鳥取城(日本100名城)の歴史と見どころ&車中泊事情【クルマ旅のプロが解説】2023年8月

鳥取城跡 日本100名城 

車中泊旅行歴25年の歴史に精通するクルマ旅専門家がまとめた、2023年8月現在の鳥取城の歴史と見どころ及び、車中泊事情に関する情報です。

「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊・歴史旅行ガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、日本全国で1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、「車中泊ならではの歴史旅」という観点から作成しています。
車中泊クルマ旅で、日本の歴史舞台を訪ねてまわる
クルマ旅の専門家が、大河ドラマや映画に描かれた日本の歴史舞台を車中泊でめぐる旅をご紹介。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
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日本100名城に数えられる鳥取城には、ここでしか見られないユニークな石垣がある。

鳥取城跡

鳥取城跡のDATA

鳥取城跡の訪問記録

鳥取城の概要と歴史

鳥取城跡の見どころ

鳥取城跡の駐車場

鳥取城跡のアクセスマップ

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鳥取城跡のDATA

鳥取城跡・久松( きゅうしょう)公園
〒680-0011
鳥取県鳥取市東町2
☎0857-22-3318 (鳥取市観光案内所)
入園自由

鳥取城跡の訪問記録

※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。

2022.05.06

※「鳥取城跡」での現地調査は2022年5月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年8月に更新しています。

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鳥取城の概要と歴史

鳥取城

まず鳥取城の概要を簡単に説明すると、「日本100名城」に名を連ねているが、現在は建物の大部分が取り壊され、天守や櫓(やぐら)などはなく、主に石垣・天守台・曲輪跡が残されているだけ。

なのになぜ、「日本100名城」に選ばれているのか?

ズバリそれが、鳥取城跡観光のミソになるわけだが(笑)、続きはこの後の「鳥取城跡の見どころ」で詳しく語ろう。

ちなみに「日本100名城」は、4万とも5万ともいわれる城郭遺跡の中から、城郭ファンからの推薦及び、考古学や建築史などの専門家による選考を踏まえて、公益財団法人・日本城郭協会が選定したもの。

その基準は「優れた文化財・史跡」「著名な歴史の舞台」「時代・地域の代表」の3つが柱とされている。

さて。

ここでは本論に入る前に、鳥取城のロケーションを紹介しておきたい。

いくら良くても、あまりに辺鄙なところだと、よほどの歴史フリークしか足を運びはしないからね(笑)。

その意味からすると、鳥取県東部のランドマークである「鳥取砂丘」から、約6キロ・クルマで15分ほどのところにある「鳥取城跡」は、寄り道するのに手頃な観光スポットだと思う。

中高年なら、「浦富海岸」→「鳥取砂丘」→「かろいち(ランチ)」→「鳥取城跡」を見終えたあたりで、

「今日はくたびれた。
温泉で疲れを癒やして、ぼちぼち道の駅に移動しよう。」

てなことになると思う(笑)。

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鳥取城跡の見どころ

鳥取城跡の見どころを理解するには、ここが後世に伝え残るほど凄惨を極めた、”籠城戦”の舞台であったことを知る必要がある。

鳥取城跡

元々の鳥取城は、「山陰海岸ジオパーク」の構成要素に認定されるほど急峻な地形を持つ、久松山の山頂付近に築かれた戦国時代の山城で、防御性の高さや山頂からの優れた眺めから、あの織田信長も「名城」と讃えているほどだ。

織田信長

その織田信長は、1577年(天正5年)に毛利氏の勢力圏である中国攻めを決意するが、実は信長は元就の時代には、毛利家と友好関係を保っていた。

しかし最後の室町将軍・足利義昭の反抗がきっかけで、元就の後を継いだ輝元との関係が悪化し、長引く戦へと突入する。

信長から「中国攻め」の命を受けた羽柴秀吉は、毛利方の最前線にある鳥取城を攻めているが、久松山の山頂近くにある天守を攻め落とすのが難しいことから、2度にわたって兵糧攻めにし、いずれも陥落させることに成功した。

