

丹後半島 屏風岩

北西に向かって、小さい岩が一直線に連なって海に浮かんでいるのは、台地の亀裂の名残らしい。

ただここは駐車場がないので、こういう写真を撮るには、路肩にクルマを駐めてもあまり迷惑にならない早朝のうちに、下の遊歩道まで行くしかないが、駐禁を取られても筆者は知らない(笑)。

大成古墳群 ★★★

大成古墳群

「道の駅てんきてんき丹後」より東の”ジオサイト”では、ここがもっとも広範囲に絶景を眺望できる、お勧めのフォトスポットになる。

写真の右奥に見えているのが、日本海につきだした半島状の「犬ヶ岬」で、その手前に「屏風岩」が小さく確認できる。

立岩

いっぽう振り向くと、後述する「立岩」を見下ろすことができる。

「立岩」へは歩いても行けるが、少し西に移動すれば、クルマでもっと近寄れる場所があるので、「大成古墳群」では眺めるだけでいいだろう。

ただ、海に突き出た構図の「立岩」が撮れるのはここだけだ。

大成古墳群

”ジオスポット”の名前の通り、ここには古墳時代後期(6世紀末~7世紀初め)に造られたと推定される、13基の横穴式石室墳が集まっており、発掘された出土品は、当時の丹後を支配していた部族の力を示す、貴重な資料とされている。

大成古墳群

すぐ下には竹野漁港があるが、古代は久美浜湾のように海が深く入り込んだ地形で、港として栄えていたことが分かっている。

大成古墳群

なお「大成古墳群」は「屏風岩」方面から来ると、このようにUターンして誘導路に入る必要があるので、入口を見落とさないよう注意しよう。

立岩 ★★★

立岩

「丹後半島」では屈指の呼び声が高い、山陰海岸ジオパークの見どころが「立岩」。

「大成古墳群」からも見える、外周約1キロ・高さ20メートルを誇る一枚岩だ。

立岩

マグマが冷える時にできた、「柱状節理」と呼ばれる安山岩の直線的で荒々しい岩肌は、近くで見ると大迫力。

立岩

また「立岩」は、冬の荒れた日に見てもかっこいい(笑)。

依遅ヶ尾山

今では想像もつかないが、「立岩」や「大成古墳群」に残る「柱状節理」は、この写真に写る「依遅ヶ尾山(いちがおさん)」が、古代には活火山だった証だという。

地質学は、そんなことまで分かるからおもしろいわけで、その意味からも「立岩」は”ジオスポット”と呼ぶに相応しいと思う。

後ヶ浜海水浴場

それから約1500万年という、気の遠くなるような時が流れた現在の「立岩」は、「後ヶ浜海水浴場」とつながっており、夏はキャンプ場も開設される。

キス

また秋は、落ちキスがよく釣れることでも有名だ。

穴穂部間人皇女

さて。

「立岩」の近くには母子の像がある。

その主の名前は、欽明天皇を父とし、蘇我稲目の娘を母とする「穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ)」。

そして、少年の名前は「聖徳太子」だ。

聖徳太子生誕地

伝承によれば、「間人(はしうど)皇后」こと「穴穂部間人皇女」は、異母兄にあたる用明天皇に嫁ぎ、廏(うまや)の前で聖徳太子(廏戸皇子)を出産するが、その後しばらく「蘇我氏」と「物部氏」との争乱を避けて、丹後に身を寄せていた。

「蘇我氏」が「物部氏」を打倒し、動乱がおさまった大和へ戻る「退座」の際に、皇后はお世話になった人々に感謝の思いを込めて、この地に自分の名前の「間人」を贈ったのだが、村人はそのまま口にするのは恐れ多いとして、「間人(はしうど)」を「たいざ」と読むことにしたという。

伝説にしては、なかなかシャレているわけだが(笑)、それにしてもなぜゆえに、皇后様が丹後に疎開を?

興味がある人は、近くにある「京丹後市立 丹後古代の里資料館」に足を運ぼう。

京丹後市立 丹後古代の里資料館

そこには、あっと驚く丹後と大和朝廷の関係を示す資料が展示されている(笑)。

なお、筆者もそれに関連する話を以下の記事にまとめているので、よろしければあわせてご覧いただきたい。

てんきてんき村オートキャンプ場

最後はアクセスについてだが、「立岩」へは「道の駅 てんきてんき丹後」にクルマを置いて、駅舎の裏側に隣接する「てんきてんき村オートキャンプ場」の中を歩いて通り抜け、竹野川に架かる橋を渡れば10分ほどで到着できる。

