車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、日本建国の軌跡が読み取れる丹後半島の歴史に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊歴史旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」がまとめた、「一度は訪ねてみたい日本の歴史舞台」を車中泊で旅するためのガイドです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
丹後半島には、「ヤマト王権」よりも早く渡来し、畿内に勢力を誇った部族がいた。
唐突だが、「建国をしのび、国を愛する心を養う。」と規定された、日本の建国記念日をご存知だろうか?
そんなの、2月11日に決まってるやん!
は、正解のようだが、残念ながら厳密に云うと”間違い”のようだ。
確かに「建国記念の日」は2月11日だが、日本に「建国記念日」はない。
なぜこのような屁理屈めいた話になるのかというと、それはひとえに日本の建国が神話にぼかされた”伝説”だからだ。
「建国記念の日」は「神武天皇」が初代天皇に即位したとされる旧暦の紀元前660年1月1日を指しているのだが、明治時代になって新暦に換算された結果、2月11日に置き換えられ、1966年(昭和41年)に改めて祝日に制定されている。
だが「神武天皇」は、古事記では137歳、日本書紀では127歳まで生存したことになっており、実在人物かどうかも含めた、考古学・歴史学上の確証がないことから、神話のストーリーが史実であるとは考えられていない。
もちろん日本の創世にも、真実はある。
そして、それを紐解く”手がかり”が「遺跡」や「古文書」で、”史実の解明に向けて積み重ねられてきたノウハウ”が「考古学」と「歴史学」だ。
ところであなたは、「丹後王国」という言葉をご存知だろうか…
実は丹後半島では約6,000基にのぼる古墳が見つかっており、古代に現在の天皇家の先祖とは別の渡来人が築いたクニが存在し、そのクニが現在に至る日本創生に多大なる影響を及ぼしていることが、「考古学」と「歴史学」により実証されている。
ただ地元は、「丹後王国」という言葉の使い道を誤った。
1998年(平成10年)に旧弥栄町にオープンした京都府立の農業公園「丹後あじわいの郷」が不良債権化し、2015年(平成27年)に目先を変えた「道の駅」としてリニューアルオープンする際に、丹後王国「食のみやこ」という、実に安易なかたちで使ってしまったのだ。
そのため多くの人は、「丹後王国」を”カニを筆頭に、フルーツ・米・日本酒などのグルメが揃う丹後半島”の、単なるキャッチフレーズだと受け止めている。
それは丹後が、伊勢神宮の「外宮」に祀られている「豊受大神」のふるさとであることを思えば、あまりにも軽すぎる…
言葉の使い道を間違えなければ、丹後半島は「吉野ヶ里」以上に注目される、歴史的地位を得ていた可能性は否定できない。
「道の駅 てんきてんき丹後」のすぐ近くにある「京丹後市立 丹後古代の里資料館」には、そう思わせてくれるだけの展示物が揃っている。
京丹後市立 丹後古代の里資料館
☎0772-75-2431
おとな300円
9時30分~16時
火曜・年末年始 定休
さて。
本来なら、話はここから核心に迫っていくわけだが、前述したように「丹後王国」と「大和朝廷」の関係は、「伊勢神宮」というフィルターを通して見るほうが、筆者はおもしろいと思っている。
ということで、続きは以下の記事でご覧いただきたい。
最後に…
それにしても日本にはまだまだ知らないことがたくさんある。ゆえに「ディスカヴァー・ジャパン」の旅はやめられない(笑)。
丹後半島 車中泊旅行ガイド
※以下の記事はすべて広告・外部リンクではなく、オリジナルの書き下ろしです。