車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年7月現在の鳥取砂丘の見どころ及び、駐車場と車中泊事情に関する情報です。
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「鳥取砂丘」には、賢く周る”手順”がある。
鳥取砂丘の筆者の歴訪記録
※記録が残る2007年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2007.11.10
2010.11.06
2011.02.26
2016.07.19
2018.12.02
2023.07.16
※「鳥取砂丘」での現地調査は2023年7月が最新になります。
鳥取砂丘の見どころと駐車場&車中泊ガイド
鳥取砂丘のロケーションと概要
写真を見ると、ついつい広大な「砂漠」をイメージしてしまう「鳥取砂丘」だが、実は鳥取市の中心街から約7キロ・クルマで15分ほどしか離れていない。
しかも「山陰近畿自動車道」の「福部インター」から約3キロ・5分、「山陰自動車道」の「鳥取西インター」からも、約9キロ・15分ほどでアクセスできるだけに、「ちょっと立ち寄って見みようか…」という気にもなる(笑)。
その「鳥取砂丘」は、1995年に国の天然記念物に、2007年には地質百選に選定された日本最大の砂丘で、東西約16キロ・南北約2キロ、中心部分の面積は約550ヘクタールの規模を誇っている。
ということは?
何も考えず、”砂漠”に足を踏み入れるのは賢者のすべきことじゃない(笑)。
砂丘に通じる階段横の駐車場内にある、無料の「鳥取砂丘ビジターセンター」には、砂丘の見どころを紹介したパネル展示と、ハンドマップなどの資料が用意されているので、逸る気持ち抑えて、まずは最初にそちらへ足を運ぶといい。
子どもに砂遊びをさせたい人は、帰りに足も洗えるよ。
鳥取砂丘の見どころ
さて、ここからが本論だ。
「鳥取砂丘」は見た目よりも起伏に富んでおり、入口から一番高い「馬の背」と呼ばれる丘陵地までは、歩くと20分近くかかるが、訪れる人の約半数は、奥にチラッと見える海の様子が見たくて”砂漠”を渡る。
それは写真に残された、足跡の数と分布を見れば分かるだろう(笑)。
ここで怯むか進むかが、運命の分かれ道…
こちらが頑張った人だけが得られる、「鳥取砂丘」からの”ご褒美”。
ファミリーには、鳥取砂丘でないと体験できないものが待っている。
いっぽう景色は?と云うと、
日本海側では際立ったものではないが、”はるばる苦労して見に来た”という感慨が重なることで、感動が増幅される(笑)。
しかしそれは、
時間をずらすと、感激に変わる。
別名「砂のさざ波」とも言われる波状の縞模様を、地質学では「風紋」と呼ぶ。
鳥取砂丘を紹介するパンフレットや旅行本で見たことがある人も多いと思うが、風紋ができるには、以下の4つの条件が必要とされている。
1.砂を動かす適度な風(風速が毎秒5m~10m)が吹く。
2.砂がよく乾いている。
3.砂が固まっていない。
4.砂の粒の大きさが揃っている。
この砂丘に刻み込まれた自然のアートを目にしたい人は、早朝に出かけ、「馬の背」から海岸に向けて急激に下る斜面を探すといい。
ただ人は不思議な生き物で、こういう無垢なところを見ると、ついつい足跡を残してみたくなるものだ(笑)。
つまり先客がいれば、こうなってしまう可能性は否定できない。
加えて「鳥取砂丘」といえども、毎日上記の自然条件が満たされているわけではなく、最後は貴方の「運」次第…
しかしそれを容易にする方法として、後述する”現地での車中泊という手”があるのは間違いない。
あと鳥取砂丘で有名なのはラクダ。
道路向かいにある「らくだや」が行っている、1周約5分のコースをガイドと一緒に散歩する「らくだライド体験」は、1人乗り1,500円(大人・子供共通)・2人乗り(2名で)2,600円(大人の2名騎乗は不可)。
日本ではなかなか経験できないと思うし、VIVAVTに登場した二階堂ふみの気分になりたい人には、いいかもしれない(笑)。
ただ写真撮影のみの料金設定あるため、勝手に写真を撮ろうとすると文句を云われるのでご注意を。
でも大阪の人はそんなことではメゲない。
人がせっかく風景写真を撮ろうとしているところに、割り込んできたのはそっちだろ。セコいこと云うな! ってね(笑)。
合わせて絶対立ち寄りたい「砂の美術館」
