車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年8月現在の鳥取市内にある「鳥取港海鮮市場かろいち」の施設と食レポです。
「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、レシピに老舗・行列店を交えて紹介します。
「鳥取港海鮮市場かろいち」は、食事ができて魚も野菜も手に入る、山陰地方指折りの直売フードセンター
「鳥取港海鮮市場かろいち」のDATA
鳥取港海鮮市場かろいち
〒680-0908
鳥取県鳥取市賀露町西3丁目27-1
☎0857-38-8866
営業時間
魚市場は午前9時~16時
年中無休(正月は元旦のみ休館)
飲食店は店舗によって異なる
駐車場
290台
「鳥取港海鮮市場かろいち」の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2016.07.19
2018.12.01
2023.07.14
※「鳥取港海鮮市場かろいち」での現地調査は2023年7月が最新です。
「鳥取港海鮮市場かろいち」の概要&グルメレポ
「鳥取港海鮮市場かろいち」は、賀露(かろ)港から水揚げされた新鮮な海産物と、地元の農産物が揃う大きな直売所で、290台分もの無料駐車場を有している。
広々とした館内には、近海で水揚げされたばかりの魚介類が並ぶ、漁協直営店のほかに、干物や乾物の店も並んでいる。
加えて地元の野菜や和牛が揃う、地場産プラザ「わったいな」と隣接していることから、”鳥取の食の台所”として、現地の人々からも親しまれているようだ。
ただし魚には旬があるので、訪れる時期によって並ぶ種類は違ってくる。
もちろん冬の主役は、日本海の至福のグルメと呼ばれる「松葉ガニ」だが、鳥取は”雪国”で、いつ積雪するか分からないため、マイカーで訪ねる人は少ないと思うし、近畿にはもっと近くの丹後半島に、その産地で有名な間人(たいざ)がある。
そのため多くの旅人が目にするのは、夏に旬を迎える「白イカ」になるのだろう。
初夏から晩秋にかけて、夜の沖合に煌々と輝く「漁火(いさりび)」は、山陰海岸一帯の風物詩として知られているが、この伝統漁法で釣り上げられるケンサキイカのことを、鳥取では「白イカ」と呼んでいる。
ケンサキイカは、甘みが強くて濃厚な味わいと、コリコリした歯応えが人気の夏イカで、活イカ造りの”メッカ”として全国的に有名な佐賀県の呼子で、観光客が並んでまで食べたいと思っている極上のグルメだ。
実はそれと同じものが、「かろいち」でも食べられる。
「名物 白いか姿造り」を提供しているのは、直接海水が入る生簀(いけす)を設置している「海陽亭」で、値段は呼子と似たようなものだが、初めてならこいつを狙ってみてもいいだろう。
ただ鳥取には、活より一度冷凍させたほうが、独特の甘みが深まり、舌ざわりも滑らかなになって美味しいと云う人もいる。
こちらは「海陽亭」と同じく、「かろいち」の敷地内に店を構える食事処「賀露幸」の「白イカ丼定食」で、プリプリした白イカの刺身に沖漬けを加え、ショウガを薬味にいただく。
確かに県民の云う通り、味わいはこちらのほうがあると感じた。
ちなみに2023年8月現在、「白イカ丼定食」は2,480円となかなかのお値段になっているが、筆者は2016年のもっとリーズナブルな時代に食べている。
もっとも…
白イカの刺身は、この時期は市内のスーパーで安く手に入る。
2,500円も出したら、舟盛りにできるほどの刺身が揃うに違いない(笑)。
その他では、春は脂がのった甘みのある身が味わえる名物の「とろはた」、夏はブランド岩牡蠣の「夏輝」 、秋は焼いても刺身にしてもおいしい「サワラ」や、鍋に最適な「ばばちゃん」などが旬の食材と云われている。
野菜類で付け加えるなら、夏はスイカだ。
鳥取のスイカは大玉で、玉の大きさに比例して外皮も厚いのが特徴。
この厚さが、スイカの鮮度と強度を保つ役割をしているというので、このあとキャンプや海水浴をする人にはピッタリかもしれない(笑)。
なお、土産には鳥取のソウルフードとされる「とうふちくわ」をお勧めする。
まさに豆腐とちくわの中間ともいえる中途半端な歯触りは、いかんとも不思議で記憶に残ると思う(笑)。
合わせて立ち寄りたい「みなと公園」と「賀露神社」
さて。
「かろいち」から近い、賀露港沿いの「みなと公園」には、ご覧の巨大な囲碁のモニュメントがある。
「藤井聡太」というスーパースターの出現で、将棋に差をつけられた感のある囲碁だが、それを日本に伝えた人物は、藤井くんでもまだ追いつけそうもない奈良時代の超大物・「吉備真備(きび の まきび)」とされている。
「吉備真備」は、 聖武・孝謙・淳仁・称徳・光仁と5代の天皇にブレーンとして仕え、最終的には右大臣にまで上り詰めた実在人物(695~775)。
遣唐留学生・遣唐副使として2度、当時世界最高レベルの文化水準を誇った唐に渡り、持ち帰ったその知識を、日本の政治文化に反映させた功績から、菅原道真と並ぶ奈良時代の大学者・政治家として、後世にその名を残している。
ただ唐から帰朝の際にシケに遭い、「吉備真備」は賀露沖の鳥ヶ島に漂着した。
その時に助けてもらったお礼に、彼が賀露の人々に囲碁を教えたという話が、ここにモニュメントが作られた所以のようだ。
ちなみにその「吉備真備」が、大山祗命・猿田彦命・木花咲耶姫命・武甕槌命とともに、祭神として名を連ねているのが、地元では「ホーエンヤ祭」や「赤ちゃん泣き相撲」が行われることでお馴染みの「賀露神社」だ。
ということは、囲碁の話も”ただの伝承”ではあるまい。
さらに1200年以上の歴史を持つと伝わる「賀露神社」は、江戸時代に藩主の厚い信仰を受け、境内にはその池田家と、親戚筋にあたる徳川将軍家の家紋が施された建造物と、鳥取藩から寄進された大太鼓があるほか、廻船商人や漁師たちが寄進した数多くの石造物も並んでおり、中には全国的にも珍しい虎の狛犬もあるという。
残念ながら、取材当時はそこまで情報収集ができていなかったため、筆者は未だ「賀露神社」を訪ねられてはいないのだが、ここは家内の実家へ里帰りする際のルートに近いので、次回は足を運んでみたいと思っている。
「鳥取港海鮮市場かろいち」のアクセスマップ
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