伊根の舟屋のお勧め駐車場&見どころガイド【クルマ旅のプロが徹底解説!】 2023年11月

伊根の舟屋 京都府各地の車中泊事情

車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年11月現在の「伊根の舟屋」をマイカーで訪ねたい人に向けた、どこより詳しい情報です。

「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド

この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

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~ここから本編が始まります。~

伊根の舟屋街に駐車場はあるが、休日は常時満車状態。その際には「道の駅 舟屋の里伊根」の第2駐車場が”穴場”になる

伊根の舟屋

「伊根の舟屋」の筆者の歴訪記録

※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。

2010.02.20
2010.10.29
2010.11.20

2011.01.09
2013.05.07
2015.05.12
2015.09.12

2020.04.23
2022.05.07
2023.11.04

※「伊根の舟屋」での現地調査は2023年11月が最新です。

伊根の舟屋 駐車場&見どころガイド

伊根の舟屋

「伊根の舟屋」とは

「伊根の舟屋」の観光法

「伊根の舟屋」の駐車場事情

「伊根の舟屋」の車中泊事情

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「伊根の舟屋」とは

伊根の舟屋

離れて見ると、まるで海に浮かんでいるかのように見える「伊根の舟屋」は、伊根湾沿いの海面すれすれに立ち並ぶ日本家屋で、1階が舟の収納庫、2階に居間あるいは網の干し場や漁具置き場を備える、この地方特有の自然から生まれた建造物だ。

昔は漁に木造船を使用していたため、船を海から引き上げ、風雨や虫から守るとともに乾かす必要があった。

伊根の舟屋

約5キロに及ぶ伊根湾の周囲には、今も江戸時代末期から昭和初期にかけて建造された、約230軒の舟屋が建ち並んでいる。

伊根の舟屋 重伝建

それが周辺環境と一体となった歴史的景観を維持していることから、2005年に全国の漁村で初めて、「伝統的建造物群保存地区」として国の選定を受けた。

人口約2000人の町に、今ではこの景観を見ようと、年間30万人超の観光客が訪れる。

伊根の舟屋

ただ現在は、

道1本挟んだところに生活の拠点となる主屋(母屋)を持っている漁師が大半で、舟屋の2階は子供部屋や老後の離れとして使われている程度だとか。

伊根の舟屋

また船もFRP(繊維強化プラスチック)製で大型化しているため、引き上げずに舟屋の前に係留している家が多い。

伊根の舟屋

そんなわけで、本来の役目を終えた舟屋は、空いた一階を魚を料理する際に使ったり、洗濯物を干したりと、暮らしの場として活用されているのが実情だ。

「伊根」に舟屋が根付いた背景

伊根湾

さて。

伊根湾は、北・東・西の三方を山に囲まれ、南に青島が浮かんでいるおかげで、日本海の風と荒波が直接入ってこない。しかも外海ではなく、内海の若狭湾に向かって開けているため、日本海とは思えないほど穏やかな凪が年中続く。

ちなみに伊根湾は魚影が濃く、迷い込んだ鯨を捕っていたこともあるという。

また伊根は富山県の氷見、長崎県の五島列島とともに、「日本三大ブリ漁場」とも呼ばれてきた。

出典:テレビユー福島

ブリは成長とともに、関東では「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」、関西では「ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」と名前が変わる出世魚で、北海道で夏を過ごした天然のブリは、水温の下がる晩秋に日本海方面へ南下し始め、通過点にあたる北陸地方・丹後地方に到達する頃に、良質の脂がのりきった美味しいブリに成長している。