しかし2度目となった1581年(天正9年)の戦いでは、場内で後に「鳥取城の渇え(かつえ)殺し」と呼ばれるほど悲惨な、地獄絵巻が引き起こされていた。

羽柴軍は籠城戦を予測し、城攻めの前に商船団を派遣して鳥取城周辺の米を通常の数倍の値で買い占め、さらに鳥取城付近の農民ら2000人以上を城に追いやっていた。

これによって約1500人の兵士で籠城するつもりだった鳥取城は、4000人近い大所帯に膨らみ、籠城から2ヶ月目で食料が尽き果て、餓死者が続出する事態に陥り降伏。軍師官兵衛の策に、まんまとハマった。

鳥取城跡

かくして勝利を手にした2度目の鳥取城の戦いは、備中高松城を攻めた「高松の水攻め」、三木城の「三木の干し殺し」と並び、”豊臣秀吉の三大城攻め”として語り継がれているのだが、その戦いで毛利軍を率いた武将が、この銅像の吉川経家(きっかわ つねいえ)だ。

秀吉は経家の命まで奪うつもりはなかったようだが、経家は自らの命と引き換えに兵士や農民たちを助けるよう懇願し、潔く自刃して果てた。

鳥取城が「日本100名城」に選ばれているのは、この「著名な歴史の舞台」であることが、おそらく一番の根拠になっているのだろう。

さて。

「関ケ原の戦い」を経て徳川の世になると、鳥取城には姫路城を築いた池田輝政の孫・光政が入り、国内12番目の石高を誇る、鳥取藩32万石の平山城として拡張整備が図られ、因幡伯耆(いなばほうき)2国の拠点として明治まで存続する。

ご存知の人も多いと思うが、光政の祖母は徳川家康の次女・督姫(とくひめ)で、家康から見ると”ひ孫”にあたる。

姫路城

そのため平山城となる鳥取城の造営には、姫路城の大天守の築城に携わった職人たちが起用されたことから、「姫路城の弟城」とも噂された。

鳥取城跡

ただ武家諸法度による幕府への配慮から、城内に高層な建造物が築かれることなかったようで、藩主御殿があった二ノ丸に、山陰地方初となる「層塔型」の三階櫓が建てられ、山頂の天守焼失後は、”代用天守”としての役割を担っていたという。

鳥取城跡

近年はそんな江戸時代の姿を取り戻すための復元計画が策定され、現在はメインエントランスとなる擬宝珠(ぎぼし)橋と中ノ御門表門(なかのごもんおもてもん)が復元されている。

最後に…

これまで話した歴史とは縁が薄いものの、現存する鳥取城跡の構造物で一番おもしろい「天球丸」の「巻石垣」を紹介しよう。

この見慣れない亀が張り付いたような石垣は、「天球丸」の石垣崩落を防止することを目的に、江戸時代の終わり頃に築き足されたものとのこと。

同様の目的で築き足された石垣は、国内各地の城跡で確認されているが、いずれも角を持った石垣で、鳥取城跡のような球面の石垣は、国内では他に確認事例がなく、唯一ここでしか見られない。

鳥取城跡の駐車場

鳥取県庁北側駐車場

「鳥取城跡・久松( きゅうしょう)公園」には、専用駐車場はないが、すぐ近くにある無料の「鳥取県庁北側駐車場(69台・常時開放)」が利用できる。

鳥取城跡

紛らわしいことに「鳥取県庁北側駐車場」の欄には、

「平日の午前8時30分~午後5時15分は県庁に用務のある方のみ利用できます。」

との記載があるが、同じ看板の最上部には

「県庁周辺の公共施設を利用される方に県庁駐車場を開放しています。」

と明記されており、「鳥取城跡・久松公園」も鳥取市内の公共施設のひとつなので、平日でも駐車場を利用することに問題はない。

なぜ、こういう誤解を招く表示になるのか… おかみのアタマの中は、理解不能でございまする(笑)。

鳥取城のアクセスマップ

鳥取城跡に一番近い、無料の「鳥取県庁北側駐車場」にご案内。

マップをグーグルナビに切り替える方法
スマートフォンでご覧の方は、「拡大地図を表示」をタップし、画面が切り替わったら下の「ナビ開始」をタップするとナビゲーションが始まります。 高速道路か国道にするかを選びたい場合は、「ナビ開始」ボタンの左にある「経路」をタップすると表示されます。
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