立岩駐車場

面倒ならクルマで行くことも可能だ。

道の駅から竹野川を渡ってすぐの「間人後ヶ浜」の交差点手前に、写真の駐車場に通じる細い道がある。現在は曲がり角に看板が出ているのでわかりやすい。

ここで、食事も車中泊もできる「道の駅 てんきてんき丹後」を紹介して前半終了。

ということで、一息入れよう。

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琴引浜 ★★☆

冒頭でも記した通り、「道の駅 てんきてんき丹後」から西の丹後半島沿岸部は、美しいビーチが見どころの中心になる。

そのトップバッターが、鳴き砂で有名な「琴引浜」だ。

琴引浜

鳴き砂の浜として有名な「琴引浜」は、全長1.8キロにわたる白砂青松の景勝地で、国の天然記念物・名勝に指定されている。

鳴砂

鳴砂の原理は、砂浜を歩くと砂に含まれる石英の摩擦でキュッキュッと音がする点にあるのだが、砂が汚れたり、前日が雨の日や湿気が多い日などは鳴きにくいといわれ、観光には春がいちばんお勧めのようだ。

琴引浜駐車場

ただし琴引浜(掛津)の駐車場は、鳴き砂を守るため、砂浜に降りる場合はその保全料の名目で1000円が徴収される。

琴引浜 露天風呂

駐車場から風景を見るだけなら無料のようだが、名物の露天風呂を行くなら、さすがにそうはいくまい。

琴引浜

露天風呂は駐車場を通り過ぎた奥にある、「琴引浜掛津キャンプ場」から琴引浜に降りたところにあり、駐車場からでも片道10分程度はかかる。

琴引浜露天風呂

むき出しのパイプからは、汲み上げたばかりの新鮮な温泉がドバドバと大量に溢れ出ており、常にお湯は新鮮で温かいのだが、湯殿はひとつで混浴になるため、利用時は水着か浴衣の着用が必須。なお入浴できるのは7月~8月末までで、残りの期間は足湯のみになる。

出典:琴引浜観光宿泊組合

なお、1000円の駐車料金がバカバカしいと感じる人は、「琴引浜鳴き砂文化会館」の駐車場にクルマを駐めて、徒歩でアクセスするといい。

琴引浜鳴き砂文化館

「琴引浜鳴き砂文化館」では、「琴引浜」だけでなく日本や世界各地の鳴き砂に関する展示を行っており、290円の入館料は駐車場代だと思えばいい。

ただ琴引浜の駐車場までは約1キロ、歩くと10分近くはかかる。

琴引浜鳴き砂文化館
☎0772-72-5511
おとな290円
9時~17時(受付最終16時30分)
火曜定休(祝日の場合は翌日)

もっとも…

普通の旅人なら誰でもそうすると思うが(笑)、琴引浜の駐車場は海水浴のオフシーズンでもサーファーが好んで利用する。

琴引浜

隣の夕日ヶ浦には無料駐車場があるポイントもあるのだが、1000円払って、空いている琴引浜でゆうゆうと波乗りしたい気持ちもよくわかる。

でも、もう少しいい方法を考えてくれないと、海水浴やサーフィンをしない観光客は、琴引浜を敬遠すると思う。

八丁浜

続く「八丁浜」には、こちらの「八丁浜シーサイドパーク」に、無料の駐車場と足場の良い釣り場、さらに遊具と芝生広場があることから、地元のファミリーがよく利用しているようだ。

トイレもあって車中泊もできるので、のんびりするならいいと思う。車中泊情報を含めた詳細は以下の記事にまとめている。

静神社

「八丁浜」と「五色浜」の間にある、網野町の浅茂川地区は小さな漁村で、磯の高台には「静御前」生誕地の伝承が残る「静神社」がある。

出典:NHK

わざわざ行く価値まではないと思うが、2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で「石橋静河」が演じ、見事な舞いを披露したことで注目を集めたのは記憶に新しい。

静御前 生誕地

平安時代の末に生まれた「静御前」は、都でも指折りの”白拍子”として有名になり、「源義経」に見初められて側室となるが、「義経」は「壇ノ浦の戦い」で平家を滅亡させた立役者として、「後白河法皇」に取り立てられたことがきっかけで、兄「頼朝」の怒りに触れ、追われる身となる。

そのため「静御前」は「義経」と生き別れになるが、捕えられて鎌倉に送検された。

「静御前」は「頼朝」と「政子」の前で舞を強要され、

「しづやしづ しづのをだまきくり返し 昔を今に なすよしもがな」

静や静と繰り返し呼んでくださった義経様、あの懐かしい昔にまたもどるすべはないだろうか

と、「義経」への想いを唄って舞い、「頼朝」の怒りを買う。

「政子」のとりなしで命は救われたものの、身籠っていた義経の男子は鎌倉の海に沈められた。

「静御前」を憐れんだ「政子」は、多くの金品を持たせて鎌倉から逃がすのだが、その後の消息は不明。生涯については諸々の伝承があるが、確かなものはなく、その半生は謎に包まれたままだ。

五色浜園地

続くジオスポットの「五色浜園地」は、丹後半島唯一の海中公園で、波打ち際の岩場まで遊歩道が延び、敷地内には広い駐車場と和式の水洗トイレがある。

五色浜園地

サーフィンはできないので、静かな場所で車中泊がしたい人には好適地かもしれないが、「五色浜園地」に行くには網野で国道178号を離れて、海岸沿いを走る網野町の府道浜詰網野線(府道665号)を走る必要がある。