出典:油屋

そのため、丹後地方には古くから冬になるとブリを食べる習慣があり、伊根町にある油屋は「ぶりしゃぶ」発祥の宿とも云われている。

伊根湾

現在は養殖技術の発展も目覚ましく、冬場は名産となった「伊根ブリ」を楽しみにこの地を訪れる人も多いようだ。

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「伊根の舟屋」の観光法

伊根町観光案内所

さて。

ここからはその「伊根の舟屋」をどう愉しむかについての話になるが、それは大別すると次の4つに分けられると思う。

1.「舟屋」そのものを観る

2.「伊根の町並み」を観る

3.「伊根湾」を観る

4.「伊根の魚」を食する

1.「舟屋」そのものを観る

舟屋見学 幸洋丸

まず、伊根の舟屋は世界遺産の「白川郷」と同じで、住民が生活の場として利用している家屋を勝手に覗き見ることはできない。

伊根の舟屋

また構造的に、見ようとしても道から簡単に見られるものでもない(笑)。

舟屋見学 幸洋丸

現在は町内に舟屋の中を見せてくれる有料施設がいくつかあるので、そこを利用することになるのだが、200円の良心価格で舟屋に入れるのが、こちらの「幸洋丸」だ。

伊根の舟屋

値段が値段だけに、見られるのはまさに漁師の倉庫そのものだが、”伊根の原風景”が見たい人には、手つかずのままのこの舟屋がいいと思う。

場所は「舟屋日和」と「伊根町観光案内所」の中間あたりになる。

〒626-0423 京都府与謝郡伊根町平田555
☎0772-32-0620
大人200円
平日:11時~16時
土日祝:10時~17時
水曜定休

2.「伊根の町並み」を観る

伊根の舟屋

伊根湾に沿って、舟屋の町並みは約5キロに渡って続いており、筆者はその外れまでクルマで見に行ってみたが、わざわざそうする価値があるようには感じなかった。

伊根の舟屋

伊根の町並みの見どころは、観光案内所がある「伊根浦公園」付近に集中しており、上のマップ左上の「舟屋日和」から、右上の「向井酒造」間を歩くのがお勧めだ。

舟屋日和

舟屋日和

「伊根浦公園」に続き、観光客の受入体制充実を目的に2017年にオープンした施設。

伊根の舟屋

レストラン棟、カフェ・物販棟、そして伊根まつりの祭礼船を保管する交流体験棟の7棟で構成され、周囲の風景と馴染むよう、舟屋風のデザインで統一されている。

舟屋日和

飲食店は現在のところ2軒で、「鮨割烹 海宮(すしかっぽうわだつみ)」では、すしやコース料理と地酒を提供。また「INE CAFE(いねかふぇ)」では、コーヒーのほか、地元の食材を使ったスイーツ&ランチが食べられる。

舟屋日和

「伊根日和」公式サイト

〒626-0423
京都府与謝郡伊根町字平田593番地1
☎0772-32-1700
水曜定休

伊根浦公園

伊根浦公園

「伊根町観光案内所」の前に、有料駐車場とともに整備された小さな展望公園。

伊根浦公園

伊根湾の両岸に舟屋が軒を連ねる、絶好のフォトスポットになっている。

伊根の舟屋

いかにも伊根らしいこの写真も、2010年にこの場所で撮影した。

伊根浦公園

海辺には芝生やベンチ、さらにマップや舟屋の歴史を記した案内板も。

伊根町観光案内所

いっぽうこちらは、観光案内所。

営業時間中はコンシェルジュが駐在し、お土産品も揃えている。また2Fの「舟屋食堂」では朝食とランチも食べられるため、一息つくには申し分のないロケーションだと思う。

だが伊根の町内には、クルマを停めて舟屋をゆっくり眺められる場所が他にはなく、休日は駐車場が随時満車状態になり、空き待ちで渋滞になることもある。

向井酒造

向井酒造

1754年創業の江戸時代から続く、年間生産量約500石の小さな酒蔵。

向井酒造

1999年に京都府初の女性杜氏ということで話題になったが、2019年に開催された「G20大阪サミット」の昼食に、銘柄の「伊根満開」が使用されて再ブレーク。筆者が訪ねた2023年11月でも完売状態で手に入らなかった。

京の春

ただこちらの「京の春・純米生貯蔵酒」も、優しく飲みやすいお酒で、十分な満足感が得られた。純米らしい旨味があって、刺し身にもよくあう。

向井酒造 公式サイト

3.「伊根湾」を観る

道の駅 舟屋の里伊根

方法は2つあるが、ひとつは高台から全景を眺望することで、それには「道の駅 舟屋の里伊根」の裏の展望所が最適だ。

なお「道の駅 舟屋の里伊根」については、以下の「道の駅 舟屋の里伊根」の記事に詳細を記している。

もうひとつの方法は、海上から見ること。

伊根湾めぐり遊覧船

伊根町ではこの「伊根湾めぐり遊覧船」と、個人の伊根湾有料ガイドが利用できるが、残念ながら筆者はいずれにも乗ったことはない。

なお、「伊根湾めぐり遊覧船」に乗船するなら、遊覧船のりばの日出駅まではクルマで行かないと、「伊根浦公園」からは相当遠い。

伊根湾めぐり遊覧船 公式サイト

筆者がネットを見て、興味を覚えたのは「Re:INE 伊根湾遊覧」。

出典:Re:INE

平成生まれの漁師が、船長として独自に運行している遊覧船で、伊根の歴史や文化、美しさを知ってほしいという想いから始めたという。

「伊根浦公園」に近い、「七面山駐車場」から発着してくれるのもありがたいね。

Re:INE 伊根湾遊覧 公式サイト
定員 : 12名(ペット可能)
料金 : 大人 1000円
所要時間 : 約20-25分
営業時間 : 8:00~17:00
乗り場 : 七面山駐車場

