この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
タイムズ・メリケンパークで車中泊
神戸ルミナリエは、阪神・淡路大震災犠牲者の鎮魂の意を込めると共に、都市の復興・再生への夢と希望を託し、大震災の起こった1995年12月に初めて開催され、神戸の街と市民に大きな感動と希望を与えた。
以来、震災の記憶を語り継ぎ、都市と市民の「希望」を象徴する行事として、毎年欠かさず開催されている。
「ルミナリエ」の語源は、イタリア語のIlluminazione Per Feste(祝祭のためのイルミネーション)。
作品はヨーロッパ・バロック時代に盛んに創られた祭礼、装飾芸術のひとつとして誕生した、光の魅力を駆使する建築物を起源としている。
写真は2010年、16回目の神戸ルミナリエの様子。
テーマは「光の心情」で、当時は「電球」を使用していた。
こちらは全灯にLEDが使用された2015年の神戸ルミナリエ。
オレンジからブルー中心に色彩が変わり、ずいぶん雰囲気も違ってきた。
さて… 現在の神戸ルミナリエは、12月のイベントとしてすっかり定着し、全国から2週間の間に、約400万人もの観光客が訪れるという。
ただ震災から20余年の歳月が流れ、近年では当初の目的である「震災犠牲者を鎮魂するイベント」の意味合いが薄れ、単なる「クリスマス期のイルミネーションイベント」になっているといった、批判的な声も出ているようだ。
当初はクリスマス当日まで実施されていたが、イブ1日で約60万人が詰めかけたことから、警備に莫大な資金が必要になることと、ルミナリエに人が流れ、売り上げが落ちたという地元商店街の声に配慮して、現在は12月初旬から中旬に開催されている。
写真は神戸ルミナリエのメイン会場に使用される「東遊園地」。
ルミナリエ見学コースの「ファイナル」として、ストリートとは違った作品が展示されている。
ということは、ルミナリエ見学のスタート地点は別の場所になる。
運良く空いていれば、神戸大丸の近くから並べるが、確実を期すなら最初から「JR元町駅」を目指そう。
大半は電車で来るので、駅の近くに行列の「最後尾」がある。
なお、ルミナリエ期間中は通行規制が行われ、会場周辺の駐車場には停められない場合があるので注意が必要だ。
というわけで、最後にルミナリエを車中泊で攻略する策を紹介しよう。 車中泊スポットでお勧めなのは、ルミナリエの会場まで歩いて行けて、夜間最大駐車料金が840円の「タイムズメリケンパーク駐車場」だ。