車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年6月現在の「東山山頂公園(将軍塚)」の車中泊に関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「東山山頂公園(将軍塚)」は京都有数の夜景スポットだが、ここで車中泊をしようとは思わない。
「東山山頂公園(将軍塚)」DATA
〒605-0000
京都府京都市東山区粟田口高台寺山町
現地電話なし
カーナビの目印は青蓮院門跡
☎075-561-2345
駐車台数:約30台
駐車料金:無料
「東山山頂公園(将軍塚)」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2003年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2003.11.26
2011.04.06
2011.11.26
2016.02.02
2017.09.24
2023.06.04
※「東山山頂公園(将軍塚)」での現地調査は2023年6月が最新になります。
「東山山頂公園(将軍塚)」
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「東山山頂公園(将軍塚)」の概要とロケーション
京都の「歴史的風土特別保存地区」に指定されている「東山山頂公園」は、1959年に完成した「東山ドライブウェイ」の開通に伴って開設された市民公園で、「三条蹴上」から「東山ドライブウェイ」に進み、その途中から「将軍塚」方面へ分岐すると、突き当たりに約30台ほどが駐められる無料駐車場がある。
駐車場のすぐ横にある展望台からは、ロマンチックな京都市内の夕景と夜景が見渡せることから、昔から京都に住む若者なら誰もが知っている有名なデートスポットで、筆者もまたその中のひとりになる。
同時にここは、当時から京都市内の身近なワインディングロードとして、ライダーたちにもよく知られていた。
ちなみに「将軍塚」は、隣接する青蓮院の飛地境内にある古墳史跡で、その名の由来は、桓武天皇が寺社勢力の支配を逃れるべく、平城京から平安京に遷都をする際に、その推進役を果たした和気清麻呂の進言で、王城鎮護のために将軍・坂上田村麻呂が弓を引いている像に、甲冑を着せて埋めた場所との伝承にある。
青蓮院では、毎年秋になると紅葉のライトアップが行われる。
夜景と合わせて、それは今でも一見の価値があるだろう。
「東山山頂公園(将軍塚)」の設備
まず「東山山頂公園」の駐車場には、写真の奥から手前に向かって、そこそこの傾斜がある。
加えて前述したように、季節のいい時期の週末には、夜景を見に来るカップルが頻繁に出入りをするので、静寂性も期待はできないだろう。
駐車場の他には、トイレとその奥に草地の広場と東屋がある。
無料で泊まれて、東山の観光スポットに近いうえに、トイレまで揃っている…
たとえトイレが和式の汲み取りでも(笑)、「東山山頂公園(将軍塚)」は”京都市内屈指の無料車中泊スポット”にはなるわけで、2007年頃から始まった”第一次車中泊ブーム”に乗って、その評判は瞬くうちに北海道から九州まで伝播した。
そうなると、こういうところを”車中泊放浪者”が放っておくはずはない。
このトイレの横に、薄汚れたキャンピングカーがイベントテントを張り、見たくもない洗濯物を干したまま、車上生活を謳歌していた姿を、今でも思い出しただけでゾッとする(笑)。
実際に会って話してみると憎めない人が多いのだが、いまさらマナーなんてものには耳を貸す気がないだけに厄介だ。ただもう半分以上は化石化していると思うので、今後その数は減っていくことだろう。
とはいえ、
2023年6月現在でも、Googleで検索すると「東山山頂公園」で若い旅行者が車中泊をしたという記事がヒットするのは事実で、人それぞれだとは思うが、冒頭で書いた通り、筆者はここに夜景を見にきたとしても、泊まることはありえない。
その主な理由は、駐車場の傾斜とぽっとんトイレ、そしてお目にかかりたくない車上生活者との遭遇にあるが、ここでの車中泊を避けたい理由は他にもある。
ひとつは、ここから公共交通機関を利用して市内観光に出かけることが難しいこと。バス亭はあるが、電車に比べると格段に本数が少ない。
そうなると、結局どこかで駐車場代を支払うことになる。
次はリスクヘッジ。
東山山頂公園は周囲に民家がない上に、騒がしい連中がやってきても、暗闇では簡単には降りられない。
この写真は2017年9月に訪ねた時の様子だが、特に設備は変わってはいなかった。
この時は車上生活者の姿はなく、また長期滞在している痕跡も見当たらなかったが、誰かが置き捨てしたゴミをカラスが食い散らかしていた。
可燃物のゴミ箱がないので、トイレの清掃に来ない限り管理者はこの状況に気づかないのだろう。
無料の展望台は、前の木が成長してずいぶん視界が狭くなってきた。
こうなると広角レンズで夜景を撮影するには脚立が必要だ。
こちらは、それから6年近くが過ぎた2023年6月の様子。
トイレ前の自動販売機のゴミ箱が変わっただけで、他には何の変化も見られなかったが、日曜日の早朝にもかかわらず、車中泊をしている人の姿はなかった。
財政に余裕がありそうな京都市だけに、いつかはこの公園にも手を入れてくれるのだろうが、今のままだとさすがに車上生活者でも足は遠のくのだろう(笑)。
しかし手を入れて居心地が良くなれば、元の鞘に逆戻りする可能性は高い。
いずれにしても夜景の見学後、ここで寝るかどうかはご自身の判断で。
2023年6月時点では、「車中泊禁止」の表示は見当たらなかった。
なお、ここでの車中泊は推奨しないので、温泉と周辺買物情報は記載しない。
「東山山頂公園(将軍塚)」のアクセスマップ
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