4.「伊根の魚」を食する

出典:伊根町観光協会

前述したように伊根湾は漁業が盛んで、食事のお目当ては魚になると思う。

ただし脂がのった寒ブリが食せるのは、11月1日から3月中旬までとなっている。

伊根町観光協会の説明によると、そこにこだわるのなら、確実に食べられるのは以下の4つの店舗になるようだ。

①お食事処 油屋
(道の駅 舟屋の里 伊根内)
☎0772-32-0750
11時~16時
※季節により変更あり
水曜定休

②レストラン舟屋
(道の駅 舟屋の里 伊根内)
☎0772-32-0680
10時~17時(LO/16時)
※季節により変更あり
火曜定休

③舟屋食堂
(伊根町観光協会2階)
☎0772-32-0800
<朝食>8時30分~9時30分
<ランチ>11時~16時(LO/15時)
木曜定休

④鮨割烹 海宮(わだつみ)
(舟屋日和内)
☎0772-32-1710
11時30分~14時30分(LO/14時)
17時~21時30分(LO/21時)
※最終入店は20時
※季節により変更あり
水曜定休

ただし、④鮨割烹 海宮(わだつみ)以外の営業はランチタイムのみになる。

ぶりしゃぶ定食

なお休日はどこも行列ができる人気ぶりなので、あらかじめ待ち時間を想定したスケジュールで行かれることをお勧めするが、無難なのは道の駅にあるため無料でクルマが駐められる、①お食事処 油屋と②レストラン舟屋だろう。

海鮮丼 兵四楼

またブリのシーズン外でも伊根は魚種が豊富なので、ランチなら海鮮丼が手軽でお勧めかもしれない。

海鮮丼は上記以外でも提供している店がいくつかあり、写真は舟屋の町並みから少し逸れたところにある「兵四楼」のもの。

ここは駐車場があるので、クルマで行きやすいのがありがたい。

公共交通機関の旅人と違い、我々には味のみならず駐車場の有無も重要だ。

兵四楼

お食事処 兵四楼
☎0772-32-0055
11時~14時
17時~21時
木曜定休
店の向かいに専用駐車場あり

「伊根の舟屋」の駐車場事情

出典:伊根町観光協会

これまでの話とも連動してくるのだが、舟屋の周辺には駐車場が少なく、観光客が利用できるのは以下の3ヶ所になる。

伊根浦公園駐車場

①伊根浦公園駐車場
収容台数:22台
営業時間:24時間
料金
午前8時から午後9時まで 30分間無料、以降30分ごとに100円
午後9時から午前8時まで 30分ごとに200円
夜間料金のほうが高いので勘違いしないように。
最大料金 1日3,000円
※最大料金は、午前8時を過ぎると追加料金が加算される。

七面山駐車場

②七面山駐車場
収容台数:57台
営業時間
入庫は午前5時から午後9時まで
出庫 24時間
料金
午前8時から午後9時まで 30分間無料、以降30分ごとに100円
午後9時から午前8時まで 30分ごとに200円
最大料金 1日3,000円
※最大料金は、午前8時を過ぎると追加料金が加算される。

大西駐車場

③大西駐車場
収容台数:37台
営業時間:24時間
料金
午前8時から午後9時まで 30分間無料、以降30分ごとに100円
午後9時から午前8時まで 30分ごとに200円
最大料金 1日3,000円
※最大料金は、午前8時を過ぎると追加料金が加算される。

ただ③の「大西駐車場」はメインの観光スポットからはかなり離れているため、実質的には①の「伊根浦公園駐車場」と②の「七面山駐車場」の2ヶ所を利用しなければ、舟屋の町並みを見て周るのは厳しい。

道の駅 舟屋の里伊根

そのため週末は朝9時までに入庫できないのなら、「道の駅 舟屋の里 伊根」からこの階段を使って歩いて行くほうが確実。

道の駅 舟屋の里伊根

帰りは少ししんどいが、距離は「大西駐車場」よりもかなり近い。

道の駅 舟屋の里伊根

ただ、道の駅の駅舎前にある第1駐車場には40台ほどしか駐められないため、日中なら手前にあるこの第2駐車場にしか駐められない可能性は高い。

こちらはほぼ100台が駐められる、伊根最大の無料駐車場だ。

「伊根の舟屋」の車中泊事情

道の駅 舟屋の里伊根

最後は伊根の車中泊事情についてだが、土地が狭い伊根町界隈には駐車場自体が少なく、車中泊スポットの選択肢は否応なく「道の駅 舟屋の里伊根」に限られる。

以前は第2駐車場にもトイレがあったのだが、現在は撤廃されているので、実質的な車中泊の可能台数は40台程度になるので、休日前は早めに行くほうが安心だ。

ただ伊根周辺には日帰り入浴施設がないため、汗ばむ季節は日中に伊根を観光して、宮津か京丹後で車中泊をするほうがいい。それゆえ筆者のお勧めは「道の駅 海の京都宮津」だが、ここも週末は激混みだ。

いずれにしても「伊根」と「宮津」は、それぞれオンリーワンのコンテンツを持つだけに、京都市内から遠く離れた場所と侮っていたら、泣きをみることになる。

丹後半島を車中泊でスムーズに旅する秘訣は、”どこで夜を迎えるか”と”早朝の活用”にあると云っても過言ではないだろう。

伊根の舟屋

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