「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊で訪ねた名湯レポート
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国の温泉地の車中泊事情や温泉情緒、観光、グルメにいたる魅力を再評価し、「車中泊旅行者の目線」から紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

~ここから本編が始まります。~
有馬温泉には3つの日帰り温泉施設がある。

「有馬温泉」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.12.04
2014.12.02
2015.12.12
2016.11.25
2026.01.18
※有馬温泉での現地調査は2026年1月が最新です。
有馬温泉 日帰り入浴ガイド

有馬温泉のお湯の種類

出典:有馬温泉
「関西の奥座敷」と呼ばれ、「白浜温泉」(和歌山)・「道後温泉」(愛媛)とともに「日本三古湯」として「日本書紀」にその名を連ねる「有馬温泉」には、2種類のお湯が湧き出している。
ひとつは鉄分を含む含鉄強塩泉で、空気に触れると酸化して独特の赤茶色に変化するため、「金泉」と呼ばれている。
注目すべきは、湧出の”カラクリ”だ。
なぜ火山が近くにないにもかかわらず、摂氏100度近い高温泉が湧き出すのか、また海から遠く離れているにもかかわらず、なぜ海水の約1.4倍もの濃度を持つ強塩泉が生まれるのか…
その驚くべき理由が、以下の記事に記されている。

出典:Feel KOBE
いっぽう、こちらの空気に触れても変色しない二酸化炭素泉は、「金泉」に対して「銀泉」と呼ばれている。

あまり知られていないようだが、実は有馬温泉には「金の湯」と「銀の湯」で使える2館券という共通割引券がある。
料金は全日1200円で、土日祝日は通常1500円が300円の割引になる。
平日は割引はないが、代わりにタオルがもらえる。
なおかつてはそれに「太閤の湯殿館」を加えた3館券もあったのだが、それは現在販売されていない。
※料金は2026年1月現在
共同浴場「金の湯」は、有馬の「元湯」

2002年にオープンした神戸市営の日帰り温泉施設「金の湯」は、古くからあった公衆浴場「有馬温泉会館」が前身で、有馬の「元湯」と呼ばれている。

「金の湯」のお湯は「天神泉源(泉温96.2度)」と、「有明泉源1号泉・2号泉(泉温82.4度)」を混合した濃度の高い「金泉」で、強塩泉のために鉄分が酸化して赤茶色に濁っている。
驚いたことに、「金泉」は地下約60キロのところにあるマントル上部の岩盤に封じ込まれた、およそ600万年前の太平洋の海水が湧き出したもの。

出典:兵庫県公式観光サイト
この日本有数の高張泉は、長湯をすると湯あたりを招きやすいので、『温泉に来たら長湯しなきゃ損!』、と思い込んでいる人は注意が必要だ(笑)。
それもあって「金の湯」では、10~50%加水して温度を下げるとともに、濃度も薄め、さらに衛生管理のために塩素系消毒剤も使用している。
ちなみにpH値は6.3で弱酸性。
殺菌効果があるため、感染性皮膚疾患や慢性湿しんに効果がある。
また塩分が肌に薄い皮膜をつくることから、保湿効果が持続するという。
さらに保湿効果の高い「メタケイ酸」の含有量が、136.9ミリグラムと多い点も、女性には嬉しい話だろう。

玄関横には無料の足湯がある。

なお、金泉は飲泉には適さないため、金の湯の前にある飲泉場には、42.3度の太閤泉源(銀泉:ナトリウム塩化物泉)が引かれている。
この泉源は1966年(昭和41年)に一度枯渇し廃止されたが、阪神・淡路大震災後に復活したという。
金の湯
☎078-904-0680
平日おとな650円・土日祝は800円
8時~22時(受付最終21時30分)
第2・第4火曜及び1月1日 定休
専用駐車場なし。最寄りのパーキングは「池之坊有料駐車場」。
なお「金の湯」は、機械設備更新のため2026年1月7日(水曜)から3月下旬まで休館中。営業再開日については、予定が決まり次第発表される。

この時は『よく調べてから行くように』という戒めになった(笑)。
共同浴場「銀の湯」は、有馬の「仕上げ湯」

「金の湯」より1年早い、2001年に開館した「銀の湯」は、 「金の湯」がある有馬温泉の繁華街「湯本坂」とは筋違いになる「ねがい坂」の途中にある。
周囲は比較的静かで、坂を上れば「炭酸泉源公園」、下れば近くに「極楽寺」と「太閤の湯殿館」がある。

「銀の湯」で使われているのは、炭酸泉とラジウム泉を混合した無色透明の「銀泉」で、「金泉」に比べると「刺激性の低いやさしいお湯」だ。
炭酸泉は毛細血管の拡張で血流が増加し、高血圧症や機能性心疾患に効果がある。
またラジウム泉は、自然治癒力を高め、皮膚病や気管支ぜんそくなどに効くとされている。
ただし源泉温度がそれぞれ18.6度、29.4度と低いため、加温調整している。
また「金の湯」と同じく、お湯は循環ろ過され、塩素消毒剤が使用されている。
そのうえ湯船もひとつしかないため、口コミの評価は「金の湯」に比べると低い。

出典:ジョルダン
だが、ものは考えようだ。
筆者が「有馬温泉」を訪ねる時は、まず「金の湯」に足を運び、前述した割引チケットの「2館券」を買って入湯する。
それから食事と散策をはさみ、最後に「銀の湯」で汗を流して有馬を出る。
つまり「草津温泉」のように、刺激の強い「金泉」の「仕上げ湯」として、「銀の湯」を利用している。
銀の湯
☎078-904-0256
平日おとな550円・土日祝は700円
9時~21時(受付最終20時30分)
第1・第3火曜及び1月1日 定休
専用駐車場なし。最寄りのパーキングは「有馬里駐車場」。
日帰り温泉施設「太閤の湯」は、有馬の”温泉テーマパーク”

坂だらけの「有馬温泉街」を歩くよりは、ひとつの施設でのんびり過ごしたいという人には、2019年にリニューアルオープンを果たした、「金泉」と「銀泉」が館内に揃う、大型日帰り温泉施設の「太閤の湯」で寛ぐという選択肢がある。

本来なら車中泊の旅人に紹介するよしもないようなところだが(笑)、こと「有馬温泉」においては「使いみち」がないわけではない。
「有馬温泉街」には、共同浴場の「金の湯」と「銀の湯」に加え、食事処や土産屋が並ぶ「湯本坂」があるが、休日は特に人が多いうえに若者向でごった返している。
しかも共同浴場には駐車場がないため、初めての人は、まずはクルマを停められる駐車場探しから始めなければならない。

だがスーパー銭湯のゴージャス版ともいえる「太閤の湯」に行けば、駐車場や食事処探しから、いちいち着替えて移動するといった、『旅人が感じる有馬温泉での面倒臭いこと』がすべて解消される。

料金は平日で大人2750円、土日祝は2970円するが、隣接する駐車場が4時間まで無料になるのはありがたい。
特に駐車料金が高いキャンピングカーは、メリットが大きいのでは。

もっとも、「太閤の湯」でまともに料金を払うのはナンセンスだ(笑)。
ここは様々な割引クーポンを発行しており、それを以下のサイトからもダウンロードすることができる。
こちらでは動画も見られるので、施設の中身もよくわかる(笑)。
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