この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、原稿作成のためのメモ代わりに書き残してきた「忘備録」を、後日リライトしたものです。
桜の彦根城から信州へ。
久しぶりの取材旅が始まった。久しぶりと云えば、この「旅の空から」の取材ドキュメントを書くのも、ほぼ半年ぶりになる。
実は昨年の10月頃からWordPressの調子がおかしくなり、年明けには自動更新に失敗。事実上「旅の空から」は閉鎖状態に陥っていた。
しかもその頃、筆者は「車中泊コースガイド・太平洋ルート」の執筆に追われ、ホームページを修復するどころの騒ぎではなかった。
執筆が一段落した4月に、本腰を入れてブログの再建を開始。ようやくこうして新しい記事が書けるようにはなったが、全ての記事のURLが変わったために、アクセス数は1000件/1日近く激減した。
それが元に戻るには数ヶ月を要するだろう。こういうことがあるからネットは厄介だ。しかも還暦が近づき、年々その進化からは遠ざかるいっぽうになってきた(笑)。
さて。今年は桜の開花が本当に遅い。
4月の10日過ぎまで万博公園の桜が満開にならない年というのは記憶にないのだが、その地元の桜がいよいよ見頃を迎えた頃に、取材地の長野に出かけることになった。
名神高速の多賀サービスエリアに寄ったところで気づいたのだが、桜の開花が遅いのは、どうやら大阪だけらしい。例年なら1週間は遅い湖北の桜が、なんと既に満開を迎えている…
そこで「いい寄り道」を思いついた。
正しくは「井伊、寄り道」になるのかな(笑)。実は今回の長野取材は、高遠を筆頭に桜がらみの松本城・上田城・松代城・懐古園などを取材に行くのだが、その前に、これから話題になるであろう、国宝「彦根城」の桜を撮っていくことにした。今日は移動日なので、長野には夕方まで着けばいい。
彦根城の桜は見事で、桜で名高い長浜城よりも筆者の目には美しく思えた。
考えてみればそれもそのはず。
彦根城は、関ヶ原の合戦で勝利を手中に収めた徳川方の重臣で、四天王のひとりに数えられる井伊直政の居城だ。
ただ直政は設計には携わったが、その完成を見ずしてこの世を去ってしまった。そのため、幕府は「天下普請」で築城を命じている。
フェイスブックでも少しふれたのだが、今放送中の「おんな城主 直虎」がいい意味で期待を裏切る面白さを見せている。
2月には井伊谷まで緊急取材に行ってきたのだが、「真田丸」が楽しすぎた反動と、放送直前に世間を騒がせた「直虎男説」が水を差したこともあって、どうなることかと案じていたのだが、柴咲コウの踏ん張りで、毎回次週が楽しみな展開が続いている。ナレーションをつとめる中村梅雀の「つづく」もいい(笑)。
さて、その中村梅雀が井伊家でもっとも有名な、幕末の大老「井伊直弼(なおすけ)」役を好演したのは「篤姫」だった。
戦国末期と幕末という「日本史のおいしい時代」に直政と直弼が生きた井伊家は、実に10本以上の大河ドラマに登場している。
しかも記念すべきその第一作である「花の生涯」は、なんと井伊直弼が主人公だ。ただ、さすがにそのモノクロのドラマは見たことがない…
にもかかわらず、なぜ筆者がここまで詳しいかは、井伊家が登場する歴代大河ドラマの解説が含まれた映像を昨日見てきたからに他ならない(笑)。
えてして大河ドラマで脚光が当たっている時には、現地で面白い企画がなされるものだ。その意味では、今年の彦根城は旬の観光スポットといえるだろう。
ところで今、筆者は中央自動車道の諏訪湖SAでこのブログを書いている。
昨日は彦根から松本まで足を伸ばし、松本城のロケハンをしてきたが、実質2分咲き程度で、さすがに週明けまで満開になりそうにない。今週は高遠とその周辺で過ごすことになりそうだ。