このマップを見れば、風紋ができやすい場所も分かるのだが、それよりも注目したいのは、「鳥取砂丘ビジターセンター」から徒歩で3分ほどのところに建つ、赤のアンダーラインを入れた「砂の美術館」だ。
「砂の美術館」は2012年に鳥取砂丘の一画にオープンした、世界で唯一の「砂の彫刻作品」を展示する屋内美術館で、毎回、各国のプロの砂像彫刻家を招いてテーマに沿った砂の像を制作する。
テーマは年度ごと変わり、例年4月〜翌年1月にかけて新作が展示されている。
最初に訪れた2017年のテーマは、「砂で世界旅行・南米編」〜繁栄の記憶を留める奇蹟の新大陸を訪ねて〜。
館内には「空中都市マチュピチュ」・「リオのカーニバル」・「伝説の黄金郷エルドラド」など19の作品が展示されていた。
細部まで丁寧に彫刻された、立体感溢れる砂像はいずれも素晴らしく、そのスケールの大きさにも”度肝を抜かれた”。
そして
その感動が忘れられず、2023年に再訪。
テーマは「砂で世界旅行・エジプト編」。
2022年がエジプトの独立100年と、ツタンカーメン王の墓が発掘されて100年の節目にあたることから、ピラミッドやスフィンクスといった、砂との親和性の高い砂像が21点展示されていた。
とりわけ筆者の目を引いたのが、「ナポレオンのエジプト遠征とロゼッタストーンの発見」と第されたこの作品だ。
1798年にナポレオンは、フランス軍を率いて当時オスマン帝国の一部であったエジプトを占領した。
遠征軍には科学者や歴史家も同行し、学者たちはフランスに持ち帰りたい古代の遺物を大量に集めていたが、その中のひとつがロゼッタストーンだった。
ロゼッタストーンは、古代エジプトの象形文字「ヒエログリフ」を解読するカギとなった石板で、古代エジプト文明の栄光を現代に蘇らせるきっかけになっている。
それにしても…
たった800円で、「ルーブル美術館」や「大英博物館」に行った気分になれるのだから、リーズナブルどころの話じゃない。
「砂の美術館」は、歴史はともかく「インディージョーンズ」が好きな人にも堪らない、冒険心をくすぐる世界だった(笑)。
☎0857-20-2231
入館料:800円 営業
平日&日曜9時~18時 (最終入場16時30分)
土曜日9時~20時(最終入場17時30分)
鳥取砂丘の車中泊事情と車中泊スポット
周辺に無料で車中泊ができる駐車場があることを知ったうえで…
前述したような”前人未踏”の風紋が撮影したい人には、砂丘に通じる階段の前に広がる、有料の「鳥取砂丘駐車場」での車中泊が無難でお勧めだ。
料金は乗用車(マイクロバスを含む)24時間500円で、約300台が駐められる。
ご覧のように観光バスが通れるゲートなので、ハイルーフ車も余裕で通れる。
車中泊をする際は、出入りを繰り返さなくて済むよう、入浴と夕食を済ませてから到着し、翌早朝の観光客が来ない時間帯に風紋を撮って、ゆっくり直食を食べてから出庫すればいい。
1000円以上するなら考えものだが、500円ポッキリなら、もっとも砂丘の入口近くにあって、誰からもブツブツ云われる心配もなく、ウォシュレット付きの綺麗なトイレが使えることを思えば、悪くない選択だと筆者は思う。
ただし駐車場は、中央が緩やかに盛り上がっており、そこには傾斜がある。
左の建物が24時間トイレ。静かで平坦なのはトイレの奥のスペースだ。
トイレの個室にはウォシュレットが完備している。
なお砂丘を1時間ほど見て歩くだけなら、向かいの「砂丘会館」の裏手にある駐車場と、「砂の美術館」、さらに砂丘と反対側に登った「砂丘センター」の駐車場が無料で利用できる。
ただしトイレまでは調べていない(笑)。
ちなみに道の駅は、「鳥取砂丘」から東に向かって「山陰近畿自動車道」の無料区間を、約9キロ・10分ほど行ったところに「道の駅 きなんせ岩美」が、また国道9号で、西に13キロ・20分ほど走った白兎海岸に「道の駅 神話の里白うさぎ」がある。
利便性を求めるなら「道の駅 きなんせ岩美」、景色で選ぶなら「道の駅 神話の里白うさぎ」がいいだろう。
いっぽう鳥取砂丘周辺で自炊がしたい車中泊旅行者と、ゆっくり旅がしたい人には、約2キロのところに無料の「柳茶屋キャンプ場」がある。
ただし2023年7月現在は、リニューアル工事のため閉鎖されている。
オープンは2024年4月1日の予定。
鳥取砂丘のアクセスマップ
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