さらに府道から駐車場までの誘導路は道幅が狭く、対向通行ができない。

丹後半島の西地区では珍しい岩礁地帯ではあるものの、アクセスを考えると観光コースからは除外して考えてもいいと思う。

夕日ヶ浦 ★★★

夕日ヶ浦

「夕日ヶ浦海岸」あるいは「常世の浜」とも呼ばれる「浜詰海岸」は、日本の夕陽百選にも選ばれた丹後半島の景勝地で、海水浴、サーフィン、そして投釣りのスポットととしても有名だ。

夕日ヶ浦

ちょっと前までは、夏が終わればサーファーしか見かけなかったのだが、近年は施設の再整備が進み、若い観光客が驚くほど増えている。

夕日ヶ浦

流行りのローマ字モニュメントも登場。

浜詰園地 駐車場

筆者は波には乗らないが、釣りはするので昔からここに足を運んできたのだが、その際に利用してきたのが「浜詰園地(夕日公園)」の無料駐車場だ。

丹後半島の穴場車中泊スポット 夕日ヶ浦・浜詰園地 (夕日公園)【クルマ旅のプロが解説】 2023年11月更新
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年11月現在の丹後半島・夕日ヶ浦にある「浜詰園地 (夕日公園)」の車中泊に関する記述です。

花ゆうみ

また夕日ヶ浦には、食事もできる日帰り温泉「花ゆうみ」もあり、例年11月から始まるカニのシーズンには、ランチのフルコースも楽しめる。

夕日ヶ浦温泉 花ゆうみ
☎0772-74-1306
おとな700円
12時~21時45分(受付最終21時15分)
木曜定休

カニ一番

また浜詰海岸から約1.5キロ・クルマで5分ほどの国道178号沿いには、名産のカニを筆頭に、海鮮からお土産をふんだんに揃えた「かに一番」の木津店もある。

久美浜湾 ★★☆

久美浜湾

「久美浜湾」は正確には”湾”ではなく、「小天橋」によって日本海と隔てられた、周囲28キロの汽水性の潟湖(せきこ)だ。

出典:海の京都DMO

「小天橋」は日本海の沿岸流によって運ばれた砂が、「久美浜湾」の入口をふさぐように長く延びて、日本海と隔てるように発達した砂州で、宮津にある「天橋立」と似ていることからその名がついた。

小天橋

「久美浜湾」と日本海の間には、1913年(大正2年)に人工的に開削された、幅30メートルの水戸口と呼ばれる運河状の細い水路が通じている。

ただ残念ながら「小天橋」には、上の写真の光景を目にできる高台はなく、むしろ近づくほど地形の特性がわからなくなる。

ゆえにわざわざ足を運ぶ必要はあるまい。

久美浜湾

しかし少し離れたところに、「小天橋」の地形がわかる展望所がある。

「久美浜湾」はプランクトンが豊富なことから、昔からカキの養殖が盛んで、カキ棚が穏やかな水面に浮かぶ光景は、京都府文化的景観に指定されている。

久美浜展望台

その「久美浜湾」を見渡す絶景地が、南東部に位置する標高約192メートルの「かぶと山山頂展望台」だ。

かぶと山公園駐車場

かつては対向するのも大変な山道をクルマで登って行ったのだが、現在は「かぶと山公園」の無料駐車場にクルマを駐め、そこから徒歩でアクセスする。

ただし「かぶと山公園」から頂上にある「かぶと山山頂展望台」までは、片道30分近くかかるため、そのルートで筆者は現地まで行ったことはない。

かぶと山山頂展望台

代わりに下から眺めておいた(笑)。

小天橋

下からでも「小天橋」は見える。

久美浜公園

最後は、地元で「浜公園」とも呼ばれる「久美浜公園」をご紹介。

「久美浜公園」は穏やかな久美浜湾に面した広い芝生の市民公園で、専用の大きな無料駐車場を有し、トイレもあるので車中泊が可能だ。

丹後半島の「久美浜公園」は、釣りもできる車中泊の穴場スポット【クルマ旅のプロが解説】 2023年11月更新
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年11月現在の丹後半島にある「久美浜公園」の車中泊に関する記述です。

豪商稲葉家

ちなみに、

江戸時代に幕府の直轄地として代官所が置かれ、明治初期に県庁があった久美浜の町は、北近畿の政治・経済の中心的存在として栄えてきた。

豪商稲葉家

中でも「稲葉本家」は、織田信長家臣であった美濃の稲葉一族の末裔と云われ、糀製造で得た富を背景に廻船業を営み、付近諸藩の金融を独占するほどの豪商だった。

豪商稲葉家

現在の建物は、明治18年から5年かけて建て直したもので、拝観料は無料。

駐車場は屋敷の横に2~3台分のスペースがあるが、満車の場合は久美浜公園の無料の駐車場を利用する。

豪商 稲葉本家
〒629-3404
京都府京丹後市久美浜町3102
☎0772-82-2356
見学無料
9時~16時・水曜休館

 

これにて、丹後半島・山陰海岸の絶景スポットガイドは打ち止め終了。長らくのお付き合い、ありがとうございました。

なお、まだ読み足りないという方には、続きをご用意しております(爆)

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